1月17日さよならウォーレシア

 空港の小ぢんまりとした建物に入ると、オージー君が親切にここに並べば良いとか、並んでいる間にあそこで空港使用料を払ってきなさいとか色々世話を焼いてくれたので、混乱する事もなくスムーズにチェックインする事が出来た。どうありがとう〜。

 飛行機の出発時間までは2時間ほどあったので、2階の待合室に上がる。
 お土産でも買おうかと店を覗いてみたが、免税品ばかりで地元のお土産っぽいものはあまりない。マオチャンが見せてくれたブナケンのつまみが欲しかったんだけどなあ。とりあえずトラジャコーヒーをいくつかとスナック菓子を購入。

 本屋に鳥の図鑑でもないかと見てみたが、新聞と週刊誌くらいしか売っておらず、店員は待合室のベンチでおしゃべり中でなんだかやる気がなさそうな雰囲気が漂っていた。
 さらにしばらくすると、店は次々とシャッターを閉め始めた。きっとうちらの便が今日の最終便だからこれ以上営業してても商売にならないんだろう。お客も全然入ってなかったしね。

 30分ほどベンチでゲームをしたりしながら時間をつぶした後、イミグレーションで審査を受けて待合室に入った。ここまではオージー君の姿は認めていたのだが、何か書類に不備があったらしく、ぼくらを見つけるとウィンクしてどこかに行ってしまった。それ以来彼の姿は見ていない。今頃何処で何をしているんだろう・・・まあどこかで元気に暮らしてるんだろう。

 ここで最終的な搭乗案内があるのだが、放送ではなく係員のお姉さんがやってきてメガホンマイクで説明していた。ローカルっぽいなあ。

 搭乗時間になったので飛行機に乗り込むとほぼ満席。さあ、これから長い空の旅がはじまる、がんばらなくちゃ。
 そしてシルクエアMI275便はウォーレシアの島、固有主の宝庫スラウェシ島を離陸、シンガポールに向けて飛び立った。

 これから3時間ちょっとのフライトだが、揺れは行きより少なかった。機内食でひーこは鶏、僕はちょっと気分を変えて魚を頼んでみたが、魚の方は身がフニャフニャでいまいち。米もなんだか独特の香りで意外と不味い。失敗したな。
たいきのお子様用は相変わらず美味しそう。大人はチャイルドミールたのめないのだろうか・・・・

 食後はファイナルファンタジーをしながら過ごし、シンガポールに着いたのが午後8時過ぎ。なんだか久しぶりの都会って感じだ。こんなにお店がいっぱいあるところを歩いていると、今日のお昼までブナケン島にいたなんて信じられないな。

 成田への便は12時前に出るのでかなり時間がある。まずはPSPの充電をセットしてからお土産を物色した。このチャンギ国際空港は日本円も使えるので、両替しなくてもふつうにお買い物が出来るので便利だがついつい買いすぎちゃうんだよなあ。しかし相変わらずのひーこの買い物は長いったりゃありゃしない。

 付き合ってたこっちはすっかり疲れてしまったので、買い物のあとは出発までしばらく休憩できそうな所を探す。たいきはなんだかもう眠そうだ。

 1階の店はかなり混雑していて、席も簡易テーブルにパイプ椅子と、いまいち寛げそうもなかった。エスカレーターがあったので2階に登ってみると、そこは広々としたカフェテリアだった。あまり知られていないのかそれとも時間のせいかガラガラだ。
 周りにはアジアンフードの美味しそうなお店が並んでいたが、さっき機内食を食べたばかりで残念ながらお腹は減ってない。初日の朝にここに来てれば幸せだったのに。
 久しぶりの生ビールがあったのでこれは迷わず注文。銘柄はカールスバーグ、やっぱ生は美味いなあ。
 一方たいきはセブンアップを飲んでいたが、ついに電池が切れ、そのままソファーで寝てしまった。
 

 しかしずっとここで寝ているわけにも行かないので、日本語でJALの搭乗案内が流れたのを機にたいきをたたき起こし、PSPもピックアップしてから飛行機に向かった。そしてたいきは席に座るや否や再び爆睡。

 成田行きの機内はガラガラで、キャビンアテンダントさんに一人1列使って良いとのお許しをもらい、足を伸ばしてノビノビと横になる事が出来た。こんなに空いているのは同じ時間帯にシンガポール航空がA380を飛ばしているので、お客さんがみんなそっちに流れてしまうせいだそうだ。でもこんなに空いてるなら次回も断然JALを選んじゃうなあ。

 ビールを飲みながらDSをやっているうちにうとうとしてきて、後は足を伸ばしてゆっくり眠る事が出来たのだが、朝ごはんタイムになると機内の照明が明るくなって目が覚めてしまった。いつもの事だが飛行機での寝起きは全然食欲ないんだよな。出来たら着陸するまでほっといて欲しい所だ。
 しかしたいきは明るくなってもしっかり眠り続け、着陸してシートベルトを外すサインが出るやいなや目を覚ますと、「ウンコ!」と言ってトイレにかけこんでいった。単純なお腹でうらやましいよ。

 無事着陸したまだ明けきらぬ成田は、室内にいてもしんしんと寒さが伝わって来る。寒い日本に帰ってきちゃったなあ。
 しかしカラッとした空気は雨季のジトジトスラウェシ帰りには、洗濯物がすぐ乾きそうでちょっとうれしい(爆)

 かくして憧れのウォーレシアへの遠征は終わり、ORAT家は無事日本に帰ってきたのであった。



今回の旅行で日本の利便性の良さを思い知った一方、最低限の設備さえあればそこそこ快適に暮らすことも出来るという事をを実感した。あのプリサンの村人の暮らしならたとえ大地震が来たとしても、津波さえなければ普段と何の代わりもなく生活して行けるんだろう。ライフラインが止まる心配が付きまとう生活から考えるとちょっとうらやましいところもある。

 成田では乗客事態少なかったため、イミグレーションも混雑することなく通過することが出来た。
機内預け荷物もすぐに出てきてくれ、疲ていたのでとっても助かった。

しかし地下の京成乗り場に着いたとき問題が発覚。
財布の中にお金が全然ないのだ・・・あ〜!チャンギでお土産買うのに手持ちの現金使い果たしちまったんだ〜
これじゃうちに帰れない・・・(泣)

 その日の早朝、成田空港にはヨレヨレになりながらスーツケースを引きずってATMを探し回るORAT家の姿があった・・・

おしまい

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