1月13日 ORAT家誘拐!? |
止みそうもない大雨のなか最終目的地の港を目指して車を出す。チャチャのレイコさんの話だとホテルセレベスの裏の桟橋に来ればいいということだったので、フランツさんにそこのところ念を押しておく。 そして再び一方通行の道を行ったり来たりして1時間遅れで桟橋に到着。スタッフはまだいてくれるかなあ・・・ まだ外は大雨だったので、フランツさんがちょっと待ってて、といって様子を見にいてくれた。 なんかそれらしいボートもいないよなあ、もしかしてすでに遅すぎたのか・・・と心配していると、フランツさんが戻ってきて、前に止まってたタクシーにに乗れと言う。え?うちらが乗るのはボートのはずなんですが??? そんなこっちの気持ちはお構いなしにスーツケースを積み替えるフランツさんとタクシーの運転手さん。もしかして港の反対側かなんかにボートが止まってて、雨があまりにすごいからタクシーで送ってくれるのかな?と自分で納得し、フランツさんにお礼を言ってタクシーに乗り込んだ。 走り始めたタクシーはなんだかさっき通ったところを走っている気がする。こっちにボートが止まってるのかな?
もしかしたらこのまま誘拐されちゃうかも・・・・・・もしそうなったら撮影機材は諦めよう・・・・・ でももし殺さそうになったら・・・・・そしたらせめてたいきの命だけは助けなくちゃ・・・・・・どうしようか・・・・
そんなことを考えている間にも、タクシーはさらに人気のない方へ進んで行く。きっとこっちの方にアジトがあるんだ。 でも英語も通じないんじゃ根掘り葉掘り聞くこともできないし、敵ながらあっぱれな作戦・・・・ もうORAT家絶体絶命じゃ〜〜 しかしそこでひーこがいつもの必殺単語並べただけ英会話で「ブナケンチャチャ?スピードボート?」と話しかけると、運転手さん、こっちのヤバがってる雰囲気を察していたようで、苦笑気味に「Yes ! Don’t worry」と答えた。なんじゃい!ちょっとは英語分かるんじゃないか!なんか悔しいなあ。別に心配なんかしてないやい!(ウソです) でも油断は出来ないぞ。もうかれこれ30分は走っている。うちらは一体どこに連れて行かれるんだろう。 不安な気持ちのまま1時間が過ぎた頃、タクシーは小さな集落に入っていった。ここがアジトか桟橋か・・・・ そしてつきあたりのT字路を曲がると、その先には海があり船が止まっている・・・・助かった〜〜〜(泣) タクシーは待合室のような所の横に止まり、ORAT家は無事解放されたのだ。ほんとに生きててよかったよお。 ここにいた英語が話せるチャチャのスタッフから、ここからボートが出るというのを聞いてさらに安心した。でも車で1時間も移動するなんて聞いてなかったぞ。 待合室には地元のお客さんたちらしい一団が集まっていて、その先にある桟橋はマングローブの生えた泥濘地帯に突き出ていたが、潮が引いてしまっていてボートは地面に乗り上げている。 そのおじさんにどこまで行くの?と聞かれ、「ブナケンチャチャ」と答えると、チャチャのスピードボートは沖に泊まっているやつだと教えてくれた。今岸に乗り上げているのはパブリックボートなんだそうだ。 沖のほうを見ると、さっきのスタッフがうちらのスーツケースを担いで運んでくれているのが見える。もしかしたらうちらはそろそろ出航できるのかな。あそこまで歩いていくのはちょっと大変そうだけど・・・ しかしその後1時間ほどたってもも一向に出航する気配は見られない。どうしちゃったんだ〜? 鳥を撮っているとさっきのチャチャスタッフがやってきて、「ボスから電話がかかってきて、沖では海がすごく荒れてるので、もう1時間ほど様子を見てみて、それでダメだったら今日はマナドに泊まってもらうことになるかもしれない」という。ええっ?そうなの? それならそれで1時間待たずとも、もうあきらめちゃいたいんですが・・・ 雨も小降りになってきたので、たいきと一緒に桟橋の先端やマングローブの方へ探検に行ってみたり、そこら辺に咲いている花を撮ったりして暇をつぶす。
みんなも暇をもてあましているようで、どこから来たの?とかどこに泊まってたんだ?とか色々話しかけてくれるので結構気がまぎれる。それにとっても親切で、 たいきがおしっこに行きたくなった時なんか、近くの民家に連れて行ってくれてトイレを借りてくれた。 地元の子供達もマンガを読んでいるたいきが気になるようで、遠巻きにこっちの様子を伺っている。たいきに「一緒に遊べば?」と言ったが照れちゃって全然ダメダメ。かわいい女の子がいっぱいいたから照れるのもしょうがないか(^^) そして1時間半ほどたった頃、スタッフが再び携帯電話を持ってやってきて、でてくれという。電話のぬしはレイコさんだった。はじめまして〜 電話から流れてくる久しぶりの日本語はすごく心強い。 お世話になった地元のお客さんの所に行き、今日は欠航になった事を伝えると、沖はすごく荒れて危険だから止めるんだったらその方が良かったよと言ってくれた。 皆さんはどうするんですか?と聞いたら「僕らは行かなきゃならないから・・・」と悲壮感を漂わせている。生活がかかってるから仕方ないんだろうけど大丈夫かなあ・・・それでも最後は笑顔で手を振ってくれた。みんな元気でね。 |