1月14日 ブナケン探検隊遭難かっ!

 それではブナケン探検開始!ここにきて再び空には雲が広がりお天気は下り坂のようだ。
 でも折角来たんだし、そのうち回復するかもしれないし、と前向きに考えてまずは海に行こう!

 満潮の時のビーチはほんの10m位しかない。沖に見えるスノーケリング小屋まではかなりの距離だ。やっぱ海に入るのは潮が引いてからの方が良さそうだ。
潮位さえ下げれば左右の砂浜も結構奥まで行けそう。まあそれは後のお楽しみに取っておこう。

 それじゃ続いて裏山探検に行こう。チャチャの中の道はハイビスカスのトンネルになっていたりして南国ムード満点だ。
これで天気が良ければまさに南国の楽園だ。

 最後のコテージを過ぎるとそこから先が島の上の平らな部分になる。いよいよブナケン探検が本格的に始まるわけだここの泥道はえらくぬかるんでいて、ビーサンだとヌルヌルすべる上、足を上げようとするとネッチャリとひっついて歩きにくい事この上ない。なんだかハードな探検になる予感・・・目標は島の反対側の海だ!

 コプラ椰子の畑の中に伸びている泥道を歩いてゆくと、チェーンソーで木を切っているお爺さんがこっちを見てニコニコしていたので「スラマッシアン」とご挨拶をして通り過ぎる。

 10分ほど歩いた所で「さすが雨季」って感じのかなり激しい雨が降ってきた。このまま進むかチャチャに戻るか悩んでいると、さっきのおじいさんがやってきて、身振りで付いていて来いという。
 何処に行くのかわからないままとりあえず付いていくと、一軒の民家があり、ここで雨宿りさせてくれるらしい。でも足がドロドロだから上がるの悪いとジェスチャーしたら、お爺さんは家の裏手に回って足洗い用の水をもってきてくれたので、ありがたく足の泥を落とさせてもらう。

 家にはほかに赤ちゃんを抱っこしたお婆さんがいたので「スラマッシアン」とご挨拶をして軒先を貸してもらった。
 お爺さんは雨を指差して「ウテン」(と聞こえた)と教えてくれた。日本の「雨天」と一緒だね。(ホントはウジャンというらしい)

 そのうち雨も上がったので、お爺さんとお婆さんにお礼を言って軒下を出た。お爺さんは村ならこっちに行きなさい、とその家の反対側の出口を教えてくれた。実際会話は通じていないので、ほんとにそっちでいいのか自信はないが、まあ雰囲気からすると正しいんじゃないかと思われる。

 生垣を抜け、ちょっと行くと舗装道路に遭遇。これがこの島のメインストリートのようだ。ここを右に曲がり、先に進む。  雨に濡れた舗装道路は裸足で歩くと気持ちいい。
 高い木の上でムクドリくらいの鳥が「ケレッケレッケレッ」と鋭い声で鳴いている。なんだろう?もしかしてセレベスブッポウソウだったりして、と淡い期待を抱いたが、レンズをサンヨンに付け替えて覗いてみるとなんか違うみたいだ。またシュウダンムクドリとかそっち系かなあ。遠い上に空抜け逆光でよくわからない。

 そしてほどなく村に出た。学校のような建物の前を通ると、ちょうど下校時間のようで、小さい子供達が外に出てきた。

 そんななか、人懐っこい女の子が僕のカメラをしきりに気にしていたので記念撮影。歯の抜け具合からするとたいきと同級生くらいだろうか。
 この子は帰り道がうちらと同じ方向のようで、しばらく一緒に歩いていた。時々話しかけるけど、英語は通じない。たまにこっちを見てニコニコするので、うちらもニコニコするのが唯一の意思疎通だけど、なんかたのしいねえ。たいきは照れちゃってあいかわらずダメダメ。

 5分ほど行ったところに雑貨屋のような店があり、女の子はそこに駆けていった。あそこが家なのかな。

 女の子と別れ再び3人に戻った探検隊だがなんか疲れてきた。もう2kmくらいは歩いたんじゃないだろうか。
 また雨が降ってきたので、たいきは落ちていたバナナの葉っぱを拾って傘代わりにした。いいアイデアだ。僕もカメラの傘代わりに使わせてもらおう。
 そのうちだんだん道が細くなって舗装も荒れてきた。そろそろ終点も近そうだ。
 道端でうろうろしている牛の脇をそーっと通り過ぎてさらに先へすすむ。

