2008年2月9日〜2月17日 たいきバリ島ふたたび

2008年2月14日 ムンジャンガン島探検

 フラフラしながら砂浜に上がり、大の字になって寝転がっていたらだんだん波酔いも収まってきた。
しかしこの波、午後になったらどうなっちゃうんだろう。

 このスノーケリングはランチボックスが付いているのだが、ひーこと相談して昼ごはんはホテルに戻ってから食べる事にした。
 とりあえず飲み物だけいただく事にして、よく冷えたコーラを飲みながらたいきの砂遊びをしばらく眺めていたのだが、裏山のほうに続く階段が気になってきた。
 もしかしてナンヨウショウビンくらいいるかもしれないのでちょっと行ってみようと思いガイドさんにその旨伝えると、それじゃ一緒に行って案内してくれるという。

 たいきもつれていこうと思って声をかけるが、砂遊びに没頭中の彼は「ここで遊んでるから2人で行ってきていいよ」という。大丈夫かねえ。
 どうしようかと悩んでいたら、一緒に来ていた船頭さん(日本語はもちろん英語もしゃべれない)が事情を気配で察してくれたらしく、OKサインと供にうなづきかけてくれた。
ガイドさんも彼が見ててくれるから大丈夫というし、多分ほんの5分くらいだから良いかと思い、たいきには待っててもらい、ぼくとひーことガイドさんの3人でむンジャンガン島の探検に行く事になった。

 階段を登りきると草原になっていて、遠くの木にナンヨウショウビンが止まっていた。やっぱりいたね〜。
ガイドさんに「僕はあの鳥が大好きなんだ、見つけたら教えてね」とよく頼んでおく。

 風が強くなってきたせいか、さっきまで曇りがちだった空は日が差す時間が多くなってきた。
 草原の先には赤い瓦のお寺があり、ここが終点かなと思ったのだが、道はお寺の先を抜けてさらに先へ続いている。
島にはお寺があると聞いていたが、一つではないようだ。

 そのあとも数箇所のお寺を通り、最後にたどり着いたのは立派な白い塔だった。
亀とヘビの上に象が乗っかり、その上に塔が建っていて、周りをトラが守っている。
これがバリヒンドゥーの世界観なんだろうか。

照りつける強い日差しが塔の白い表面に反射してまぶしい。

 

塔の裏側は断崖になっていて、そこから見渡せる海は大きな波が打ち寄せ、それが岸壁にぶつかる「ドーン」と言う音が響き渡っていた。まるで台風のような大荒れだ。
風もさっきから比べるとどんどん強くなってきているし、マジで早めにホテルに戻った方が良いんじゃないかな。こんな波の中船に乗るのはいやだぞ・・・

 余裕のガイドさんを促して来た道を引き返す。
 来る時にナンヨウショウビンを見たあたりに差し掛かるとまた戻ってきていたようで、ガイドさんが「Kingfisher!」と言って教えてくれた。風が強くって中々ファインダーの中が落ち着かないが、なんとか撮影成功。

 ここでは昼間だと言うのにオオコウモリが飛んでいて、写真を撮ろうと追いかけると崖に下に消えていった。
海から激しい風が吹き付ける中、身を乗り出して崖下を覗くと水面までは10mほど。中腹に洞窟があり、そこがオオコウモリの巣になっているようだ。

 オオコウモリは崖に飛び付くと、必死に這いながら穴の中に入っていく。この風の中じゃ大変だろう。
風に翻弄されて、崖に生えている木に絡まって動けなくなっちゃうやつもいるし、中には勢い余って海に落ち、波にさらわれてしまうやつもいた。溺れてるコウモリなんてはじめてみたよ。

巣穴へ必死で這い進むオオコウモリ 枝に絡まった
オオコウモリ
溺れるオオコウモリ

 コウモリが落ちたあたりの水面を良く見ると何か大きなものが泳いでいるのが見えた。
2mはあるブラックチップシャークだ。しかも数頭がそこら辺をウロウロしている。きっと溺れたコウモリを狙ってきているんだろう。ここで間違えて落っこちたりしたらうちらも餌食だろうか・・・なんか恐ろしいなあ。

コウモリ狙いと思われるブラックチップ

 時間が経つのも忘れ、すっかりサメとコウモリに見入ってしまった。なんかすごいもん見た気がするなあ。
ほんの10分のつもりだった裏山散歩だが、気が付くともう30分以上経ってた。ひーこと「たいきは大丈夫かねえ、泣いてたりして・・・」と話していたら、風に乗って子供の泣き声が・・・

 そして顔をくしゃくしゃにして大泣きしているたいきと、困ってオロオロしている船頭さんが向こうから階段を登ってやってきた(^^;

 たいきはうちらの姿を見ると小走りで駆けてきてヒシッと抱きついてきた。そりゃ言葉も通じない所で心細かったよね。ながいことほったらかしちゃってホントごめんね。

こうして親子の絆を確かめ合い、再び浜に戻ったORAT家。
そろそろ帰ろうかと思っていたのだが、、たいきがみんなでもう一回泳ぎたいというので、浅場ででスノーケリングをしようとマスクとフィンを付けると、ガイドさんはもう一本ツアーに行くのと勘違いしたらしく、それじゃ付いておいで、と言って先に言ってしまった。どうしよう、そんなハードなのはあまりやりたくないんだけどなあ・・・
ここは海好きのひーこ、頑張っておいで!と全てを託し、ひーこはいけにえとなってスノーケリングツアーに借り出されたのであった。

尊い犠牲のお陰で、僕とたいきはウネリのこない浅場でプカプカ浮かんだりヒトデと遊んだりしてしばらくのんびり過ごす事が出来た。メデタシメデタシ

そしてイケニエひーこが帰って来るのを待って船にのり帰路に着く。
案の定大荒れの海峡を木の葉のように翻弄され、行きの倍以上かかったのではないかと思われる航程を経て、なんとか無事マングローブガゼボの桟橋にたどり着いたときには魂が抜けそうになっていた。たいきが途中でダウンしてしまったのは言うまでもない。

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