2008年7月9日 下山もしんどいぞ

 頂上付近はわりと開けていて、遠目に見ると本州付近の低山の山頂の雰囲気だが、そこに椰子の木が生えているのはさすが沖縄って感じだ。

 さあ、それでは下山開始。頂上まで登っても、その後下山しなきゃいけないと思うと心の底から喜べないんだよなあ。
 さっきから雷の音はだんだん近くなってきているし、雨雲もどんどんこっちに迫ってきている。見るとすぐそこはもう大雨だ。急がなきゃ〜

 節約しながら飲んでいた水筒のお茶はついに底を付いてしまった。500ml2本じゃ足りなかったなあ。あとは車に戻るまで我慢するしかない。この暑さの中で熱中症にならなきゃいいんだけど・・・

 稜線の草原地帯から森林地帯入ると、日が翳ってちょっと涼しくなってきたと思ったが、標高が下がったせいかすぐにまた蒸し暑くなってきた。暑いし急がなくちゃいけないし、だんだん足も痛くなってきた。下りなので息切れしないのが唯一の救いだけど、それでもしんどい。

 そしてやっとの事で最後の給水地点に到着。ここまで来ると、於茂登岳本体の下山はほぼ完了だ。あとはアプローチのわりとなだらかな道を下っていくだけだけど、距離はまだ2/3くらい残っているだろう。長い道のりだ。

 給水地点の沢水はそのまま飲んじゃうとお腹を壊しそうなので、代わりに頭に水をかけてみた。う〜冷たくて気持ち良いな〜。
たいきはシャツのまま水を浴び、全身びしょ濡れになって大喜びしている。僕も、帽子に水を汲んでそのまま被ってしまう。これで大分元気が出てきたぞ。 雨の気配もちょっと遠のいたようで一安心だ。

 ほっとして一休みしていると。葉っぱの裏に止まるリュウキュウスミナガシを発見。地味だけど綺麗な蝶だ。足元の岩には20cmくらいあるオレンジ色のシマシマが凶悪っぽいヤスデが這っていたりして、これまたジャングルっぽくていい感じ。

リュウキュウスミナガシ

 

水場の後はらくちんでなだらかな下り坂が続くと思っていたのだが、木の根っこが張り出していたりして結構険しい。こんなんだったかなあ。行きは登るのに必死で気が付かなかったのかも。
 空もどんどん雲ってきて、雷の稲妻も輝きだして、ほんとにもう今にでも雨が降り出しそうだ。それなのに車はまだまだ遠い。肩にかけた40DとサンヨンISが重くって放り出したくなるが、もったいないから我慢しておこう。
 さっきのクールダウン効果もとっくにどこかへ行ってしまい、ふたたび喉はカラカラでなんか頭まで痛くなってきた。足は痛いし道は永遠に続くように思える。はたして生きて町まで帰れるのだろうか・・・・

 そんなグダグダの中、コノハチョウがひらひらと登場。するといままでの疲れもすっ飛び、止まった枝まで駆け寄って撮影。
あまりに暗かったのでストロボを炊いたが、羽の青がさらに鮮やかに写ってくれた。
 斜面の上のほうからはサンコウチョウの声も聞こえてきた。立ち止まってじっくり探すが、藪の中を動く影が辛うじて見えただけだった。

 でもこれで一瞬疲れを忘れられたので、勢いで先を急ぐ。
 しばらく行くと見覚えのあるセマルちゃん発見。こいつは登りの時に出会ったセマルちゃんに違いない。となると出口はもうすぐのはず。あとひと頑張りだ。
道が沢沿いの湿地帯を進むようになると、「コッコッコ」とニワトリのような声が聞こえてきた。そういえば去年もここの登山口の所で聞いた声だ。正体を探すべく、声のほうへそーっと近づいていくと、声の正体は5cmくらいのカエルだった。

 生き物探しに助けられ、道はついに平らになった。喉の渇きはもう限界だ。体中の水分が抜けてしまった気がする。
 最後に川を渡ってちょっと坂を登リ、やっと車の所に到着〜。ほんとに疲れた〜
雨には何とか降られずにここまでこれた。良かったよ〜。エンジンをかけ、車のエアコンを全開にして座席にへたり込む。
 あ〜ノドガガワイダ〜 ホントはここで冷たいオリオンを欲しがるはずの身体が、果汁とかの入ったフレッシュなジュースを欲しがっている。これはかなり弱ってるに違いない。頭もなんだか痛いし、これは一刻も早く冷たいジュースを飲まなくては。

 ここらへんでジュースを売っているところはどこだろう?
思い出そうと思うのだが、この近辺には自販機なんてなかったような気がする。

とりあえず街に向かって走りだす。
 ほんとにもうミズミズ!って感じでみんなグッタリだ。こんなに喉が渇いたのはいつ以来だろう。
ひーこが最初の交差点の角に確か自販機があった!と言うので言ってみたが見事にガセ。喉が乾いてイライラしているので、車内はちょっと険悪な雰囲気になる。

