疲労困憊 でも大満足

 Yotinと別れ森の中から太陽の下に出ると、猛暑期の強い日差しが疲れきった体をムチ打つ。まさに真夏だ。
重い三脚を担ぎ、足を引きずるようにしてたどるモラコットリゾートまでの道は永遠に続くように感じられた。暑いよ〜、喉がかわいたよ〜〜   って昨日もそうだったな。(^^;

 しっかししんどい。天気がいいのは気持ちいいけどこの暑さはたまらん。立ってるだけでも辛いもんな。
歩いても歩いても先に進んでる気がしないぞ。
 途中の水溜りから飛び立ったジャワアカガシラサギや、道路わきの花に止まったアオタテハモドキなどに元気付けられながら何とか前に進む。なんか腰も痛いしケツ筋もだるいよ〜

 そんなバテバテになりながらも最後の力を振り絞って歩き続けていくと、彼方にモラコットの建物が見えてきた。

 そしてやっとのことで部屋の前まで到着。三脚を肩から下ろしフラフラと鍵を開け部屋に入る、今日もとクーラーのスイッチを最強にしてとにかく冷たいシャワーを浴びる。気持ちいい〜。
 今回強く感じたが、めちゃくちゃ暑い時はクーラーで涼むより冷水シャワーを浴びる方が即効性があるようだ。これでやっと人心地がついたよ。

  その後しばらくクーラーに当たりながらベッドに寝転んでゴロゴロする。極楽じゃ〜〜
 
 と言ってもそうのんびりもしていられないのだ。そろそろ荷物のパッキングをしなくては。チェックアウトを1時に伸ばしてもらっておいてよかったよ。

 撮影機材をばらしてリュックに詰め三脚もスーツケースに仕舞いこんだら出発準備も完了。
 あとはのんびり昼ごはんを食べながらマリタイムへのお迎えを待つだけだ。

 スーツケースとリュックをゴロゴロと引っ張ってレストランに行き、みんなで集合したらモラコット最後のお食事だ。
まずは飲み物、今日もRICKさんとにゃっちさんはノンアルコールのライムティー。やっぱり昼間から飲んでちゃいけないよね。

 そういう僕は我慢ができないのでシンハラージだ。それじゃ目標達成を祝ってカンパ〜イ!

 ク〜〜ッ、たまらんねえ。美味いったらありゃしない。

 お食事はこの後の移動もあるということで軽く一人一品ってことで。僕は幅広麺のポークのフライドヌードルにしたのだが、これがとっても美味かった。茶色い色も汁なし具合も好みにぴったり。次回はこればっかりでもいいかも。
 

 食事を終えて一息ついたところで清算をお願いすると、おばちゃんがうまいこと僕とRICKチームを振り分けた伝票を持ってきてくれた。宿泊代と2日間の食事、ビール代を含めて、僕の分は3500バーツほど。日本円にして1万円チョイ。あれだけ飲み食いしたってのに安いよなあ。

 新生モラコットは部屋も綺麗だしご飯も安くて美味しくてほんとに良かった。マリタイムで骨休めなんて設定する必要もなかったよ。これならもう一泊して夕方までみっちり鳥を撮り、次の朝直接空港に移動って手もあったよな。
次回来る事があったらそうしよう。

 しばらくするとYotinがやってきたので今回のガイドフィーに多少のチップを加えてお支払いする。
 今回は本当にありがとう。見たい鳥ほとんど見せてもらえたよ。と言ったら「最後のセアカミツユビでお前が転びさえしなければっ!ガハハハ」と返されてしまった。ごめんね〜。でも次回も必ずガイドしてもらおう、と心に誓い、最後に一緒に記念写真を撮ってもらう。

 この後はマリタイムか?というのでそうだと答えると、あの近くのボードウォークはマングローブヤイロチョウを見るのにいい場所だ。早朝にいけばかなりの確立で見れると思うぞ、と詳しい場所を教えてくれた。僕は明日の朝にはもう出発しなければならないので、そこら辺はRICKさんとにゃっちさんに任せる事にしよう。

 それじゃYotin、ほんとにありがとう。また会いましょう!と握手をすると、彼は一度も乗せてくれなかった車で去っていった。

 記念写真といえばあのコップンカッぷの子とも撮っておかなきゃ。君も色々ありがとうね。ビンタン頼んでパニクらせちゃったりしたけど次回来た時も覚えていてね。

  これで手持ちバーツも残りわずか、でも今後の目星が着いたので一安心だ。最近は空港使用税も航空運賃に込みになったらしいから、これだけあればなんとか足りそうだ。

 そしていいタイミングでお迎えが到着。モラコットのスタッフにも別れを告げ、3人で車に乗り込んだ。それじゃみんなありがとう。また来ますよ〜

 この送迎車だが、モラコットのおばちゃんにはタクシーということでお願いしたのだが、来たのはワイドボディーのハイエース?思っていたよりでっかいぞ。

 内装は明るいベージュの革張りで、足を伸ばしてリクライニングすれば飛行機のビジネスクラスかという位の広々した豪華仕様。これに乗るのが3人だけなんて、この前のプーケットのワンボックス定員いっぱい乗りから比べたらめちゃくちゃ贅沢だなあ。ビールの酔いと心地よい疲労感、それに目的を達成できた開放感もあってとってもノビノビとした気分だ。
 本来車嫌いな方だけど、これはいつまでも乗っていたい気になるな。

 いい気分で寝転びつつ、みんなで馬鹿話をしながらマリタイムに向かうが、どこかでビールの買出ししとかなくちゃな、と気づいた。運転手さんにどこかスーパーに寄ってとお願いすると、クラビタウンの街中に入ってすぐのセブンイレブンで停まってくれた。
車から外に出ると、モラコットより確実に暑い気がする。やっぱ街中だからかな。それじゃRICKさん、買いに行くぜ!