 そしてついに平らな道は終わり、細い急坂にたどり着いた。ここが反対側の海に続く道だ。周りはリゾートになっているようで、斜面にいくつかコテージが建っている。

 木々の隙間から海が見えるが、なんかずいぶん荒れてる。
 海の近くまで降りてみるとビーチはチャチャ前よりさらに狭く、コテージの足元まで波が来ているし、ゴミもいっぱい打ち寄せられている。チャチャで聞いた話だと、小さいけどお土産物屋があるってことだったのだが、そんな雰囲気じゃない。ここじゃないのかなあ?
 でももう疲れたし、ここが島の反対側の海ってことにしちゃうか。と言うわけで目標達成!(^^;
それじゃチャチャに戻ってビールだ〜!

 帰り道、再びさっきの女の子がお友達と一緒に登場。さっきの雑貨屋は寄り道ポイントだったようで、これからちゃんと家に帰るみたいだ。

 お友達に「一緒に撮ってもらおうよ」と言ってるようで、二人でポーズをとるので一枚撮って液晶画面で画像を見せてあげると大喜びして、バイバイしながら走り去っていった。元気だねえ。

 村の中ほどに差し掛かると再び雨が強くなって来た。もう下校時間も終わったようで人通りもない。結構激しい降りなので、近くにあった無人の教会の軒先で雨宿りをさせてもらう。ほんとに良く降るよなあ。

 しかし急に止むのが雨季の雨だ。すぐに雨は上がり再び歩き出す。
 時刻は11時半、お昼ごはんは12時半からなので、まだ余裕だね。

 問題はチャチャから来た時に通ったあの民家だ。
 あの時はお爺さんが一緒だったから良かったけど、はたしてうちらだけで人の家に入っちゃってもいいもんだろうか、ちょっと気が引ける。

 記憶をたどると、さっき最初にお爺さんと出合ったあたりに何本かわき道があったのを思い出した。ならばあの民家の前を通り過ぎてからどこかを左に曲がればチャチャへ続く道に突き当たるはずだ。さらにひーこの記憶では、その道の上には電線が通っていたという。それなら間違えることもないだろう。

と言うわけで民家を通り越して先に進むと、それらしきわき道発見。ここを曲がってみるか。

そしてここから悲劇ははじまった。

ここも道はどろどろで歩きにくい事この上ないが、まああとちょっとだから頑張ろう。

でも周りの葉っぱが道のほうまで張り出してきてだんだん歩きづらくなってきた。
そろそろ電線が見えていい頃なんだけどなあ。まあもうちょっとがんばってみるか。



しかし道は険しくなる一方だ・・・・交差する道も現れない。なんかこの道、違うんじゃないか・・・・
と言うかだんだん道自体見えなくなってきた。やばいかなあ。

 再び雨が強くなってきたが、もうそんな事気にしている場合じゃなくなってきた。
今来た道を引き返すにも、どこが道だか良くわからなくなっている。完全に迷子だ。
疲れた〜とすっかり元気のなくなったたいきを励ましながら倒木を乗り越え、ひたすら先に進む。

それでも何とか海の近くまでたどりつけたようだ。海岸線に出ればチャチャも見えるんじゃないだろうか。
希望の光が見えてきたぞ。周りはまばらな草原になり、向こうのほうに黄色い貯水タンクも見えてきた。

ああ〜!あれは間違いなくチャチャだ!帰ってこれた〜!よかったよ〜。
心底ほっとして最後の力を振り絞り、ぼうぼうの草むらの中をヨロヨロ進むブナケン探検隊。

 しかし、そこにあったのは見ず知らずの民家・・・がっくりだ。
 うちらに気付いたおばさんが家から出てきて険しい目つきでこっちを見ながらなんか文句を言っている。
怪しいものではない事を示すため笑顔で挨拶をしてもまだ怒っている。どうしよう・・・これじゃ道も聞けないよ。

