2007年1月1日〜1月8日 クラビサバイバル?


2007年1月4日 ロングテールボートで川から鳥撮り

 さあ、今朝は実現不可能と思われていたロングテールボートからの鳥撮りだ、頑張るぞ〜

 早く起こされて機嫌の悪いたいきをなだめすかし、ロクヨン+Mk2、サンヨン+20のフル装備で浮き桟橋に着いたのが7時ちょっと前。
まだボートは来ておらず、外国人カップルがマングローブの林で騒いでいるサルを眺めていた。

 あたりにはチャバネコの声が響き渡り、期待が高まる。早く行きたいなあ。

 しかし7時になってもボートは現れない。なんか昨日の様子だと朝7時なんて朝早い時間に船を出すのは珍しい事みたいだったので、ホントに着てくれるかちょっと不安だ。

そして7時を10分ほど過ぎた頃、下流の方からエンジンの爆音を響かせてボートがやっと登場。ちゃんと来てくれてよかったよ。

 早速ボートに乗り込み、ロクヨンと三脚を船首にセット。ホントはボートの揺れがあるからサンヨン手持ちの方が良いんだろうけど、まだまともな成果が上がっていないし、ボートからの鳥撮りもこれが今回唯一の機会だと思うとやはりロクヨンでビシッと撮りたいからね。
一応テレコンは外し、ISOも400にあげてブレ対策。川面は波もほとんどなく穏やかだから多分大丈夫だろう。

運転手じゃない方のお兄さんにバードウォッチングのツアーでボートを出した事があるか聞くと初めてだというので「鳥がいたらエンジンを切って船を止めてね!」ってな感じの打ち合わせをして出発〜

しかし船はいきなり下流の町のほうに走り出した。そっちは鳥いないんじゃないかな〜
お兄さんに上流の森がいっぱいある方に行ってくれるように指示しUターン。こんなんで大丈夫だろうか・・・

 河のあちこちからチャバネコの声が聞こえてくるが、はたして自力でどこまで見つけられるかな。

上流に舟をすすませていくと、浮き桟橋の前をちょっと通り過ぎたあたりでさっそく河に張り出したマングローブに止まっているチャバネコ発見!しかも2羽だ!

船は爆音を響かせながらそっちの方によっていく。
ドキドキしながらファインダー越しに眺めていると一羽が飛んでしまった。もしかしてウルサイかも・・・ すぐにエンジンを切ってもらい、惰性で近づくことにする。

 残るは1羽、飛ばないでくれ〜と祈りつつ、ファインダーの中でだんだん大きくなってくるチャバネコウハシショウビンにシャッターを切りまくり、やっと今回初のまともなのを撮る事が出来た。ホントにボートチャーターできて良かったよ〜

その後もチャバネコウハシショウビンは結構頻繁に見ることができた。 ボートクルーの兄さんも、最初はコサギとかの大きな鳥を指差して「Bird!」と教えてくれてたのだが、僕がチャバネコを大喜びで撮っているものだから、その後はチャバネコ専門で教えてくれるようになった。

 撮影中、チャバネコを指差して「バッカン?」と聞いてみると、うなずきとともに「バッカン」と返ってきた。どうやら通じたようだ。
「サワディ カップ(こんにちは)」「コップン クラップ(ありがとう)」に続く第三のタイ語マスターだ(^^;

 川面ではいたるところから聞こえて来るチャバネコの「ギャロロロ〜」という声に混じって、「ポペン ポペン」と言う声も響き渡っている。もしかしたらヤイロチョウ系の声だろうか。
マングローブの根元を気をつけて探しながらボートを進めていくがそれらしい姿は見えない。

 たまにヤマショウビンも飛ぶのだが、こちらはすぐに林の奥深くに入ってしまい、撮影はおろか中々ゆっくり姿を見ることさえできない。

 その代わり現れたのがナンヨウショウビン。自分の中ではすっかり普通種のこのカワセミ、またいつでも見られるからと思ってあまり気合が入らなかったがこれが結局今回唯一のナンヨウショウビンだった。その近くを小型のカワセミが「チチ〜」と飛んでいく。
もしかしてルリカワセミか!?とちょっとあせったがどうやら普通のカワセミっぽい。