 しかし3個目の交差点の角に自販機軍団発見!すかさず車を寄せると小銭を握り締め車から這い出る。
やはりここは親としてまずたいきから好きなものを買ってやらなくてはなるまい。一刻も早く何か飲みたいのを我慢して、さあたいき何がいい?と聞くと、ダイエットコークだそうで、さすがわかってらっしゃる(^^;
僕は散々悩んだ挙句マウンテンデューの500缶。ひーこはなに買ってんだか知らないがはやくしれ〜〜
そしてみんなのジュースが揃った所で乾杯!ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んめえええええええ〜〜〜〜〜

 水分が体中に染み渡って行くようだ。こんなに美味しいジュースを飲んだのは何年ぶりだろうってくらい美味かった〜。数秒でいっきに飲み干しやっと人心地ついた。
 そういえばここらへんの道は濡れてるなあ。このあと街中に入っても路面はかなり濡れていて、大きな水溜りがいくつもできていた。うちらが山で雨に降られるんじゃないかと心配している間、町の方が土砂降りだったようだ。ついてたかな。

 さあ、それじゃ町まで帰ろうかね。時刻はもうすぐ4時になろうとしている。そういや昼ごはん食べてないけど、もうすぐ晩御飯の時間だし、昼は抜いてもいいんじゃないかなあ。
 そう提案してみたのだが、そうはたいきとひーこが許さない。お腹減った〜お腹減った〜、とひつこく訴えるので、仕方なくいつものマックスバリューにある大戸屋という全国チェーンっぽい定食屋に入る。

ひーことたいきはがっつりソースカツどんなど食べていた。あんたらほんとに晩御飯食べれるのか?これが晩飯代わりなんてやめてくれよ〜

僕は唐揚げをつまみに生ビールを頂いた。これがまたんんんめええ〜〜〜
ヤマノボリの後の一杯は格別だなあ。
みんなそれぞれ満ちたりた気分でマックスバリューへ寄り、来たついでにみんなのお土産を買い込む。明日は北部に移動しなくちゃならないから、ゆっくりお土産を買うのもこれがラストチャンスかも知れない。

 そのあと部屋に戻ると、ベランダで飛行機を眺めながらサマーベッドに寝転んで再びマッタリ。全身が弛緩していくようで沈むような気分でそのまま昼寝に突入。今日も目が覚めると夕方になっていた。なんかもったいない・・・

 そんなわけで今日も晩飯の時間になった。ひーことたいきは案の定あまりお腹が減っていないみたいだったが、やっぱり晩ご飯はちゃんと食べに行かないと1日が締まらないからね。

 電話で呼んだタクシーの運転手さんが中々いい人だったので、どこかお勧めのお店がないか聞いてみると、元ホテルミヤヒラの社食だったのを居酒屋にしちゃったという「ゆうな」と言うお店が美味しくって値段も安くボリュームがあっていいらしいので、そこに連れて行ってもらった。
人気がある店で満席のことが多いらしいのでタクシーにひーことたいきを残し店を覗くと、石垣タイムでは晩御飯にはまだ早めだったせいか空いている席があった。運転手さんにお礼を言ってみんなを連れてくると、店員のお兄さんがお座敷の個室に案内してくれた。登山で疲れちゃったたいきもゴロゴロできて幸せそうだ。
僕も足が疲れていたので、靴を脱いで足を伸ばせるのはかなり幸せだ。

 まずは当然オリオン生とたいきのコーラを注文。コーラも中ジョッキに入って出てきたのでたいきは大喜びだ。

メニューはよりどりみどりでオデンまである。沖縄でおでんってのも珍しいが夏におでんってのもめずらしいよな。
じゃあまずは手始めにそこからいってみようか。 たいき、ジョッキにちくわが様になってるねえ(^^;

 もちろん琉球料理のメニューも色々揃っている。昨日は和食だったし、折角沖縄に来てるんだからやっぱ琉球メニュー頼まなくちゃね。
 モズクにラフティー、グルクンの唐揚げ、ヤキトン、ゴーヤチャンプルーあたりに中生3杯に泡盛を飲むとお腹も大分ふくれてきた。
シメはヒラヤーチーという沖縄風お好み焼きを頼んだが、中濃ソースにマヨネがかかってほとんど普通のお好み焼き。もうちょっとチヂミっぽいのを想像していたが、これはこれで美味かった。あ〜食った食った

ラフティー 白ミソ味 グルクン唐揚げ ヤキトン(沖縄料理ではない?) ヒラヤーチー

 ここまで食べたところで、メニューの片隅に八重山ソバちゃんぽんと言うのを見つけてしまった。どんなんだろう、なんか美味そう・・・思わず注文してしまった。まあシメはラーメンって言うしね。さらっと行っちゃうか。
 そして出てきたのは餡かけ焼ソバっぽい八重山ソバ。中々美味だったが、具沢山でボリューム満点、とてもさらっと食べられるようなもんじゃなかった(汗) なんかアットホームなお店だったので残すのが申し訳なくて、満腹の上にさらに詰め込みお腹はもう破裂寸前。

 完食後、店を出てタクシーに乗ったのまでは覚えていたが、体中の血液が消化のため胃に回ってしまったようで、後の意識はない・・・

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