ジャングルトレッキングって言ってもねえ
 そろそろみんなも戻ってくるだろうと思い、撮影を切り上げて出かける準備をしていたのだが、たいきとひーこは集合5分前になっても帰ってこなかった。いったいあいつら何やってんだ!とやきもきしながら待っていると、9時になってやっとひーこが戻ってきた。まったくお前ら時間を守るって観念がないのかよっ!

 おまけにたいきはどこにも居ない。どうしたのか聞くと、朝バイキングに興奮していつまでも食べ続けていたら時間ぎりぎりになってしまったそうだ。腹が立つよりあきれるなあ・・・どんだけ食いもんに執着してるんだよ・・・
ひーこもひーこだ、こんな状況になる前に何とかしようと思わなかったんだろうか。

 たいきは歩くのが遅いので直接アウトドアデスクに行くように言ってひーこだけ化粧をしに戻ってきたようだが、もう集合時間じゃないか。そんな暇ないぞ!と慌てて部屋を出る。ほかに一緒に行くお客さんでもいたら迷惑がかかるだろうが!

 超特急でアウトドアデスクに行くと、どうやら今日のお客さんはうちらだけだったようでホッとする。たいきの姿が見えないなあと思って昨日のお兄さんに聞いてみるとトイレに行っているらしい。まったく〜

 その間に受付を済ませると、今日ガイドをしてくれるという寡黙な若者を紹介してもらった。地元の青年って感じでいまいちプロガイドっっぽくないけど大丈夫かねえ。

 支給品のミネラルウォーターをもらったりしているうちに、たいきもトイレからスッキリした顔で出ててきたので出発。
 昨日の話しだとボートでどこかに行くようだったが、どこから乗るのかな?ガイド君に聞いてみるとしばらく歩いてそれから乗るそうだ。

 一行はホテルのゲートを出て、今日ちょっと歩いた隣のビーチへのダートの道をすすむ。もしかしてここから向こうのビーチまでのこの道がジャングルの中の道ってことで、そこからボートで帰ってくるだけなんだろうか?だとしたら相当しょぼいなあ・・・
実際ガイド君の携帯に着信があってしゃべってるのを聞いていたら「今ジャングル」なんて言っている。やっぱここがジャングルなんだろうか・・・

 鳥は朝よりさらに気配が少なく、見つけた生き物はシロオビアゲハくらい。

 特に高い木もなく開けたダート道は少しづつ高度を上げて行き、やがて最高地点に到達すると(と言っても標高20mくらいだろうけど)海を見渡せる眺めのいい場所に出た。

 たいきはすでにかなり汗だくで疲れちゃっているようだ。まだ1kmも歩いてないのに情けない。でもこの先はずっと下りのようなので、元気を出して出発しよう! 

 坂を下りきるあたりで木々が急に高くなり道に覆いかぶさるように茂りはじめた。やっとジャングルっぽくなってきたぞ。
 森の奥からキーキーとサルの声が聞こえてくる。サルの群れがいつもここらへんにたむろしていて、通りかかる人がいると大騒ぎするそうだ。 たいきはちょっとビビっている。僕もこの前のモンキーフォレストで引っ掻かれたのを思い出すとあまりいい気はしないなあ。 木々の間をよく見てみたら、遠巻きにこっちを見ているカニクイザルの姿があった。ここはとっとと通過しよう。

 ジャングルっぽかったのはほんの少しで、そこをを抜けると明るいビーチが広がっていた。

 ホテルの前と違って誰もいない。ここが終点なんだろうか。でも迎えのボートなんてどこにも居ないよなあ?
もしかしてボートの件は聞き間違え立ったのかな?自信なくなってきた・・・

 白い砂の上には砂と同じように白いカニがすべるように走り回っている。

道路わきの低い木にはムラサキタイヨウチョウが数羽で飛びまわっていた。

木が低いので目線の高さで動き回ってくれる。これは中々いい撮影スポットだ。
どうせここで終点なんだったら腰をすえてじっくり撮影するか。

 と言う気分でしばらく粘っていると、ガイド君が移動したそうな雰囲気をかもし出してきた。ええ〜?もう帰るの?まだホテルを出てから1時間くらいしか経っていんじゃないかと思うんだが・・・物足りないにもほどがあるぞ。でもまあしょうがない。ここは付いて行くしかないか。

 ガイド君は僕が三脚を担いだのを見届けるとビーチの奥のほうに向かって歩いていく。とりあえず端っこまで行ったらそこが終点かな。と思っていたら、ビーチ際の潅木林を回りこんだところにとてもいい感じの入り江が現れた。なんだここに連れてきたかったのか。カワセミいそうじゃん!

大興奮でロクヨンを覗いてチェックすると嘴の長い鳥発見!おおっ! と思ったらササゴイだった。残念。
水辺ではトビハゼが歩き回っていた。

しかし他にはムラサキタイヨウチョウの声が聞こえるだけ。
ナンヨウショウビン位いてもおかしくなさそうな環境だけどなあ。ここは明日の朝、もう一度来て見よう。

 さあ、それじゃホテルに帰ろうか、って気分になっていたのだが、ガイド君はこの入り江を横切ってさらに先に進むようだ。まだ終わりじゃなかったのか。それは失礼しました(^^;

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