 しばらく行くと河が二手に分かれていて、真ん中の枯れ木に何か猛禽が止まっているのをガイドの兄さんが見つけてくれた。これはちょっとお手柄だな。

さらにその横の枯れ木にはチャバネコが上と下に2羽止まって鳴き交わしている、この声がさっきの「ボペン ポペン」だった。ヤイロチョウじゃなかったのか〜。

一羽はこっちを向いていて、もう一羽はあっちを向いているので、オレンジのお腹と背中のコバルトブルーを同時に見ることができた。

それにしてもチャバネコウハシショウビン多いなあ。
昨日までの苦労がウソのようだ。
この数はランカウイの比じゃない。まさにウジャウジャってかんじだ。

 ボートをどちらの河に進めるか聞いてくるので、右の方に行ってもらうことにする。
川はちょっと細くなっていい雰囲気だ。

 そしてついに真打、ヤマショウビンをじっくり撮る機会がやってきた。ボートの音に驚いたやつが飛び出して、ちょっと先のマングローブに止まったのだ!またすぐエンジンを切ってもらい惰性で近寄るが意外と警戒心が強いようで、もうちょっと寄りたいな、と思うあたりで飛びたってちょっと先の枝に止まる。明らかにこちらとの距離をとっている。
ケアンズのルリミツユビのような出会いを期待していたのだが、そううまくはいかないようだ。

 テレコン入れたいところだが、ロクヨンISって単体なら解放から行けるのに、テレコン入れたらせめて1段、できれば2段絞らなきゃいまひとつキリッとした画が撮れないのでかなりSSが落ちてしまう。
水面が穏やかだとは行っても、やはり多少の揺れはあるようで、三脚はそんなボートの動きをダイレクトにカメラに伝えてしまうし、これ以上暗くしてもいいことないだろう。

 そのうちヤマショウビンはマングローブの奥に入って見れなくなってしまった。
まあ今までの鳥撮り生活の中で一番はっきり撮れたのでよしとするか。

次はヤイロチョウが撮りたいなあ、と引き潮で地面が現れたマングローブの根元に注意して鳥を探すが、いるのはアカガシラサギとかイソシギとかコサギばかり。
日本に来ると大騒ぎになるアカガシラサギもここでは普通種だし、そのうえ地味な冬羽なのでいまいちパッとしない。

ボートの兄さんはやっぱりこういう大物が気になるらしく、見つけるたびに一応教えてくれる。もしかして食料としての観点から興味があったりして(^^;

 そのうち「チ〜」とカワセミ系の声がとっても近くで聞こえてきたので良く探してみると、ドロと日焼けですっかり保護色が板についているクラビの普通のカワセミが止まっていた。

どうして南の島のカワセミってのはこう色がくすんでいるんだろう。
やはりドロだらけのところで生活してるからなんだろうか。
それでも背中のコバルトブルーはやっぱりあざやか。
 ただ、この場ではどうしてもルリカワセミを期待してしまうので、どうしても期待はずれリストに載っちゃうんだよね〜

このカワセミは警戒心が薄いみたいでかなり近くまで寄っても逃げない。

飛んだと思ったら餌をとってまたちょっと先の枝に止まる、の繰り返しで近くでたっぷり撮らせてくれた。

このカワセミの縄張りを過ぎたあたりで乗船後約一時間が経過。
たいきもかなり退屈してきたようで、「お腹減った〜」と騒ぎ出した。それにこのチャーター、2時間の約束で頼んでいたのでそろそろ戻リはじめるとするか。

 ボートをUターンさせているいる時、川岸の木にブッポウソウを発見。
 ガイドの兄さんは何とかいい位置につけようとオールを操ってがんばってくれたのだが、空抜けでちょっと岸に入り込んだ木の上に止まっているうえ距離も結構あったので、いまいちはっきりは撮れなかった。
まあここら辺では普通種だからまたいつでも撮れるだろうとあっさり諦めて船は川を下り始める。

鏡のように穏やかな川をくだりながら岸辺のマングローブを注意してみていく。
チャバネコウハシはもう大分撮ったし、そこら中に姿が見えるので眼中に入らなくなってきた。
それでも兄さんはチャバネコウハシを見つけるたび近寄って行ってくれるので、悪いからちょっとはシャッター切っておかないと・・・

でもやはり本命はまだ納得の行く画像が撮れていないヤマショウビン。
良く探すととたまに姿は見かけるのだが、はるか彼方で気付かれて逃げられてしまい、撮影できる距離まで近づけない。

 フライフィッシングの毛鉤を作る材料に「キングフィッシャー」というのがあって、お店で売っているそれはヤマショウビンなので、もしかしてここらへんで捕獲されているのかもしれない。
だから人間をやたらと警戒しているって可能性もあるだろう。
 わざわざあんなきれいな鳥を殺さなくても、ほかに代用になるマテリアルがあるんじゃないかと思うんだが・・・

