2008年7月9日 今朝もアカ様通い

  
 朝撮り3日目、今朝は珍しく雨は降っていない。 ここ数日で一番お天気が安定しているようだ。
準備をして外に出ると、空港の向こうにちょうど日が昇る所だった。

 ここのところアカ様ポイントは当たり続きだ。こうなるとちょっと欲が出てきて、新規開拓なんて考えたりする。
いつもの道をアカ様ポイントへ向けて窓全開で走っていると、アカ様の声が聞こえてきた。周りはサトウキビ畑だけど、こんなとこにも居るんだな。ちょうど小さな交差点があったので右に曲がってみると、突き当たりは生コン工場だった。ハズレかな。しかしどこからかアカ様の声が聞こえてくるので車を降りてみた。

 工場とは反対側が土手になっていたので登ってみると、そこはジャングルに囲まれたいい雰囲気の池だった。
へ〜こんな所があったとは知らなかったよ。

 池面を転がるようにアカ様の声が響き渡り、こちらだけ見ているとまさに秘境の赴きだ。
 アカ様は少なくとも5個体が泣き交わしているようで、いたるところから声が聞こえてくる。
でも周りのジャングルに分け入って探すのは無理そうだ。だからこそこんなに一杯アカ様が住めるんだろう。

 しかしこれだけ声が聞こえるんだから、一羽くらい姿が見つからないかなあ。声を頼りに探してみると、遠くの松の木に、キジバトと一緒にとまっているアカ様発見。でも森の中の一本松って感じでとても近寄れそうもない。
 しょうがない、いつものポイントに行ってみるかと車に乗りこむと、すぐ近くからアカ様の声が聞こえてきた。一体どこから聞こえてくるんだ!?
車中から周囲の木を見渡すが赤い姿はどこにもない。しかし声はすごく近い。
逃げられるのを覚悟で車のドアを開け、そーっと外に出た。そして周りを見回すと、あっ、真上の電線にアカ様止まっていた。
近いけどこれじゃ絵にならないよな〜

 結局アカ様はやっぱアカ様ポイントが一番なんだ、という結論に達し移動することにする。
途中の田んぼではシロハラクイナの幼鳥がうろうろしてた。

アカ様ポイント、今年は第2がいいようなのでそっちに直行すると、今日もいきなりのお出迎えだ。

EOS1-DMk3 EF600mmF4LISノートリ

 これを皮切りに今朝もアカ様パラダイス。
まずは道路端でうろうろしているアカ様を見つけたので、トビモノを狙って車の中からそっと撮影開始。でも暗くてブレブレだ〜
 

 車の中で息を潜めていると散歩中らしきご高齢の夫婦がやってきた。
 幸いアカ様は気にしてない風だったので助かったと思ったが、あとが悪い。
「何がいるんですが」と聞かれたので、「ほら、あそこに赤い鳥がいるでしょ。あれアカショウビンって言うんです」と教えてあげると、「綺麗ね〜」と喜んでくれたのだが、そのまま迂回してくれると思ったのが甘かった。
 ジイサンさんがおもむろにポケットからコンデジを取り出し、フラッシュを炊きながらズンズンアカ様に近づいていく。当然アカ様はびっくりして森の中へ消えてしまい、ご夫婦も「いなくなっちゃったねえ」とおしゃべりしながら散歩に戻っていった。そりゃそんなことすりゃ、いくら人馴れしているアカ様だっていなくなるよ。相手は野生の生き物なんだから。
 

 この場所を諦め車で走っていると、道路脇の柵にアカ様発見。こんな日当たりいいところにいるのはちょっと珍しいかも。
地面に飛び降り、ふたたび柵にもどったアカ様の嘴にはカタツムリが咥えられていた。アカ様の大好物なんだよね。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

何度かカタツムリを捕り柵に戻るアカ様、全然逃げようとしない。
結局車で横を通り過ぎてもそのまま柵の上に止まっていた。ここまでサービスしてくれたアカ様に敬意を表し,後はそっとしておいてあげることにしてこの場を立ち去った。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

今日もアカ様一杯撮れたなあ。本来ならここで満足するべきなのだろうが、アカ様の真っ只中では撮りたい欲はとどまる事を知らない。
ちょっとのあいだアカ様が見つからないと、もう撮りたくてしょうがなくなってしまう。そんな時見つけたアカ様はまた嬉しいもんだ。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

 でもまあこれだけ撮ったから今日はそろそろ帰路に着くことにしよう。帰りの途中でも、昨日みたいにアカ様が撮れる可能性もあるしね。
と言うわけで、昨日と同じ山を迂回する道を通って、気持ちとしては宿の方へ向かった。

 しかし途中わき道がいっぱいあるのでついつい入ってみたくなってしまい、なかなか山から抜け出せない。
そのおかげて良い景色も見ることができた。亜熱帯雨林と隣接する農耕地、そしてその先に広がる海、この変化に飛んだ自然環境が石垣島の一番の魅力だと思うのだが、そんな景色を見渡せる場所もあったし、蓮池も広がっていたりした。このハスの上にアカ様止まってくれたらいいんだけど、まず無理だろうなあ・・・

 そんなわき道をアカ様に注意しながらゆっくり進む。後続車なんてほとんどないからほんとにいつでも止まれる位のスピードだ。
 あるカーブを曲がった時、その先の木にカラスが群れていた。そして木の枝には茶色い鳥が止まっている。
最初リュウキュウズグロミゾゴイかと思ったのだが、よく見たらカンムリワシだった。カラスに囲まれてかなり鬱陶しそうにしていた。
 カラスに気をとられていたのかもしれないが、こっちの事なんて全然気にしていないようだ。
 そのうちカラスのあまりに執拗なちょっかいだしに痺れを切らしたカンムリワシは、海の方へ飛んでいってしまった。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

こういう出会いもあるから、山の周囲を走っているときは気が抜けない。残り時間あと数分というところで再びアカ様発見。
窓からレンズを出し、ファインダー越しに覗いていると、ノビノビしてからブルッとして、森の中へ飛んでいった。

EOS-1DMk3 EF600mmF4LISノートリ

 さあ、これだけ撮れたんだからほんとにいい加減満足して帰らなくちゃ。
今日は今回石垣島を訪れた最大の目的ともいえるイベントが待っているのだ。

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