2008年7月10日 夕方の惨劇 |
宿に戻り一風呂浴びてさっぱりしてからいつものオリオンで一杯やるが、外はまだ明るい。 石垣島の日程は残りあと2日しかないと思うとこのまま部屋にいるのはもったいない。せっかくだからみんなで近くの川まで釣りに行こうかと提案するが、ひーこは飲んだくれていたいらしいので放っておき、たいきと二人で出かける事にした。 宿から5分ほどの河口に着くと、たいきと僕それぞれに竿の用意をする。 河口の周りは一面のマングローブで、アカショウビンの声が響き渡っている。木の根元の水溜りではトントンミーが遊んでいた。 今回餌は持ってこなかったのでルアーで釣るつもりだが、たいきは根掛かりさせてしまう可能性が高いので、あまり釣れなさそうだが投げやすくて沈まないポッパーを選び、僕は釣れる可能性を秘めている5cmほどのミノーにした。 釣りを始めてしばらくは泣かず飛ばずだったが、たいきは投げて巻いているだけでも楽しいようで一生懸命釣りしている。 河口の橋桁のところでキャストして高速トウィッチングしているとググ〜ンと竿が絞り込まれた。ヒットだ。元気に走り回ってから上がってきたのは15cmほどのメッキだった。 そのあと同じ場所でもう1匹釣り上げることができ、片手間に釣りのワリには上出来な釣果だった。 たいきはと言うと、やっぱ7cmのホッパーに食いついてくる魚はいないようで、投げては巻き、たまに絡んだルアーを取り外し、と言うのを繰り返している。 キャストを繰り返しながら一歩一歩下流へ移動して行き、海岸に出たときには、太陽も海の向こうに沈みそうになっていた。この夕日を見るのもあと2回か。なんかあっというまだったなあ。 絡まったルアーを外していたらしきたいきからちょっと目を放した時、「ぎゃ〜〜っ」という叫び声が聞こえた。なんだなんだ?! 慌てて部屋に戻ると、予告どおり飲んだくれていたひーこを連れて車に乗りこんで、救急病院を目ざし出発。ここから市内までは40分はかかるけど、たいきもうちょっと我慢しててね。当のたいきは後ろの席でルアーを握りしめて泣いている。焦るなあ・・・ すでに日も暮れ真っ暗なサトウキビ畑の中の道をひた走り、予定時間を10分短縮して大急ぎで病院に到着。 診察の時間までひまなので周りを観察してみるが、こんな南の島にも喘息の子供がいるようで、パジャマのまま点滴を受けていた。たいきも小さいころは良く喘息で夜間救急に行って何時間も点滴を受けていたのを思い出す。 1時間ほどして以外に早くたいきの番が回ってきた。診察室に入ると先生が「じゃあご両親はちょっと外で待っててください」というので、たいきを残し診察室を出た。どうやって取るのかなあとひーこと一緒に聞き耳を立てていると、たいきの「注射すんの?それ赤ちゃん用?痛くない?」と言う声が聞こえてきた。先生は「そう、赤ちゃん用だから大丈夫」なんて言っていて思わず笑ってしまう。そしてその直後、再び「ギャ〜〜〜」と言うたいきの絶叫が聞こえたと思ったら静かになった。どうやら終わったようだ(^^; 呼ばれて診察室に入ると涙ウルウルのたいきが包帯を巻かれていた。取れてよかったよ〜。これで一安心だ。 ほっとして宿に連絡を入れると、もう食堂の営業時間が終わってしまい、晩御飯は作れないということなので、帰りにスーパーでお弁当を買ってから、今度はゆっくりと真っ暗な道を戻り、宿に着いたらもう10時を過ぎていた。なんか疲れたなあ。 |