2007年1月1日〜1月8日 クラビサバイバル?


2007年1月6日 決死の洞窟探検

 レストランを出て目指すはマイカオケーブ。再び町の中に戻り、峠道の方へちょっと行ったところに、確かに「マイカオケーブすぐそこ」みたいな看板があった。さっきは全然気付かなかったよ。そちらの道に入ると、舗装はすぐ途切れ赤い土の道になった。まわりはゴムの林が続き、その中の道を山のほうへどんどん入っていく。なんかここら辺は結構鳥がいそうだ。明日の朝のワンチャンスはここにしようかな。

すぐそこって割には中々着かないぞ〜とちょっと心配になった頃、マイカオケーブの受付らしい小屋に到着。
昼にビールをのんだのでトイレに行きたくなったので教えてもらう。
トイレは便器の横に風呂桶くらいの水溜めがあり、そこから手桶で水を汲んで流すと言うモラコットスタイル。ちなみにトイレットペーパーはないようだ。

受付の兄さんの話だと、途中まで象で行くのと、ずっと歩きでいくパターンがあるという。ここでも象と洞窟探検はセットなんだ。

 象はさっき乗ったから歩きで良いと言うと、じゃあ今ガイドを呼ぶから待っててくれと言う。いや、食後の腹ごなしにちょとっと洞窟を覗くだけなんだし、ガイドなんて大げさなものは要らないと言うと、ガイド料は入場料に入っていると言う。
それじゃお願いしておこうか。
受付で入場料を払うようなので手続きをしている間、たいきは外のハンモックで遊んでいた。たぶんハンモックも初体験だろう。ドンくさたいきは上手く乗れないみたいだ。
その間僕はそこら辺の木にやってくるリュウキュウアサギマダラの写真を撮っていると、暇をあもてあましているっぽいスタッフがやってきて「カメラマンか?」と聞くのでめんどくさいからそうだと答えると。撮った写真を見せてくれというので、今写しているリュウキュウアサギマダラの画像を再生するとなんだか感心していた。20Dの液晶は小さいから綺麗に見えるんだよね(^^;

しばらくして、今回うちらのガイドをしてくれると言う若いお兄さんがヘッドライトを3つ抱えてやってきた。スイッチはコードとコードを寄り合わせるダイレクト形式。バッテリーは別体型で単一が四本位入りそうなやつだ。ちょっと重たかったので、一応小さい懐中電灯は持ってきたよ、と言うと、両手が使えなくなるからこっちを持って行けと言う。まあそう言うのなら・・・
各自ミネラルウォーターを配られて洞窟まで出発だ。

ガイドの兄さんにどれくらいかかるのか聞くと30分と言う。結構遠いなあ。でも日本の観光洞窟探検のものさしで考えるとそれってちょっと大げさなんじゃないかな、と、このときは思っていた。
洞窟への道はまずゴム林の中を歩く事から始まる。ここら辺は象も歩いているようで、所々でっかい糞が転がっている。ガイドの兄さんは僕が蝶に興味があるのを気にかけてくれているらしく、蝶がいると立ち止まって教えてくれる。
道沿いには黒っぽいアゲハチョウ系やオレンジ色のカバマダラなど、結構いろいろ蝶がいた(鳥はいなかったけど・・・)
中でも気になったのがこの青い蝶。ツマムラサキマダラっぽい感じもするが良くわからない。羽を開いた時の青い金属光沢がとっても綺麗な蝶だった。

平坦な道をしばらく行くと、いきなりがけに突き当たり、そこには木で作ったはしごがかけられていた。きっと象はここまでなんだろう。象でゴム林の解説を聞きながらゆっくり歩いてここまで10分くらいってところだろうか。
となるとこのはしごの先を後10分位歩くのかな、それで余裕を見て30分って感じだろう、なんて思っていたら、そこから先はめちゃくちゃハード。
たいきの事はガイドの兄さんが引っ張り上げてくれたり後ろからフォローしてくれたりして何とかなるが、着いていくうちらは大変だ。こんなに険しいとは思わなかったよ。はしごを上り、崖をよじ登り、時には川の中を歩き、と全身を使ってよじ登っていく。ガイドさんいなかったらきついだろうな。

