1月17日 ブナケン最終日

 スラウェシ遠征最終日はすばらしい朝日ではじまった。こんないい天気の朝は初日のタンココ以来じゃないだろうか。
海も昨日と同じ海とは思えないくらい穏やかで、色んなものが光り輝いて見える。なんだか感動してしまうが、それも今までの雨続きがあってのことだろうから、一概に雨が悪いともいえないな。

 砂州の先ではシギやササゴイが平和に餌をとっている。ブナケンって南国の楽園だったんだなあ・・・

ボートのインドネシア国旗の上にはリュウキュウツバメが止まっていた。

今日の朝ごはんはホットケーキ。こういう小さいのがホットケーキで、今まで食べてきたおおきくて分厚いクレープのようなのはパンケーキと言うんだそうだ。朝のレストランもさわやかな風が吹き抜け、とっても気持ちいい。

 今日のチェックアウトは昼過ぎなので、それまでのんびりできる。部屋に戻ると湿気た服を熱帯の日差しで乾かすため階段に広げた。このまま持って帰ったらカビが生えてそうだからね。いまだ生乾きのトレッキングシューズも日当たりのいいところにおいておく。あと4時間、はたして履いて帰れるくらいまでに乾いてくれるだろうか・・・

一息ついたところでひーことたいきはふたたびDSに熱中しだした。折角天気いいのにもったいない。
バルコニーから外を眺めていると、部屋の前の竹に体長12cmほどはありそうな巨大バッタが飛んできた。さすが熱帯!

他にも何かいないかと、敷地の中を探すとカマキリ発見。これは日本のとあまり変わらない。

ハイビスカスも今日は日の光を浴びてとっても綺麗だ。

 そしてここに来てからずっと気になっていた黒いタイヨウチョウも何とかゲット。逆光で色がよくでてないけど、のどから胸にかけてが赤っぽいのでムネアカタイヨウチョウだろうか。それに普通のキバラタイヨウチョウも撮る事ができた。

裏山にもちょろっと探検しにいってみたが、日が出ているせいか蝶も色々飛んでいた。あまり派手なのは居ないようだ。
鳥はチャノドコバシタイヨウチョウのメスもゲット。
密かにセレベスブッポウソウの最後のチャンスを期待していたのだか、それは叶わなかった。

いろいろ撮れたので部屋に戻り、まだDSをしていた2人を散歩に連れ出す。

ビーチに下りると穏やかな波が打ち寄せていた。
いままでびしょ濡れで座る気がしなかったサマーベッドも今日は木漏れ日の下気持ち良さそう。
寝転がるとビーチリゾートにいるような気分だ(いるんだけど;)
これだけ海が静かならマナドへ行くボートも揺れないだろう。

今日はもう海パンを干しているので海には入れないのだが、海を目の前にしてじっとしていられなくなったたいきはズボンを捲り上げて波打ちで遊び始めた。

しかし案の定すぐにびしょぬれになり、結局パンツ一丁で波打ち際に座り込む始末。
最後にブナケンの海を満喫できたかな。しかしこのパンツは家まで濡れたまんまだな。

 今日はちょっと早めにお昼ご飯を食べて12時半にチャチャを出発する予定なので、そろそろ帰り支度をしなくては。
 まだ水を浴びたりないらしいたいきを海から引きずりだして部屋戻ると、初日にクリーニングにだした着替えが綺麗にたたまれて届いていたので早速着替える。
 これから再び20時間の長旅が待っているのだから、せめて着てるものくらいさっぱりしていたいもんな。しかしこんなにパリッと乾いた服は久しぶりだよ。

 階段に干してあった服もいい感じに乾いている。やっぱり熱帯の日差しは強烈だから、太陽さえ出ればあっという間だ。
 しかしトレッキングシューズはまだ生乾きのまま。靴だからしょうがないが、もう一息でなんとかなりそうな感じ。

