2007年1月1日〜1月8日 クラビサバイバル?


2007年1月5日 KCN遭難寸前

 そんな辛い夜も明けて、約束の6時半にレストランの所に行くと、昨日のおばさんの妹らしきおばさんが待機しててくれたので、早速ピックアップトラックに乗り込みKNCのゲートまで送ってもらった。

車の中で「昨日犬がうるさかったねえ」ときくと「ブリーディングシーズンだからね」とのこと。そういうわけか。それを知ってればもうちょっと寝られたかもしれないな。

9時に駐車場に迎えに来てくれる約束をしてゲートを抜ける。この時間はまだ人もいないので入場料は取られなかった。
ここらへんは7時過ぎないと撮影ができるほど明るくならないので、それまでに森の奥に入っておくつもりで歩いていると、道の真ん中になにやら鳥の影が。尻尾が短くて足が長めのあのシルエット、Pitta系だ!

あわててレンズを向けるが、暗くてなんだかわからない。とりあえずシャッターを切ると「カッ・・・・・・・・シャン」くらいのSSだ。あわててISOをあげようと目を放した隙に、その鳥はいなくなっていた。
証拠写真でもいいから何か写ってないかと画像チェックしたものの、流れちゃって何も写っていなかった。
もしかしてクロハラシマヤイロチョウだったのかなあ・・・だとしたらめっちゃくやし〜。もう一度出てこないかとしばらくじっと待っていたのだが、その後は鳥の声さえ聞こえなくなった。
気を取り直して先に進む。

ちなみにこれがモラコットリゾートでもらったKNCの地図なのだが、まんまと部屋に忘れてきてしまったので頼りになるのは記憶の中の地図のみ。


 幸いまーさんの旅行記のプリントアウトは持ってきていたので,これを参考にさせてもらおう。
地図の記憶と案内板を頼りにまずはトレイルBに入りすすんでいくが、時折遠くから鳥の声が聞こえるものの、動くものの姿はなにも見えない。

 そのうちトレイルC.Dとの合流点に差し掛かった。この先がアオヒゲショウビンポイントのようだ。
耳を澄ますと「ツィッ ツィッ」と言う声が聞こえてきた。そういえばアオショウビンもこんな声で鳴くから、もしかしたらカワセミ系かも!
期待に胸を膨らませ声の主を探すものの、目に入るのは鬱蒼とした熱帯雨林ばかりで鳥の動く影さえ見えない。
あきらめてさらに先、カザリショウビンポイントと思しきあたりをウロウロするが何も見つけられない。

 なんだかマリタイムで会ったトーマスさんの「全然鳥がいなかった」って言葉が現実味を帯びてくるなあ・・・
 森の密度が高く見通しが効かないうえ、声だけじゃ何の鳥だかさっぱり見当がつかないので、どんな鳥を探せばいいのかもわからないというかなり厳しい状況だ。ホントに何にもいないよ〜

 あまり先に行って帰る時間がなくなってしまっても困るので一度トレイルC、Dの分岐まで戻り、今度はそちらに行って見る。
うろ覚えの地図によるとこのまま1kmほど進めば昨日のクリスタルポンドに出るはずだ。
水際だったらもしかして鳥も多いかもしれない。

 このトレイルなかなか険しくて、道を塞ぐように倒れている大木の下をくぐったり、ほとんど藪漕ぎしなくては進めないようなブッシュが立ちふさがっていたりとロクヨン+三脚を担いで歩く身にはかなりしんどい。

 あるところでは道が急になくなっていて、その先に小川が流れており、向こう岸からさらに道が続いているような場所もあった。小さな川だったので飛び越えて進んで行くと、それは道じゃなくて川の流れた跡で、すぐに消えてしまってる。しかたないので川を飛び越え戻ってみると、実は本当の道は川沿いに90度曲がっていた、なんてこともあった。

 そのあとも何度かの大木越えをしたりビショビショの湿地を通ったりと頑張って先に進む。
しかしトレイルBの分岐からクリスタルポンドまでの1kmちょっとははるかに超えた距離を歩いたと思うのだが、なかなかクリスタルポンドにたどり着かない。
これはもしかして道を間違えたかな?とも思ったが、またあの大木を超えて戻るのも辛いと思い先に進む。
人はこういうことで遭難する事が多いんだよな・・・
道はだんだん細くなり、これは完全に違う所を歩いてるらしい気配が濃厚だ。なんだか鳥を探す余裕もなくなってきたよ〜。こんな所で遭難しちゃったら飲み水も食料もないしマジでやばいよな〜

 時間はもう8時を過ぎた。これ以上進んでもクリスタルポンドに出られる見込みはなさそうなので、大木くぐりは辛いけれど来た道を引き返す事に決めた。
9時に駐車場に戻るんだから大急ぎで行かなくちゃ。
 しかししばらく行くと道がなくなってしまった・・・・やべ〜、もしかして本格的に遭難?(汗)
かなり焦ったが、歩いてきた所を靴の跡をたどって戻っていくと、来る時道が90度曲がってた所をそのまままっすぐ来てしまっていたようだ。なんとか本来の道に戻る事が出来ホントにほっとした。