そのヤマショウビンだが、その後何回かわりと近くまで寄るチャンスがあったのだが、オールを漕いで近寄ってもらい、揺れが収まるのを待ってるうちに飛ばれてしまったり、ということがほとんど。
慌てて撮ろうと思っても、ファインダーの中は揺れまくり、ISでも吸収しきれるものじゃない。
大体止まっている場所が水面に張り出したマングローブの陰と言う事が多かったので、ただでさえSSががらない。
結局ブレブレ画像を量産しただけだった。


そしてボートクルーズももうすぐ終わりというころ、今回一番近くまで寄せてくれたこのヤマショウビンが現れた。
そっぽを向いててこっちに気付いてなかったんだと思うのだが、これでせめてこっちを向いていてくれていたら・・・
結局向こうを向いたまま飛び去ってしまい、これが今回最後のヤマショウビンの撮影となった。


そしてこのヤマショウビンでボートクルーズも終了。浮き桟橋はもうすぐそこだ。
ヤマショウビンのまともなのが撮れなかったので今ひとつ不完全燃焼だが、もし船に乗ってなかったら何にも撮れないままクラビタウンを後にするとこだったと思えばまあ良しとするか。

桟橋に着き、ボートクルーにお支払いをして船を下りる、時刻は午前9時だ。
たいきはさっきから「お腹減った〜」とうるさいのでそのまま朝ごはんを食べに行った。

レストランで、昨日ボートを紹介してくれた外国人カップルに会ったのでお礼を言ってチャバネコの画像を見てもらう。
これを撮れたのもあなた達のおかげです〜、どうもありがとう。

 今日も池のほとりのテーブルに席を取り、マリタイム最後の朝ごはんバイキングを頂いていると、いつもチャノドコバシタイヨウチョウが来るハイビスカスに今日はサイホウチョウがやって来た。
 この鳥も動き回って中々ちゃんと撮れないので、今回は結構近くで撮ることができちょっと嬉しい。

 ここのホテルのチェックアウトは12時と遅めなので最終日でもあまりせかせかしなくてすむのが嬉しい。
 食後はモラコットリゾートへのタクシーを手配してもらいにツアーデスクに行った。
 しかしここのオッサン、中々話が通じない。
なんだかこっちの言ってることの端端から全く見当違いのことを読み取っているようだ。
 ただKNCへのタクシーを頼んでいるだけなのに、エメラルドプールのツアーは朝9時にスタートだからもう今日は無理とか、KNCはクラビじゃないとか言っている。んなあこた〜わかってるって!
まあ英語力がないうちらも悪いんだけどね。しかしこのままじゃここに釘付けだ、どうしよう。
しばらくあーだこーだ言い合っていたのだが、「モラコット」と言うキーワードで奇跡的に話が通じたようで、なんとかタクシーの手配完了。あ〜〜〜づがれだ〜〜〜
どうやらKCNにあるクリスタルポンドのあたりをモラコットと呼ぶらしい。

とにかく12時30分に出発、値段は1200バーツくらいだったかな・・・よく覚えてないのだが、とにかくそういう事で話は着いたので、急いで部屋に戻って荷物の片付けを始めなくては。

今回の旅行は移動が多いので、できるだけスーツケースから荷物を出さないように気をつけていたし、三脚はそのままむき出しで持っていくことにしたので普段の荷造りよりは大分楽だったが、それでもやはり午前中いっぱいはかかってしまい、出発準備が整った時にはもうチェックアウトタイムが間近に迫っていた。

荷物をピックアップしてもらったあとフロントに行ってかみさんがチェックアウト手続きをしている間、ぼくはツアーデスクでタクシー代のお支払いをする。今度いたのはさっきのオッサンじゃなくて20歳位のかわいい女の子。
この子はうちらと一緒であまり英語が達者じゃないようだったのだが、こっちの話を一生懸命理解しようとしてくれるので話が通じやすかった。やっぱかわいい子は性格もいいんだなあ。

 タクシー代のお支払いも終わり、ツアーデスクからロビーに出ると、かみさんもチェックアウトの手続きが終わっていたのでそろそろ出発するとしよう。

ロビーに飾ってあった国王を奉った祭壇と一緒に記念写真を撮ってから玄関に向かって歩いていると、エントランスの通路の手摺の所を黒っぽい鳥が行ったりきたりしているのをみつけた。
良く見ると背中の方が青っぽくて、どうやらイソヒヨドリの青だけバージョンのようだ。はじめてみた。

そして玄関で待っていたワンボックスのタクシーに乗り込み、第2の目的地、Khao Nor Chuchi National Park のモラコットリゾートへ向かったのだった。

 

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