1月12日 ボートでバードウォッチング


 午後からはたいきとひーこ3人でスピードボートに盛り込み再びタンココへ向かう。目標はマングローブ帯に住んでいるセべレスコウハシショウビンだ。
 ここらへんの海岸は火山礫が積もった黒い砂浜が多く、あまり海岸にマングローブは見られないようなので、セレベスコウハシショウビンが住んでいる場所も限定されてしまうようだ。

 ロングテールボートの上じゃロクヨンは無用の長玉。ここは感度を上げて手持ちで連写するしかないだろうから、武器はちょっとでも高感度に強い神3とサンヨンに1.4Xテレコンで行くことにする。

 ボートを走らせていると、岸近くをイルカの群れが跳ねているのが見えた。ボートスタッフに「dolphin!」と言ったが「Oh!」とかいって喜んでいるばかりでボートを止めてくれる気配はない。ここらへんじゃ別に珍しくもないのかな。
 揺れるボートの上で必死にファインダーに入れようとしたが、結局一枚もシャッターを切れないままイルカポイントを通り過ぎてしまった。これが昨日のロングテールボートだったらもうちょっと撮れたかもしれない。残念だ・・・・

 そのあとボートスタッフのお兄ちゃんが前方デッキでウクレレを弾きながら歌うのを聞いたりしているうちにタンココに到着。現地ではすでにアテン君と船長さんがまだ新しくてきれいなロングテールボートに乗って待っていた。

 一度タンココに上陸してすぐにロングテールボートに乗換えたのだが、たいきはちょっと船酔い気味なのに地面の上でゆっくりできなくて不機嫌なようだ。
 まあロングテールボートで波を切っていけば気分も晴れるだろうし、マングローブ地帯に行ってしまえば水面は穏やかだろうから、もうちょっと我慢してね。それじゃセべレスコウハシショウビンが住むというマングローブの川に出発しよう。

 新しいロングテールボートはエンジンの音も軽快で、昨日の朝乗ったのとは雲泥の差。スピードも結構でるので気分爽快だ。
 船の上でアテン君に今日のレクチャーをしてもらうと、パクアソデクロバトとシロハラウミワシとフクロウを見てからマングローブ帯に行くということだった。
 たいきに「フクロウ見るんだから洞窟探検できるかもね!」と言って凹み気味の気分を盛り上げてやる。

 ボートは最初波に乗るようにして岸沿いをプリサン方面に走っていったが、しばらくすると岸から離れて沖に向けて走り出した。どうやら海の真ん中に突き出した小島を目指しているようだ。もしかしてあの島にフクロウのいる洞窟があるのかな?島に近づくと、斜面の木から2羽のシロハラウミワシが飛び出した。

シロハラウミワシ パプアソデグロバト

 島の周りは海流が複雑なようで、船が木の葉のように揺れる。そんな中、飛んでいるシロハラウミワシをファインダーに入れるのはかなり厳しい。

 島は切り立った崖に囲まれていて、そこに波が叩きつけるようにぶつかりサラシが出来ている。
 裏側に回るとパプアソデクロバトが何羽か止まっていた。前にケアンズで見たやつだ。このハトとサイチョウが一緒に見られるってのが、さすがウォーレシア!ってとこなんだろうか。

 海は荒れてはいるものの、水はとっても綺麗で海底が見える。アテン君はここもいいダイビングスポットなんだと言っていたが、流れはすごくきつそうだ。

 アテン君に「フクロウは何処?」と聞くとここじゃないらしい。それじゃたいきの具合もかなり悪そうなのでとっとと次のポイントに向かおう。

 船は島を後にして岸のほうへ向かっていき、それに連れ波も大分収まってきた。
途中いくつもの海に浮かんだ小屋があリ、クロサギがいっぱい止まっている。あの小屋は何なんだろう?

クロサギ

 昨日の朝から気になっていたのだが、アテン君に聞くと、あれは漁師さんが夜水面を電気で照らして、それに寄ってきた小魚を捕るための水上小屋なんだそうだ。たしかに小屋の前に大きな網のようなものが着いている。 これで採ったのが昼ご飯の時食べた小魚の干物になるんだろう。

 そぐそこの小屋から飛び立ったのはスマトラサギだ。でっかいなあ。

スマトラサギ

 岸から20mほどの所まで近づくと、岸からの波の打ち返しでまたウネリが強くなってきた。そんな中、岸の岩の上にナンヨウショウビンを発見。無彩色の岩場に止まっていると、色がまた一段と鮮やかだ。しかしボートはうねりにもまれて激しく揺れる。これじゃブレブレ写真しか撮れないよ〜。

 その先にアーチ状になった所が見えてきた。もしかしてあそこがフクロウの棲家だろうか?しかし洞窟と言うには明るすぎるよな。船で近づくにも波が荒いから危なそうだな。なんて考えていると、アテン君がちょっと手前の崖の上を指差した。

ナンヨウショウビン

 

 先にひーこが気付き「あっ、フクロウだ〜」というのでどこどこ?と聞くと、横でアテン君が居場所を詳しく説明してくれる・・・あらっ、本当だ!目的のセレベスメンフクロウは洞窟じゃなくて崖の窪みにじっと佇んでいた。

 ここでもボートの揺れが激しいのでファインダーの中で構図をとる事もおぼつかないが、ISOを1250まであげて、なんとか止まっているカットを押さえるべくひたすらシャッターを切り続けた。

セレベスメンフクロウ

 このセレベスメンフクロウも名前どおりスラウェシの固有種なので、これが見れただけでもボートをチャーターした甲斐があったってもんだ。

それじゃ次は今回最大の目的、セレベスコウハシショウビンを見つけるべく、マングローブ帯へ向かいましょ〜

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