ムラサキタイヨウチョウ!しかいない
 気持ち良いベッドでぐっすり眠るとランタ島最初の朝が来た。5時に目が覚めたがあたりはまだ真っ暗だ。

 ロクヨンを組み立てたりして出かける準備をしていると、6時過ぎになってやっと東の空が明るくなってきた。バルコニーに出てみるとコウモリが飛び回り、タイヨウチョウの甲高い声が響いている。それじゃ出撃するか。

 今日は9時からジャングルトレッキングだから、朝ごはんの時間とかを考えたら8時には戻ってきたほうがいいだろう。
 あまり遠くへはいけないだろうけど、軽く敷地の中でも見て回るとするか。

 宿泊棟から出てすぐ、近くの木のてっぺんでさえずるムラサキタイヨウチョウを発見。逆光空抜けでいまいちだけど、なんとかノドの紫色が分かる。

 昨日も見かけたがここでは多いのかな。今までの経験では、リゾートのタイヨウチョウといえば一番普通なのがキバラタイヨウチョウ、その次がチャノドコバシタイヨウチョウって所だ。このムラサキタイヨウチョウはあまり見る機会が無かったので、これがいっぱいいるとなると嬉しいかも。色も中々綺麗だしね。

 宿泊棟の裏側からやかましい声が聞こえてきたので覗いてみると、ミドリカラスモドキ(若鳥)の群れがいた。赤い虹彩はいまいちかわいくない。

 そのあとレセプションまでの道を下っていく間に見られたのはムラサキタイヨウチョウとアマツバメだけ。予想はしていたけど鳥の種類少なすぎ。やっぱり陸から離れた島ってのは鳥の種類も限られてしまうのだろうか。
 おまけに急激な気温の上昇でレンズの前玉が結露しまくり、ダナンバレーの時よりひどい状況だ。これじゃ鳥がいても撮れないぞ〜

 途中にあるホテルのゲート横にある廃墟のような建物からは金属的な声のざわめきが聞こえてきた。コウモリのねぐらでもあるのか、それとも上空を飛び交っているアマツバメのコロニーだろうか。しかし目を凝らしてもロクヨンで覗いても、動くものの姿は全然見えない。

 レセプションにつき、その辺りを見回ってみたものの、椰子の木の上のほうでチラチラ動くムラサキタイヨウチョウの姿があるばかり。

 こりゃホテルの中だけじゃあまり鳥は期待できそうもないのでもうちょっと捜索範囲を広げてみよう。

 警備ブースにいるセキュリティーのお兄さんに挨拶をして通過。そのまままっすぐ行けば昨日通った町の中心部だが、そこまで行っている時間はなさそうだ。

 左側には浄水施設があり、その横にダートの登り坂が伸びていた。らへんにたむろっていた従業員っぽいおじさんに「この道はどこまで行くの?」と聞くと隣のビーチまで繋がっていると教えてくれたので少し歩いてみることにする。ここはマレーシア、さらにこんな小さな島だ。治安に関しちゃ問題ないだろう。

 坂を登っていると、わりと低めの所で囀るムラサキタイヨウチョウを発見。曇ったレンズを拭きながら何とか撮影した。
 さっきから姿は見かけるが、遠かったり逆光だったりでまともに写せていなかったので結構な収穫だ。

 しかしその先は時折蝶やトンボが飛んでいる程度で鳥の気配は全然しない。こりゃダメだな。時間も時間だし一度部屋に戻るとしよう。

 部屋に戻るともう8時過ぎ。たいきとひーこはまだ寝ていたのでたたき起こし、みんなの支度が整うまでバルコニー出待っていると、部屋の前の樹冠の間をムラサキタイヨウチョウが飛び交っているのが見えた!
 道を歩いているよりこっちのほうが空抜けしないし色も良くわかる。これは放っておけないな。急遽朝ごはんはキャンセル、ひーことたいきにだけ行ってもらい、僕はここでムラサキタイヨウチョウの撮影にいそしむ事にする。

 アウトドアデスクに9時集合だから10分前くらいには戻って来るんだよ、と念を押して二人を送り出すと、ベランダに戻って撮影再開。こんな時間になってもまだレンズが曇るので困ってしまうが、バスタオルで拭きながらムラサキタイヨウチョウがいいところに出て来てくれるのをまってシャッターを切る。
角度によってきらきらと色が変わる金属光沢がとても綺麗だ。

 時折すぐそばにも来てくれるので気が抜けない。これは朝ごはんを抜いただけのことはあるな。

 再接近してくれたのはこっちのメス。オスと比べたらめちゃくちゃ地味だ。
キバラタイヨウチョウとどこが違うのか良くわからないが、ここにはムラサキタイヨウチョウしかいないようだし一緒にいる所も見かけたからきっとメスなんだろう。

 というわけで結局この朝はほとんどムラサキタイヨウチョウしか撮れないまま終了となってしまったが、逆に言えばムラサキタイヨウチョウが撮れただけでも良かったかな。

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