1月13日 プリサン最後の朝 |
結局雨、風、波の音がうるさくてよく眠れなかったが、明け方になって雨は収まってきた。 眠い目をこすりながら外に出てみると、雲間からわずかに朝日が見えた。でも今日もどんよりした曇り空だ。 コテージの前の道は昨夜の大雨で水溜りと化していた。すんごい降ってたもんなあ。 水溜りのような泥道を、ロクヨンを担いで歩き出す。 しかしそのあと、聞き覚えのある「クゥークゥー」と言う声が聞こえてきた。これってアカショウビンの声だよな。 これで今回確認したカワセミ類は7種類。さすが「Where
to watch the bird in asia」で世界でもカワセミにはベストな場所と書いてあるだけのことはある。 アカショウビンが飛んでいったマングローブのあたりに行って見ると、再びクゥークゥー声が聞こえてきたが、すぐにこっちの気配に気付かれたようで、キョロッキョロッキョロッ・・・・と鳴きながら、声は遠ざかっていった。中々警戒心は強いようだ。でもせっかく見つけたんだから証拠写真くらい撮りたいよなあ。 小川の所まで着き、ここを右に曲がれば坂を登ってプリサン村だけど、左に行くと海に出るだろう。そうしたらマングローブのところに出てさっきのアカショウビンにもう一度会えるかも・・・というわけでそちらに行ってみる。 しばらく行くと向こうから現地の人がやってきたのでナンタラの一つ覚え「スラマッパギ」でご挨拶すると、ニコニコしながら「パギ」と返してくれる。やっぱ「おはよう」と「ありがとう」くらいは覚えておいて良かったなあ。 そのうちすれ違う人の数が増えてきたと思ったら、村に出てしまった。 みんなにパギパギ挨拶しながら村の中を道なりに進んで行くと海岸にでた。横には思ったとおりマングローブの川が流れていたが、ちょうど満潮に当たったようで川は深くて渡れない。ここから海岸沿いに宿までいけると思ってたんだけどなあ。マングローブの方も木の根元が波で洗われていて一歩も行けなそう。これじゃアカショウビンは無理か。 クロックスよりさらに滑りやすいビーチサンダルでおっかなびっくり道を下っていくと、下から魚をぶら下げたお兄さんが登ってきた。肩に担いだ棒にぶら下がっていたのはサメのブツ切り、大迫力だ。 今朝の収穫はサメだけかな。なんて思いながら竹やぶを抜けたとたんアカショウビンと鉢合わせしてしまった。距離はほんの数メートルだ。こんな所にいたなんて〜 目と目が合ってお互い一瞬固まったが、三脚をおろす間もなくアカ様は藪の奥へ飛んでいった。 なんだか諦めきれずしばらくそこでまってみたが、結局撮れたのはカワセミならぬ綺麗なセミだけ。 あれだけ思いっきり顔を合わせちゃ戻ってきてはくれないだろうな。また雨が強くなってきたし、荷物の片付けもしなくちゃならないのでそろそろ引き上げるとするか。 時間になると、村人が集まってきて、大きな荷物を肩に担いで去って行き、手元に残ったのは40Dとサンヨンとコンデジ、それに身の回りのものと貴重品だけ。朝撮りよりずっと身軽だ。 雨も上がってちょっと日が差してきたのであたりには蝶が飛び始め、水蒸気のもやが立ち込めてきた。 そんな中、プリサンを出てハイキング気分で歩いていると、椰子の林のほうからガサッ ガサッ、と言う音が聞こえてきた。なんだろう?と立ち止まって見いると、椰子の木の上のほうから人がスルスルっと降りてきて、手を振ってくれた。 道は水も掃けて大分歩きやすくなっており、いつもの橋の下を流れる川も、今朝より大分水量が減っていた。 木漏れ日の中プリサン村への川沿いの道を登っていく。 舗装路が始まる所にいつもの四駆が止まっていて、橇を引っ張っている牛の横でフランツさんが村人たちとおしゃべりしながら待っていてくれた。奥にいるのは来た時たいきの手を繋いでくれたお兄さんだ。たいきを見つけニコニコしてくれている。 みんなにさよならをして車に乗りこむと、プリサンでの日々ももう終わり。ちょっと寂しいけど、午後にはシャンプーで頭を洗えると思うとちょっと嬉しいかも(^^) |