 しかしもう11時は過ぎてると言うのに、それにシンハはいっぱい並んでいると言うのに、レジのおばちゃんは「夕方まではダメだ」と売ってくれない。どう言う事だ〜?しょうがないので車に戻り運転手さんに事情を話すと。ちょっと考えてからそれじゃ別の店に行こうと車を出した。

 しかし間もなく本日泊まるマリタイムについてしまった。ところが運転手さんはちょっと困った顔で前を通過。

 どうしたのかと思ったら、目指す店はマリタイムの隣だった。ここはアルコール専門店らしい。車を降りて恐る恐るビールを持ってレジに行くと・・・今度は売ってくれたよ。しかしタイのアルコール販売制度はどうなってんだ?わかりにくいよなあ・・・

 買い物を終え車に戻ると、運転手さんは男前にもそのまま大通りをバックして改めてマリタイムのアプローチに突入。

 そしてこちらも5年ぶりのマリタイムに到着。いままで半野生みたいな生活してきたうちらには、普通のリゾートホテルはちょっと違和感があるかな(^^;

 ここはエクスペディアで予約しておいたのだが、Webにはパスポートを見せればいいと書いてあったので何のプリントアウトも持ってこなかった。一方のRICKさんたちはちゃんと書類もそろえているってのに・・・大丈夫かな?

 フロントのおばちゃんにそこら辺を告げると、ちょっと待っていて、といってなにやら電話をかけたり奥に入っていったりとあわただしい動きをはじめた。なんか不安だ・・・

 もう一人のおばちゃんがウェルカムドリンクを持ってきてくれたので、とりあえず確認が取れるまでひと休みして待つことにするが、これがまた薄ボケた砂糖汁みたいな変な味。何で海外のウエルカムドリンクって美味しいもんがないのかねえ・・・

 やがておばちゃんが部屋の用意ができたと鍵を持ってきた。RICKさんのだけかな?と思ったら僕のとこも大丈夫だった見たい。良かったよ〜

 今回RICKさんたちが泊まるのはナントカスイートっていう豪華な広い天上界の部屋らしい。それに対して僕は下界の一番安いスタンダートなのできっとすごい離れてるんだろうな、と思ったら、案内のおばちゃんはカートにみんなの荷物を一緒に乗せて歩き出した。

 そして向かったのは5階。これは天上界じゃないか?まずはRICKさんたちのところに寄ってそのあと2階くらいの僕の部屋に行くのだろうか。

 しかし案内されたのはRICKさんたちの部屋の隣!中に入ったらなんだか広くない?もしかしてRICKさんたちのおこぼれで良い部屋にしてもらえたのかな?なんかそんな感じだ。

 これだけ広い部屋に一人で暮らすなんて贅沢だなあ。RICKさんたちに感謝しなくちゃ。
 そのあとRICKさんの部屋を見せてもらったらさらに広く、まさにナンタラスイートって感じだった。

 さて今日はこの後どうしようか。さっきYotinが教えてくれたボードウォークに偵察がてら行ってみるかねえ?でもしんどいから元気があったらってことにしようか。それじゃあとで庭でね、といつものようにテキトウな約束をして部屋に戻る。

 それじゃちょっと一息入れるかな、とさっき買ったシンハを一缶持ってベランダに出てみると、5年前と変わらないなかなか綺麗な景色が広がっていた。このプール、たいきがジャンプして水面に顔を出し息継ぎしつつ、半分溺れそうになりながらも遊んでたんだ。あの頃はたいきもまだちっちゃかったよな。なんか懐かしいねえ。

 それじゃマリタイム到着を祝してまずはいっぱい。ん〜〜うめ〜。

 ここから眺めるマングローブの平原は彼方まで続いているように見える。その中に所々石灰岩の山が顔を出す様はオーストラリアのエアーズロックみたいだな。

 下の庭には鳥が飛び交い、ギャギャギャギャギャとチャバネコらしき声も聞こえてきた。鳥撮りはモラコットで満足がいくまでしてきたはずなのに、こんな声を聞くとやっぱりじっとしてはいられないよな・・・
 モラコットから離れたとはいえここはまだクラビ。チャバネコやヤマショウビン、アオショウビンと色々撮れる可能性があるんだから。そうなると、万が一に備えてフル装備で行った方が悔いが残らないだろう。

 というわけでいそいそとスーツケースを開け、もう使わないと思っていた三脚を取り出すと、これももう使わないと思っていたロクヨンをセット。正直体はくたくただけれどメイン機材で出撃だ。

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