 必死の登りのあとちょっとだけ平坦な道があり、たっぷり30分以上かかって休憩ポイントに到着。軽い腹ごなしのつもりがすっかりいい運動になっちゃったよ。
ここまでくれば洞窟はもうすぐだそうだが、どこに入り口があるのかはちょっとわからない。とりあえずベンチに座って一休みだ。こんな所でキンキンに冷えたビールなんかを売っていたりするのだが、ここから先も甘く見ないほうがいいと思い、ミネラルウォーターで我慢しておいた。

どうやら象で途中まできてたらしいイタリア人っぽい姉ちゃんのグループや白人のカップルとかとも合流し、ここから先はみんなで行くらしい。
イタリア姉ちゃんたちはビギニ一丁でここまで来たらしい。きっと洞窟をなめてた事に後悔してるだろう。

一息入れたら洞窟へ出発。入り口は何処?と思っているとガイドの兄ちゃんは岩の崖を登り始めた。まだ先があったのか〜。しかしこの崖かなり急だ。足場がしっかりしているから登るのは苦ではないが、途中から下を見下ろすとちょっと怖い。

30mほど登ったところでガイドの兄ちゃんが立ち止まった。足元の地面には幅1mくらいの亀裂がある。もしかしてこれが入り口??? なんだか水曜スペシャルで入るようなところだぞ〜。
洞窟って言うから崖の側面に大きな穴がぽっかり開いてるのかと思ってたよ。それで遊歩道があって中はライトアップされていて・・・ここはそんな軟弱な洞窟じゃなかった。
受付で両手が使えなくなると困る、と言ってたのはこういうことだったんだ。これはガイドなくっちゃ遭難確定だろうな。みんなヘッドライトを装着して点灯するかかなり真剣にチェックしている。そりゃこんな中で懐中電灯切れちゃったらパニくるだろうからな〜。とにかく思ってたよりはるかに本格的なので閉所恐怖症の気がある僕はなんだか気が重くなる。でもここで弱音を吐いてはたいきに示しがつかないので楽しそうなふりをしておかなきゃ。というわけで必死だったため細かい記憶があいまいなのだが(汗)洞窟探検ははこんな感じだった↓

1. まずはガイドさんが亀裂に潜り込みたいきを下ろしてくれた。それに続きひーこ、僕と入っていく。洞窟の中はホントに真っ暗。 2. 数メートルほど降りたところがホールになっていて、鍾乳石が綺麗だった。
ここで記念写真を撮ってもらう。まだ余裕あり
3. ホールの隙間を縫うようにしてはしごがあるのでガイドの兄さんに先行してもらい、たいきのフォローをしてもらった。それにしてもたいきよく降りれたなあ・・・

4. 高低差10m以上あるのではないかと思われるはしごも降りていく。下を見ると怖いけど、真っ暗でよく見えなかったりする。

5.場所によっては腹ばいになってやっと潜り抜けられるようなところもあって、閉所恐怖症の身には辛い 6. 洞窟の中の地面はなんだか微妙にしけていて滑りやすい。はしごのない所は滑り落ちそうでかなり怖いぞ〜

7. たまに外の光が見えると、ずっと水に潜っていてやっと息を吸えた時のような気持ちになる

8.深すぎて下まで光が届かない 9. 洞窟と言えばやっぱりコウモリ

10. ここにいたのは豚鼻の15cm位のコウモリ。顔を良く見ると・・・かわいくない(大きくなります)

11.そしてやっと出口。ほっとするな〜

12. さっきのベンチに戻って一休み。喉も渇いたし全身泥まみれ、でもたいきは良く頑張ったなあ。

こんな感じで無事洞窟から脱出することができた。さっきのベンチに戻ってひと休み。売店で売っている冷たいビールが呼んでいるけど、まだあのハシゴ下りの長い道のりが待っているからガマンしておこう。
たいきは途中で泣くかと思ったけど、最後まで良く頑張った。日本の観光洞窟じゃ中々こんな体験できないだろうから、たいきにとってもいい肥やしになったんじゃないだろうか。

