1月11日 タンココでまさかのセベレスカワセミ!

 サイチョウポイントをあとにして、アテン君はさらに森の中を登って行く。まだ帰らなくていいのかな?まあ他のお客さんを待たてるわけじゃないしべつにいいか。

 大したことはない登り坂なのだが、アテン君はこっちの撮影機材の事などお構いなしで、結構なペースで歩いてゆくのでついていくだけでもうヘトヘトだ。

 そのうち細いトレイルが交差する所で立ち止まったアテン君。は〜、これでやっと休憩できるよ〜。
 アテン君は周囲を注意深く観察しているので「何?」と聞くと、セレべスカワセミを探してるとのこと。前にここらへんで見たことがあるんだそうだ。

 今回チャバラとアオミミは絶対撮りたかったけど、セレベスカワセミは難易度が高いだろうから撮れなくてもしょうがないだろうとあまり期待していなかったのだが、はたして見れるのかな?

 アテン君は双眼鏡を取り出してキョロキョロしているが何も発見できない。
今はいないみたいだけど、もしかしたら飛んで来るかもしれないからしばらくここで待ってみよう、と言う事になり、ひとまず撮影機材をおろして休憩。あーつかれた。

 しばらく息を潜めじっとしていたが、寄って来るのは蚊ばかりだ。
向こうからこっちに来てくれるってのはちょっと無理っぽい気がしてきた・・・
 10分ほどそうしていただろうか、あまりの変化のなさに、アテン君は「ちょっと見てくるからここで待ってて」と言って森の奥へ消えて行った。
 しかし散々探し回ってもらったにもかかわらず結局セレベスカワセミの姿は見つけられず、意気消沈して戻ってきたアテン君。まあそんな簡単なもんじゃないと思ってたし、気にしないでいいって。それじゃまた明日探そうか、と言う事で、帰路につくことにした。

 それでもアテン君は気が収まらないらしく、ちょっと立ち止まっては双眼鏡を覗き込み、最後のチャンスにかけようと頑張ってくれている。でも見つけるのは見間違えたオレンジ色の葉っぱばっかり。「セレベスカワセミはああいうオレンジ色じてるから・・・」とそのたびに肩を落とすアテン君。

 そして来る時通ったアオミミショウビンのポイントのそばまでやってきた。
 アテン君が「ここらへんでも見かけたことあるんだけどなあ・・・」なんて言いながら歩いていると、10mほど先に赤っぽい生き物が・・・金属光沢があったので一瞬チョウチョかと思ったのだが、アテン君が「Dwarf!!!」と叫んで凍りついた。おお〜!!あれはまさしくセレベスカワセミ!!ちょうど日のあたる良い所にとまっているじゃないか!

 慌てて三脚を設置しようとすると、何を考えたかアテン君はそのままどんどん前に進みだした。あ、ちょっと待って、まずは1枚撮ってから・・・と思い「STOP!]と言ったのだが、アテン君も興奮しているようで耳に入らないようだ。
 アテン君はうわごとのように「Dwarf!」といって前方を指差しながら、セレベスカワセミまであと数mのところまで迫っていった。待ってくれ〜!そんな近寄ったら逃げちゃうよ〜!

 その時気付いたのだが、アテン君が見ている個体は奥の藪の中に止っている別のヤツのようで、手前にいるセレベスカワセミは全然見えていないみたいだ。
 あわわわ、それじゃ飛ばされちゃう前に一枚でも撮っとかなきゃ!と慌ててファインダーを覗き込んだのだが、やはりシャッターを押す前に飛ばれてしまった。グゾ〜アテンのやろ〜〜ヽ(*`Д´)ノ

 気を取り直してアテン君が目指している方へ急行すると、藪の中の方のセレベスカワセミはまだそこに止っていてくれた。アテン君が「あそこだよ!」と指差している。了解!
 心を落ち着けてファインダーの中にセレベスカワセミを入れる。お〜、真っ赤なクチバシに頭の青い点々、なんて綺麗なんだろう・・・しかもDwarfの名のとおり大きさはセアカミツユビと同じくらいのミクロ系、萌える〜

 そしてまずはMk3で連写しまくりセレベスカワセミゲット〜!

 まさかこいつが本当に撮れるとは、なんだか夢のようだ。・・・はるばるスラウェシまでやってきて良かったよ。
一息ついてボディーをデジスコ用に交換してでっかちゃんもゲット。ちょっと葉っぱかぶりだけど、暗いとこではデジスコは良く写る。

 背中の青も見たいなあと思っていたら、向こうを向いてくれた。この赤いボディーにカワセミと同じコバルトブルーの背中、この組み合わせがたまらん・・・・

さっきのもう1羽のほうも近くを飛び回っていてまさにパラダイス状態だ。

そして最後にすっきりした枝にとまってくれて、Mk3でも大満足のサイズでいっぱい撮らせてくれた。

全然逃げないのでついでにデジスコで顔のアップも撮っちゃってもうめちゃくちゃ幸せ〜

 アテン君も大興奮で大喜びしていた。実は彼もセレベスカワセミをみたのは3回目くらいで、こんなにじっくり見れたのは初めてだそうだ。
やったね!と今度はちゃんとハイタッチで喜びを分かち合い、足取りも軽くボートの所へ戻ったのだった。

こうしてタンココ初日の朝撮りは大成功のうちに終了。さあ、宿に戻ってお昼ご飯だ。
 再びめちゃくちゃ遅いロングテールボートでプリサンを目指す。でもちょっと位遅くたって気分はホクホクなので全然へっちゃらだ。

途中の海ではグンカンドリの群れが餌を取っていた。
太陽は天頂近くに昇り、強い日差しに海はエメラルドグリーンに輝いていてとっても綺麗だ。東南アジアでもこんな色の海があるんだなあ。

そして行きと同じ、1時間半の航程を経て、ロングテールボートはプリサンビーチにたどり着いた。

 

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