一人で帰るぞ〜
 部屋に戻って再び三脚を仕舞いなおし、ロクヨンとD3も分解してレンズリュックに収納していたらピックアップ予定の10分前になってしまった。
 慌てて荷物を引っ張りフロントへ行くと、RICKさんとにゃっちさんが撮影装備でお見送りのため待っていてくれた。今朝はどうしたの?と聞いたら疲れて寝ちゃってたそうだ。まあ燃え尽きた感はあるよねえ。

 さて運転手君、今日は遅刻しないで来てるかな?と探してみたが、ざっと見渡した感じだとまだいないようだ。ロビーはチェックアウトのお客さんでごった返しているので、後でゆっくり探そうと思いとりあえずチェックアウトをしておく事にする。現在の手持ちバーツは残り900バーツ。でもここはカードが使えるので安心だ。支払いを済ませて改めて運転手君を探す。がやっぱりどこにもいなくね?時刻は既に7時半になっている。また遅刻か?それとも日にちを間違えてるのかなあ・・・

 ちょっとあせってきたので荷物をRICKさんたちに託し、外まで探しに行ってみる。車寄せには観光バスが何台か止まっているだけ。念のため駐車場も見てみるが、あのボルボの姿はなかった。大体ロビーで待ち合わせる約束だったんだから、車の中で待ってるって事もないよな。

 その間に時間はどんどん過ぎて行き、もう7時40分だ。運転手君、空港までは30分とかいってたんだから、もう絶対8時にはつけないじゃないか。こりゃすっぽかしやがったか!あのヤロ〜〜!

 さてどうしよう。ここはタクシーを呼んでもらうしかないか、と車寄せにいたベルボーイに頼むと、あっちのツアーデスクで手配してもらってくれと言われる。いわれた方に行ってみたら確かにツアーデスクはあったけどまだやってないじゃん!

 再び車寄せに向かっていると、さっきのベルボーイがやってきて「ツアーデスクやってないね。何時に空港に着きたいの?」と聞いてきた。もう7時45分なので、無理を承知で8時なんだけど・・・と答えると、それじゃちょっと待ってて、となにやら交渉しに行ってくれた。

 そして戻ってきたベル君、「それじゃ空港まで送るからちょっと待ってて」送ってくれるのか〜?ありがとう〜〜(TT)

 荷物を見張っていてくれたRICKさんたちと一緒に車寄せに戻って待っていると、さっきのベルボーイがやってきて車まで案内してくれた。のだが、そこにあったのはまたもやハイエース。これに一人で乗るの?でもこんなでっかい車じゃ高いんじゃない?と思いベルボーイ君に「お金これだけしかないけど大丈夫?」と手持ちのバーツを全部見せると、「空港までは500バーツだから大丈夫だよ。後でドライバーに払ってね」と言われた。良かったよ〜。

 時間もないのでとっとと車に乗り込み、RICKさんたちとの別れを惜しむ間もなく出発。それじゃRICKさん、にゃっちさん、また日本で会おうね!

 ホテルを出ると、ドライバーは一応8時に間に合わせようとしてくれているのだろう、かなりのスピードでハイエースを飛ばしてくれた。

 そして15分ほどのドライブでで思いのほか早く空港に到着。こんな近かったのか。

 さっきのベルボーイ君、かんばって飛ばしてくれたドライバー、二人には大感謝だよ。お礼にチップを200バーツあげたらドライバーはすごく喜んで、カートを持ってきて荷物を積み込む所までやってくれた(^^;

 これで持ち金は残り200バーツ。日本円で600円ほどになった。少々心もとないけど、もうこれ以降はバーツを使うこともないだろうからきっと大丈夫だろう。

 空港に入るとチェックインカウンターには既に長蛇の列ができいていたがなんとか飛行機には乗れそうだ。間に合ってよかったよ。

 しかしよく考えたら海外から一人で帰るのってこれが初めてだな。来る時はすべてAママにおんぶに抱っこだったのに、いきなり全部一人でやらなくちゃならないとなるとちょっと心細いかも。でもまあやることはいつもと変わらないんだからきっと大丈夫だろう。

 遅々として進まない列に業を煮やしながらもやっと次は自分の番、って所までたどり着いた時、急に隣のカウンターも開いた。しかしそこにいたのは思いっきりしかめっ面した不機嫌そうなおねえさん。あっちは嫌だなあ・・・と思っていたらそのお姉さんと目が合ってしまい「こっちへ来い」って感じでアゴをしゃくられてしまった(汗)