一緒に洞窟探検をしたイタリア人や白人カップルはここでわかれ別ルートで帰るらしい。うちらはガイドのお兄さんと一緒に、来た時の斜面を迂回してゴム林の中の尾根道を通るルートを行く。この道は見晴らしもいいしなだらかで来る時の道とは違って牧歌的な雰囲気だ。
たいきはガイドの兄さんとすっかり仲良くなって、一緒に歩いている。
ゴム林では実際樹皮に傷をつけて、カップに樹液をためている。触らせてもらうとホントにゴムのよう(当たり前か)。もっとネチョネチョしているのかと思ってた。

途中でたいきが疲れた〜と言い出したら、ガイドの兄さんはたいきのことをおんぶしてくれ、そのまま後半のちょっと急な下り道も下りてくれた。たいきは子供とはいえかなり重たいので兄さん大変だったろう。洞窟の中でもこの兄さんがフォローしてくれなかったらどうなっていたか。それに蝶も一生懸命探してくれたし、とってもいい人だったなあ。感謝の気持ちを込めて帰りがけにちょっとチップを奮発しておいた。

事務所にたどり着くと、そこにいたおじさんがその場でパイナップルを切ってくれたのでご馳走になる。のどが渇いているのでとっても美味しかった。
そして皆さんにお礼を言って、スクーターに乗り込む。それにしてもなんだか予想外に充実したツアーだった。

 帰りに残り少なくなったビールとたいきのジュースを買い込むためにちょっとセブンイレブンに寄った。店内でスナックを探していると日本のように食玩コーナーがあって、そこにいたのはラムちゃんや媒図かずお、そしてレジの横にはドラゴンボールとなんか日本文化が流行ってるようだ。

 買い物を終えてホテルに戻り、フロントに鍵を戻しにいったのだが、出来たら明日の朝撮りにも使いたいんだよな。まだガソリンもいっぱい残っているし・・・
 対応に出てきた宿敵池脇千鶴に、「明日の朝まで延長で借りれないかな」と聞くと、またまた「バイクは1日単位で貸している」と取り付く島もない。なんかこの池脇千鶴、いちいち偉そうで客商売とは思えないな。
でも朝9時には返すから、とごねるとめんどくさくなったのか、それなら今日の分の延長でいいという。ついでにせっかくガソリンをいっぱい入れたバイクを他のバイクに変えられたらたまらない(なんかやりかねなそう)ので、鍵を部屋に持って行っていいか、というお願いにも最初はどうこう言ってたが、結局しぶしぶOKになった。
明日の足も確保できたので、部屋に戻ってシャワーを浴びた。今日はもうめんどくさくてジャグジーはパス。

 風呂あがりにビールを飲みながらバルコニーで寛いでいると大粒の雨が降ってきたので部屋に避難、しばらくテレビを見たりデータのバックアップをしたりしていたが、雨は一向に降り止みそうもないので備え付けの傘をさして晩御飯を食べにレストランへ行く。

 しかしこの雨で外に出かけられない宿泊客がどっと押し寄せたのと、結婚披露パーティーをやっているのが重なったようで、レストランはえらい混雑。とりあえずビールを注文したがなかなか来ない。
何度かウェイターに催促するが、その度に忘れちゃうようだ。そりゃ急にこんなにお客が増えちゃって、てんてこ舞いだろうな。
 やっとのことでビールが来たのでまずは象と洞窟探検に乾杯。
そのあと料理と念のため2杯目の飲み物を注文してから、サラダバーにサラダを取りに行った。
その時の事だ。サラダバーは厨房の出入り口にあり、そこから出てきたウェイターが「このピナコラーダ何処に持っっていけばいいんですか?」みたいなことをそこにいたレストランのマネージャーっぽい兄ちゃんに聞くと、「あの
ジャップのところだ」と言ってるのが聞こえてしまった。ここに泊まっている日本人はうちらだけ。ということは「ジャップ」というのはうちらのことなんだ・・・そういう風に言われているのを聞くのは初めてだし、向こうがどう思って言っているのか解らないが、聞いてしまったほうはなんだかえらいむかつくな〜。

なんだかすっきりしなかったがお腹は減るのでバーべキューやらパッタイやらをたのんで食事を済ませ、大雨の中部屋に戻る。
明日はバンコクへ移動しなきゃならないので、朝撮り用撮影機材だけ残して荷物の片付けをしてから就寝。


 

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