スラウェシ準備編

 2008年も押し迫り、再び冬遠征の季節が近づいてきた。
 いつものように次の遠征までに完成させる宿題の夏の沖縄旅行記の進行とともに、恒例の何処行こうか会議が頻繁に開かれるようになったORAT家。

 日程は成人の日の三連休を絡めた1月10日からと言う事に決定。正月休みが長かったのでいきなりやすむのはちょっと気が引けるが、まあこの際しょうがない、日本の休日設定がいけないんだ。

 次に行き先だが、RICK家の今年の冬遠征はボルネオでセグロミツユビカワセミ狙いと言う事で、僕も最初かなりそちらに惹かれていた。でもひーこはどこか新天地を開拓したいという。その一方、去年のバリ島も中々楽しかったのでNega君やYudiさんにまた会いに行くってのも魅力的だし、そろそろケアンズのRedmillhouseのアンドリュー・トリッリュ夫妻にも会っておかないと忘れられちゃうかな、なんて考えていたら中々目的地が決まらない。どうしよう。燃油サーチャージも高いからねえ・・・

 心の底ではずっと憧れだった、スラウェシ島北部のタンココ国立公園に行きたいと言う気持ちもくすぶっていた。
 ここはアジア圏とオセアニア圏の動物相の境目、ウォーレシアにある島で、その特殊性からここにしかいない固有種も多く見られる生物学的にとても興味深い場所なのだ。
 スラウェシ島固有種のカワセミだけでも4種がいて、「Where to watch the Bird inAsia」という探鳥地案内の本の中では「カワセミ類を見るには一番良い所」なんて書いてある。中でもチャバラショウビンは青い頭がそれは美しくぜひ撮りたい種類だ。

 しかし日本語で手に入れられる鳥撮りの情報と言えばいつもお世話になっているまーさんの旅行記くらいだし、他の旅行記を読んでも宿泊施設(ママルーと言うのが有名)は雨水をためた桶からひしゃくで水浴びをするスタイルだったりで、たいきを連れて行くには厳しそうなかんじだ。まだマラリアなんかもあるようで未開の地って印象もぬぐえない。
その上、1月の現地は雨季真っ只中と言う事もあり、きっとひーこも嫌がるだろうから、ここに行くのはまず無理だろうと思っていた。

 そんなスラウェシ島だが、北部の中心都市マナド沖にはダイバーの間で有名な、目の前に世界有数のサンゴを誇るハウスリーフが広がるブナケン島というのがあり、そこに「ブナケンチャチャ」という日本人の女性がオーナー夫人のダイブリゾートがある事を知った。この存在がひーこを動かしたのであった。

 いつの間にかシンガポール〜マナド間に就航しているシルクエアーの時刻表を調べたり、「チャチャ」のHPのブログをチェックし始めたひーこさん。一度エンジンのかかったひーこは猪突猛進あるのみ。なんかスラウェシに行きたそうな雰囲気になってきたぞ。これなら憧れのタンココも射程距離に入ったか!?

 しかしブナケン島からタンココに通うのは現実的ではない。なにせ空港からタンココまで2時間。ブナケンまではボートの乗り次を含めて反対方向?に2時間弱かかるのだ。

 ここはタンココ近辺の多少は綺麗そうな宿泊施設を僕が自分で探さないとひーこはそこまでやってくれないだろう、これ幸いにとばかりにブナケン島7泊なんてことにもなりかねない。というわけで検索開始。
 その結果「Plisan Jungle beach resort」という宿を見つけた。ここはタンココから船で45分ほどかかるらしいが、グーグルアースで見てみるとそうたいした距離じゃない。タンココにいる鳥ならプリサンの周りにもいそうな雰囲気だから、もしかしたらタンココまで行かなくても宿の周りで鳥撮りできるかも。それに宿泊するコテージは木でできているし(以前クラビ近郊KNCで泊まったモラコットリゾートはコンクリの塊っぽくて居心地悪かった)ウェスタンスタイルバスルームと言う記述もあるのできっと洋式トイレにシャワーはあるんだろう。それならそこそこ快適そうだ。とりあえずメールを入れてみると、ファミリールームが空いているという。料金は3人一部屋3食付でルームチャージが1泊60ユーロ。けっこう安いんじゃないだろうか。

 その後ひーこがチャチャの方に空室状況をたずねるとこちらも空きがあった。まあこんな正月休み明け早々の雨季真っ只中に来る物好きなゲストもそうはいないよなあ。メールでやり取りしたオーナー夫人のレイコさんもなかなか感じのよさそうな人だった。一応プリサンについて聞いてみると「皆さんかなりハードな所だったと言いますねえ」だって。まあたしかにホームページには最後は30分ほど歩くって書いてあるけど、荷物は運んでくれるみたいだし、アトラクションと思えばそれはそれで楽しそうだ。

 成田シンガポール間のフライトもなんとかなりそうな料金のようだが問題はシルクエアーの便。シンガポール〜マナド間は火・木・土の週3便しか飛んでいない。しかもシンガポールを出るのが午後の早い時間なので、前日にはシンガポールに着いていなくてはいけない。
 日本から行く人達はシンガポールのトランジットホテルで一泊する場合が多いようだと知り、ひーこはすぐにトランジットホテルの手配を開始。
 他の宿、航空券の手配もいつの間にか完了し、乗り継ぎなどの関係上1月9日から18日という日程で、冬遠征は遂行される事になった。なんか遠征期間が年々長くなっていくような・・・(会社を休んだのは4日だけです^^;)

 そしてなんとか沖縄旅行記も出発2日前に終わらせ、ほんとにスラウェシなんて行っちゃうの?と言う気分のまま出発の日を迎えたORAT家であった。
なみに今回新たに導入したのは、デジスコロクヨン用たーぼアダプター28X接眼と380EXスピードライト(中古)
だけ
 

 

目次本編へ

鳥見旅行記トップへ

inserted by FC2 system