2008年7月6日〜7月12日 石垣島「ほぼ」完全制覇


2008年7月8日 虹とアカ様

 
 3日目は朝から風が強く、小雨が降っていた。
 一人で起きだして出かける支度をしていると、たいきも起きてきて「オレも行く〜」と言う。去年は「たいちゃんも行く〜」って言ってたのにお兄さんになったもんだ。それじゃ今朝は滞在中一回はある、恒例「たいきと一緒に朝撮り」にしよう。

 まだ薄暗い中外に出ると、前の草むらでシロハラクイナが「コッコッコッコッ」と鳴いているが、姿は全然見当たらない。

たいきは心得たもので、さっさと後部座席に乗り込んだ。
助手席はロクヨン置かなきゃならないもんね。わかってるな〜。
 

 アカ様ポイントへ向かう道中では雲が切れ青空が覗いていて虹が出ている場所もあったが、現地はまだ雨が降り続いている。

 日差しも雲に遮られ薄暗く、これじゃシャッター速度も上がらないのでちょっと様子見に展望台まで行ってみた。
もちろん途中の道ではアカ様の声に耳を澄ましたが、今日はかなり遠くからキョロる声が聞こえてくるだけだ。

 雨の止み間を縫って車から降りて、展望台に登ると、雨雲に覆われた町と、雲が切れ青空が広がる海が見渡せる。
朝の光を浴びてさっきの雨が蒸発したのだろうか、亜熱帯の森からは湯気が上がっていた。なんか生命の息吹って感じだなあ。 そしてふたたび強い雨がザッと降り、雨が上がるとまた虹がでた。

 あたりも大分明るくなってきたので、そろそろアカ様探しに行こうかね。車に戻って第一ポイントへ向かう。
また小雨が降りだした中車をゆっくり走らせて行くと、道路わきの木にアカ様発見。昨日に続きえらく近いぞ!

 雨が降ると警戒心が少なくなるのか、それともたいきが一緒だから僕の殺気が中和されてるのか、
車を横付けにしても全然逃げようとしない。それにやっぱ車もブラインド代わりになってくれてるんだろう。
昨日の教訓に従って今日はテレコンなしだったがそれでも中々のでっかちゃんだ。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

 600mm単体でタップリ撮った後、飛んじゃうかな〜と思いつつテレコンを付けでもまだじっとしていてくれたので、
更なるでっかちゃんもゲットできた。幸せだ〜

EOS-1DMk3 EF600mmF4LIS+EXTENDER1.4Xノートリ

 たいきと一緒に記念撮影したりもしてくれて大サービスのアカ様になんか今日はお腹いっぱいになってしまった。 
もうこれで帰っちゃってもいいくらいの気分だったけど、まだ時間も早いので、昨日の第2ポイントも覗いてみよう。

 途中の草むらではシロハラクイナの親子が餌をとっていた。いつもならこっちの姿を見るや否や逃げていくシロハラクイナだが、
やっぱり雨だと警戒心が薄くなるのだろうか、いつもよりかなり近くまで寄らせてくれた。

 第2ポイントに着く頃には完全に雨も上がり青空も見えてきた上また虹も出て、いよいよ本格的にお天気回復って雰囲気になってきた。

 車を走らせていくと、緑色の鳥が前方の道路に降りてきた。キンバトだ。
しかしこちらを振り返ることなく、後姿を見せてくれだけでそのまま向こうの方へ歩いていってしまった。

 そして昨日アカ様のでっかちゃんを撮ったちょっと手前で今日もアカ様発見。
 トマリモノはさっきいっぱい撮ったので、今度はISO1600まであげて、息を殺して飛び出しを狙ってみたがあえなく失敗。
ブレブレだ〜。 そしてアカ様はそのまま森の奥に飛んでいってしまった。

   

 さっきお腹いっぱい撮ったとかいっても、やはりアカ様を目の前にしてちゃんと撮れないと、どんどん撮りたい欲が高まってくる。一通り車道沿いを見てみたが、アカ様の声は森の奥の方から聞こえてくるようだ。
もう一歩奥へ踏み込むため、ここからは車を降りて、徒歩でアカ様散策をする事にする。

 森の中には遊歩道が整備されているので、たいき連れでも安心して歩いていけるのがここの良い所だ。
車からじゃ中々目が届かない足元に注意してみると、カナヘビやカエルなどの小さな生き物が道路際に出てきている。
リュウキュウイチモンジも路面にたまった水を吸いに来ていた。
土砂降りの雨の中や炎天下の日中と比べたら、雨上がりの朝は生き物にとっても過ごしやすいんだろう。

   
リュウキュウイチモンジ

 森の中からはアカ様の声が聞こえてくるが、やっぱり歩きだとこちらが姿を見つける前にこっちが見つかってしまうようで、何度か飛んでいく姿は見かけたのだが、バッチリ目の前で、と言うのは無理みたい。

 しばらく歩いていくと、たいきが疲れた〜というので展望台に登って一休み。ここからも空に虹がかかっているのが見えた。今日はずいぶんいっぱい虹が出るなあ。

 日が高くなるとともにかなり暑くなってきたし、今日は黒島に行く予定なので、アカ様探しはこれくらいにしておこうかね。

 車を止めてある所まで戻ると、昨日と同じ場所でリュウキュウキビタキの声が聞こえてきた。
 声のするあたりに目を凝らすと、何かが動いているのが見えた。目で追い続けていると、そいつは見通しの効く枝に止まってくれた。
リュウキュウキビタキの幼鳥だ。必死でファインダーに入れて撮影成功。

リュウキュウキビタキ

 アカ様はダメだったけど、リュウキュキビが撮れたのでちょっと満足。
 車に乗り込み、またアカ様いないかなあと気をつけながら進んでいくと、蝶がいっぱいいるところに通りかかった。
暑いから外に出るのは嫌だというたいきをクーラーの効いた車の中に残し、しばらく独りで蝶を撮る。虫撮りには最近導入したコンデジのFZ-18がなかなか良い感じだ。

リュウキュウカラスアゲハ カバマダラ ジャコウアゲハ

 蝶も撮ったし、そろそろ本格的に帰る努力をしないと今日も黒島行きそびれちゃいそうだ。
 それでもまだちょっとアカ様に未練を残しつつ山裾の道を走っていると、10mほど先の木にアカ様が飛んできた。やり〜!
すぐに車を止めてレンズを窓からだして・・・撮影成功!大好物の見返りポーズだ。やっぱたいきと一緒だと鳥運いいね!

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

 さあ、これで気分もすっきり、ホントにホントに大満足。できるだけ周囲のアカ様に気付かないように国道まで出て、一路ノンストップで宿を目指した・・・・・かったのだが、今度は道路脇の牧草地のような所にムラサキサギがいるのを発見。
この鳥もいまいちしっかり撮った事がなかったので見過ごすわけにも行かず、道路脇に車を寄せて撮影させてもらった。

 そして宿に戻った時は予定時間を大幅にオーバーしていた事は言うまでもない。急いで朝ごはん食べに行かなきゃ。
 しかしたいきと一緒だと本当に鳥運いいなあ。

 

 

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