 すると騒ぎを聞きつけたおじさんが家の裏から現われた。
 こちらは多少は友好的だったので、「チャチャ?」と聞くと、インドネシア語で身振りを交えて道を教えてくれた。

 今来た方に戻ってどこだかを左に曲がるらしい。よくわからないが、とにかくこの先にチャチャはないようなので引き返すしかないだろう。再び草ぼうぼうの中を重たい足を引きずりながら歩いていくと、もしかしてここは道かも、っていうくらいの草の凹みでできた交差点にぶつかった。そこを左に曲がり、半信半疑でコプラ椰子の森の中をひたすら歩く事10分ほど、やっと舗装道路に出ることが出来た〜。

 そこに地元小学生の集団が通りかかったので道を教えてもらおうとすがりつくが、まともに取り合ってくれない。
やっぱり英語が通じないのかと思い「ブナケンチャチャ?ジャラン?」と継ぎはぎインチキインドネシア語で話しかけると分かってくれたようで、着いてきて〜という感じで歩き出した。助かったよ〜

しかしかなり歩いても一向にチャチャに近づいてる気配はない。
もしかして伝わってないの?と心配になりもう一度確認したが、みんな「こっちでいいの!」と声を揃える。

 しばらく行くと向こうから坂口健二似の若者が歩いてきた。なんか見たことある顔だと思っていたらチャチャのスタッフだった。これで本格的に助かったかも。道に迷ったというと、じゃあついておいで、って感じで手招きをする。
 そのままついていったら、彼が入っていったのは来る時通り抜けた民家だった。やっぱここしか道はないのか?

 小学生達はここへ向かってたんだね。疑って申し訳ない。
 彼らはそのまま村へ向かうようなので、トリマカシーとお礼を言い、手を振ってさよならする。
 
 さっきのお婆さんがいたので、また挨拶をして家を通り抜けさせてもらうと、坂口君はうちらのペースなどお構いなしにどんどん進んでいってしまい、うちらは取り残され気味。よくこんな泥道をビーサン一丁であんなに早く歩けるよなあ。

 でもここまで来ればもう迷うこともないので、たいきのペースに合わせてどのんびり進む。
そしてやっとチャチャのコテージにたどり着いた時には、ブナケン探検隊無事生還いたしましたっ!って気分だった・・・

 フラフラになって部屋に戻るともう昼ごはんの時間だ。1時間ほどさまよってたんだなあ・・・
バスルームでシャワーを浴びて体中についた泥を洗い流したあと雨でびしょぬれになった服をベッドに広げてあった生乾きの服に着替え、たいきとひーこは一足先にレストランへ向かった。

 僕は一足遅れてタイヨウチョウでもいたときのためにレンズをサンヨンに付け替え、人撮り用にFZ−18を装備して部屋を出た。しかし階段を降りはじめたら、まだビーサンの裏についていた泥で足が滑った。足が疲れて踏ん張りも効ず、結局7段ほど階段を落っこちてしまった〜、イタタタタタ〜

 被害はサンヨンのフード破損と足の親指生爪ハガレ(泣)まあこんなもんですんでよかったのか・・・


 足は痛かったけど泣くほどでもないのでそのままレストランへ向かうと、もうテーブルには料理が用意されていた。
 ここでのごはんはゲストもスタッフも全員そろって大きなダイニングテーブルを取り囲み、おかずをみんなでシェアするスタイルだ。他のゲストも揃ったところでお昼ごはんスタート。うちらは迷わず冷えたビンタンも注文する。
散々歩き回ったのでノドがからから。ビールが美味い。

 ごはんをお皿に各自よそい、そこにおかずを乗っけて混ぜて食べるのはプリサンと同じ。
 そしてお昼のおかずは春雨を揚げたのが添えられた、鶉の卵とマッシュルームの甘辛煮。そして豚のしょうが焼き。う〜ん、美味いっ!この味は日本のお味だ。テーブルにはキッコーマンショウユのビンも置かれていて、日本食がないとダメって人にも全然問題ないだろう。

 付け合せに出てくるのがダブダブソースと言うトマトと唐辛子とニンニクを混ぜてオイルに漬け込んだ、サンバルのようなソース。とっても辛いのだが、これが癖になるらしい。毎日新鮮なのをここで作っているそうだ。
一口なめてみたらメッチャ辛かった。これから癖になってくるのだろうか。

 デザートにはフルーツがつき、もう大満足。それじゃ一休みしたら午後はスノーケリングにでも行って見よう。

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