 しかしここで一転にわかにかき曇り、大粒の雨が降りだした。慌てて干してあった物を取り込むが、靴はもう履いて帰るのはあきらめるしかないか。
 でもこのままじゃカビるのは確実だ。いっそ捨てていってしまおうかとも思ったが、あのスモーキーマウンテンが頭をよぎる。この島のゴミ捨て場もあんなだったら余所者が余計なゴミを増やしちゃいけないな。
 しょうがないのでビニール袋に突っ込んできつく口を縛り外のポケットに突っ込んでおいた。帰ってから出すのが怖い・・・

荷物のパッキングを済ませ出発準備も完了し、レストランに向かう頃には土砂降りになっていた。
この旅行、最後まで雨に祟られたなあ。まあ雨季だからしょうがないけど。

 事務所でダイビング代や飲み物などのの精算を済ませてからダイニングテーブルに着くと、ブナケン最後の昼ごはんが運ばれてきた。メニューはナシゴレンと厚切りベーコンフライ。
 レイコさんはもうバリに行っちゃってるし、ちあきさんは午前便のダイビングのガイド中なので、テーブルについているのは一緒の便で帰る常連のオージー君とうちらだけでちょっと寂しい。

 オージー君に何処から来たのか聞くと、彼はお隣のハルマヘラの金鉱山で働いているそうだ。
 ハルマヘラといえばスラウェシに負けない野鳥の宝庫。まさにウォーレスライン真っ只の島だ。一度行って見たかったところだが、スラウェシよりさらに激しく秘境な感じがするし、あまり情報もないのでどんな所か聞いてみたら、彼は鉱山会社の施設に住んでいるから問題ないけど、一般人が行こうと思ったらきたない宿が数件あるだけなので、あまり快適には過ごせないらしい。それじゃちょっと行きづらいなあ。

 食事が終わるころ、ちあきさんがダイビングから帰ってきた。そしてうちらはそろそろ出発の時間だ。

 テラスから見下ろすと、朝とは全然違うドンヨリとした海が広がっていた。
 さっきまでの穏やかな海が、出発の段になってどうしてこんなになっちゃうかなあ・・・
 帰りはマナドの港へ直接向かうと言う事なので、来た時よりさらに激しく揺れるんだろうな。ちょっと憂鬱だ。

 ビーチに下りるとボートが結構岸近くまで来てくれたので、びしょぬれになる事もなく無事乗船することが出来た。さあ、いよいよ出発だ。

 ちあきさんやマオちゃんらスタッフたちに見送られて、ボートは打ち寄せる波にもまれながらブナケン島をあとにした。
本来なら多少感傷にふけりたい所だが、これから待っている海の荒れ具合が気になってそれどころではない・・・

そして海はそれを裏切ることなく荒れまくり、ボートは沈没しちゃうんじゃないかって言うくらい揺れまくった。
積んである荷物も揺れでズルズル動いている。大丈夫なのか!?かなり心配になってしまう。

 そしてこの揺れでたいきは再び撃沈、ひーこもグッタリしてる。
この旅行では二人ともよく酔っていた。考えてみれば毎日船に乗っていたもんな。
やがて荒れる海の向こうにマナドの町並みが見えてきた。ここまで来ればもう大丈夫、生きて陸にあがれそうだ。
街の一部にだけ雨が降っているのがはっきりわかる。今回は毎日ああいう雨に翻弄されてたんだろう。

 港の中に入るとさすがに波も穏やかになってきた。来る時タクシーに乗せられた桟橋も見えてきたぞ。
しかし船は桟橋ではなく。その奥の岸壁に直接接岸し、舳先と陸の間にベニヤ板のような渡し板がかけられた。
手摺もなく両側の数メートル下は海のこのシチュエーション、なんだか平均台を歩くようでちょっと腰が引けてしまったが、この最後の難関も何とかクリアして、無事上陸成功。しかし上陸地点は桟橋というより道端だ。これもスラウェシ流ってところなのかな。

 ボートスタッフとお別れをしたあと、オージー君と一緒にタクシーに乗り込み空港へ向かう。
 彼はこれから日本に行くそうで、日本にはお姉さんが先乗りしていて、まず長野で合流してスキーを楽しみ、それから沖縄に行ってちゅらうみ水族館でジンベイを見るんだそうだ。いいな〜
 オージー君とそんな話しをしているうちに空港に到着していた。

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