 恐る恐るカウンターに行くと「羽田までか?」と聞かれ「ハ、ハイツ!」と答える。
そして機内預けの荷物を恐る恐るハカリに乗っけると・・・やばい、規定の20kgを2kgオーバーしてる!怒られるかも!とビビったのだが、その件は不問に処されたようだ。良かったよ〜
 そして不機嫌なおねえさんは眉間に皺を寄せながらも普通に搭乗手続きを終えてくれた。いや緊張したなあ(^^;

 そのあと出国手続きはさらっと通過し、手荷物検査を抜けて入った待合室はなんだかガラガラだった。今日の便は空いてるのかな?だったら気分的に楽でいいなあ。

 搭乗時刻になるとボーディングブリッジを通って機内に乗り込む、と思いきや、バスに乗せられてほんの100mほど隣のターミナルのボーディングブリッジの階段に連れて行かれた。

 何でだろうと思ったら、この便はバンコク行きだからインターナショナルのお客さんとドメスティックのお客さんが混在してるってことらしい。だからうちらがバスで連れてこられたのはドメスティックのターミナルなんだろう。
案の定、機内には既にたくさんのお客さんが座っていてインターナショナルチームが座ればほぼ満席。僕の座る座席番号の通路側にももうお客さんが座っていたので、すんませんねえ、と前を通らせてもらい窓側の席に着く。

 そして飛行機はクラビを離陸。今度ここに来るのはいつになるかなあ。またきっと再訪したいなあ、と思いながら眼下に広がるマレー半島を眺めているうちに飛行機はスワンナムプーム国際空港に到着。

 ここまでくれば後は日本に帰るだけ。なのだけれど、乗り換えはどうするんだか良くわからない。とりあえずトランスファーってかいてある方に向かうと、ナンタラカンタラっていう看板の所でタイ航空の職員が呼び込みをしていた。
見ているとお客さんのチケットを見て「あんたはこっち、あんたは向こう」と仕分けをしているようだ。
良くわからないがここはお任せして仕分けてもらおうとチケットを見せるとどうやら僕はこっちの方だったようで、呼び込みの人がいる横のドアからセキュリティーチェック所に並ばされた。

 そして手荷物検査を通過し金属探知機を無事通り抜けるとシャツに合格シールみたいなのを貼ってくれた。なんだかよくわからないが、これで国際線への乗り継ぎが許可されたみたいだ。仕分けしておいてもらってよかったよ〜

 セキュリティーの所からエスカレーターで上のほうに登っていくと出発ラウンジに到着。ここって6日前にも来たよな。
あの時はみんなと一緒だったし、バンコクまでの長いフライトが終わって、さあ!これから旅行が始まるっ て感じで楽しかったよなあ。今日はこれから帰らなくちゃいけないんだ。楽しい時間も終わってしまう。なんだか寂しいな。

 それにこれから5時間ちょっととはいえ長い一人での空の旅が待ってると思うとちょっと憂鬱でもある。

羽田行きの便まではまだ大分時間があったので何かお土産でも買っておこうかと思ったが、200バーツじゃ何にも買えなかったので今回のお土産はなし。きっとひーこがなんか買っといてくれてるだろう。

後は本を読んだりゲームをしたりして時間をつぶす。RICKさんたちと一緒だったらまた打ち上げができたのになあ。

 そして待つ事1時間ほどで搭乗のアナウンスが流れた。
 特にやることもないのでとっとと機内に乗り込むと、僕の席は予約どおり足元が広いギャレー横の3列並びの通路側の席だった。これなら羽田まで快適に過ごせそうだ。

 しばらくすると僕の列の窓際の人もやってきた。日本人のようで良さそうな人だ。一人で飛行機に乗ると隣がどんな人かで乗ってる間の快適さがえらく変わってくるものな。
 さらに真ん中の席は空いたまま。他を見ると満席なのに僕の隣だけ空いてるなんて運がいいよなあ。足元は広いし隣はいないし、こりゃ楽楽だ。今回の旅行、狙っていた鳥もほぼ撮れたし、なんだかとっても順調だったな。

 やがてシートベルト着用のサインがつき飛行機が動き出した。ここまでくれば隣の空席は確定だ、と思い膝に乗せていた手荷物を置いちゃおうかな、と思ったときだ・・・

 期待の床にかすかな振動が走った。何が起きた?と通路の向こうを見ると、両手にスーツケースを抱えた150kgはありそうな巨漢がフーフーいいながら汗だくでこっちに向かって来るではないか・・・空いてる席、僕の隣しかないよな・・・

 
 
 

 こうして羽田までの辛くてキツイ旅が始まった・・・

最後にこうきたか〜〜〜orz

 
 
 

おしまい

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