1月15日 ダイビング2本目 流される

 その場で1時間ほどインターバルをとっている間に天気は大分回復し、時々日も差すようになって来た。
2本目はちょっとチャチャ側に戻った「リビングカラー」というポイント。

 エントリー前にボートの上から覗き込むと、日の光が差し込んだ海中は南の海の色になっていた。
 これなら楽しいダイビングになりそうだ。わくわくしながらラフが取り戻してくれたカメラを手にエントリーする。

 海中の潮は右に流れていると思ったら急に左向きに変わって、また右に向かい、と定まらず、結果同じ所を行ったりきたりして流されているような状況だった。

 ひーこは足にウミシダが絡みついたまま全然気付かず気分良さそうに泳いでいる。カッコワリ〜
なんて思っていたら、ばちがあたったのか僕の腕にもウミシダが絡みつき、剥がすのにえらい苦労をした。


ここからは例によって記憶が・・・

 

オドリハゼ ウミウシの仲間
カスミチョウチョウウオ おなじみネッタイミノカサゴ
フエヤッコ ソフトコーラルをアップで見ると、
小さいイソギンチャクがいっぱい集まっているみたいだ

ここでもイソバナは元気だった。水中で赤色が吸収されるため、ストロボを焚かないと真っ黒に見える。

へコアユもふたたび登場、アップだとちゃんと魚の形をしているのがわかる。

スパインチークアネモネフィッシュ ウミウシ系

そしてこのウミウシを撮ったあと、事件は起こった

ラフが教えてくれたウミウシをみんなで順番に眺め、最後に僕が近寄って撮影させてもらった。

 その間ラフは先に進んでおり、僕の周りにはひーことジャンレノが見える範囲にいた。
チャッキーはエアーがなくなったのか、ちあきさんと先に上がってしまったようだ。

 先行しているラフに追いつこうとフィンキックをしてスピードを上げ、岬状になった所を回り込んだとき、いきなり流れが変わった。しかも突然の川のような激流だ!
 必死でフィンキックをするが、前に進めないどころか徐々に後ろに流される。このままじゃながされてしまう。
 とりあえずウォールの岩の張り出しをつかみ、流されるのだけは食い止めるが、これじゃラフについていくのは無理だ。
もしウォールから離れてしまったら掴むものもなく、そのまま外洋に流されてしまうかもしれないと言う恐怖が頭をよぎった。

 周りを見るとひーことジャンレノも必死でキックしながらウォールに張り付いていた。ジャンレノと目が会うと、浮上してしまおうおというジェスチャーをもらって我に返った。ひーこも了解したようで、3人で固まって、岩をつかみながら徐々に浮上開始。
 カメラをまた落としたりしないようにしっかり掴みなおそうと思い、壁からちょっとはなれてカメラを持ち直し、再び浮上しようと思ったら周りにいたはずの二人がいない!水平に360°をみまわしても、目に入るのはウォールと海だけ。どうしちゃったんだ?ふと上を見ると、二人ははるか上にいるじゃないか。やばい、ダウンカレントで僕だけ海底に引っ張られている!

 慌ててBCにエアーをいれ、フィンキックでスピードを調整しながら浮上を開始。でもこのままいくと浮上速度が速くなりすぎてしまうので、みんなまであと数メートルというところでキックを止め、BCのエアーを抜くが、なんだか浮上速度が変わらない。今度は水面に向かうアップカレントにつかまってしまったようだ!

 再び慌ててBCのエアーをすべて排気して、浮上が止まり、みんなと合流。いや〜やばかった〜
今までこんな激しい流れには遭ったことがなかったのでかなりピンチだった。

 そのあと水深5mほどのところまで移動し、みんなで安全停止をしてから浮上。何とか生きてるぞ。

 しかしほっとしたのもつかの間、遠くに見えるボートに手を振ってこちらの存在を知らせるものの、ボートが動く気配がない。そういえば1本目はちあきさんが水中から蛍光オレンジのシグナルフロートをあげてたっけ。うちらはそんなものもってない。ちょっとうねりがあるし、もしかしててこちらに気付かないのかも・・・・
「日本人ダイバー、マナド沖で行方不明」なんて新聞の見出しが頭に浮かぶ・・・

 不安な数分が過ぎ、やっとボートがこちらに向かって動き出した時は心のそこからホッとした

 かくして嵐のような2本目から無事生還。そのあと一人で「はぐれた(^^;」ラフも発見され、全員そろってチャチャへ戻る事が出来たのであった。

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