後で地図を見ながら考えたのだが、トレイルCからDに入るところが良くわからず、そのまま再びトレイルBにもどってしまったのかもしれない。でもずっと一本道だった気がするんだよな〜

その後は靴の跡を確認しながら、大木を越えたりくぐったりしつつトレイルBとの最初の合流点に戻る事が出来た。
なんだかロクヨンは色々こすったみたいでドロと草の汁だらけになっていた。

ここからやっと鳥を探す余裕が出来たが、結局このあとトレイルBの出口までの間に撮れた鳥はムシクイ系とハナドリ系の2種類のみ。

狙っていたカザリショウビンもアオヒゲショウビンも、もちろんクロハラシマヤイロチョウも声さえわからず、完敗だ。

へなちょこバーダーがガイドなしで鳥を撮るにはちょっときびしいところだったなあ。まあ無事帰ってこれただけでも良しとしよう。

ゲートの所まで来ると、ちょうど係りのおねえさんが仕事を開始した所だったので入場料を払って外に出た。
なんだか疲れ果ててしまい、なんとか駐車場にたどり着きしばらく待っていると、たいきとひーこをのせたピックアップトラックがお迎えに来てくれた。
また二人に会えて嬉しいよ〜

ピックアップトラックの荷台は普段何を載せているのか解らないがとても臭いというので、三脚だけ載せて僕は助手席へ乗り、モラコットリゾートまで連れて行ってもらった。

たいきとひーこはもう朝ご飯を食べちゃったというので(そりゃあの二人じゃ暇をもてあますよなあ)僕一人レストランでべーコンエッグとトーストの朝ご飯を食べて一休み。

食後裏の池にルリカワセミがいないか見に行ってみたが、昨日と一緒のアカガシラサギが飛んで行っただけ。池にはティラピアっポい魚が群れているから餌は豊富なんだろう。
ちょうどオーナーのおばさんがいたのでここにルリカワセミがいないか聞いてみたら、いつも早朝に来るらしい。KNCに行かずにここで張っておいたほうが良かったかなあ。
「池の向こう側の藪を抜けると綺麗な川が流れているから行ってみるといいよ」と教えてくれたので、たいきとかみさんを誘って藪を潜り抜けると、森の中をホントに綺麗な清流がとうとうと流れていた。ここならルリカワセミいそうだなあ。
ただ川は岸から急に深くなっていて、岸伝いに歩ける場所も限られていたので軽く眺めるくらいしかできなかった。

紫に光る綺麗な大型のチョウが飛んでいて、たいきが捕まえようとするがもちろん失敗(^^;

 森の中の踏み跡はモラコットリゾートに向かうほかにもう1本あったので、ちょっとそっちに行ってみることにする。
かなり激しい藪を潜り抜け1mほどの段差を登ると、そこには幅50mほどの開けた荒地が広がっていた。なんだかハチクイが好きそうなシチュエーションだ。
荒地の中には高い木が数本立っていて、その木には色んな小鳥が入れ替わり立ち代りやって来るようだ。
しばらくそこで粘ろうとしたのだが、たいきが「足が痛い〜」とぐずりだした。
見るとサンダルのかかとのところで靴擦れができている。こりゃ痛そうだね。
かみさんとたいきは先に部屋に戻り、靴擦れに絆創膏を貼ってるというので、お言葉に甘えて一人で鳥撮り続行。

高い木の下で待っていると、セアカハナドリやオレンジハナドリ等の普通種がやってきたが、いずれも木の天辺あたりでうろちょろしていたので距離がありすぎ、いまいちビシッとは撮れなかった。

セアカハナドリ オレンジハナドリ ♂ オレンジハナドリ ♀

期待していたハチクイ系の姿は見られない。奥のプランテーションからショウビン系のキョロロ声が聞こえたので行ってみたがこちらも姿は見えなかった。アオショウビンあたりかなあ。

結局たいした成果もないまま、ちょっと早めの11時に部屋に戻ると、レストランのところワゴンが止まっている。
次のホテルからのピックアップの約束は午後1時のはずだったので、まさか違うだろうと思ったが、念のためそこら辺で手持ち無沙汰そうにしていた運転手さんに「ムーンライトベイのピックアップ?」と聞くとそうだという、はやっ
でもまあここにいても僕はともかく他の2人はする事もないので、清算を済ませてワゴンに乗り込んだ。
ちなみにモラコットリゾート一泊2食アルコール込みでトータル4000円ほど。安い・・・

そして車は第三の目的地、ランタ島へ向かった。
もし次回があるなら、その時は絶対ガイドを頼もう。あと耳栓もわすれないようにしなくっちゃ(^^;

 

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