1月15日 午後の散歩 |
皮肉な事にチャチャに戻る頃にはお天気はすっかり良くなって、夏の日差しが降り注いでいた。 今朝とはエライ違いだ。水中でこの光があればさぞ綺麗だったんだろうけどなあ。まあ生きて帰ってこれたからいいか。 部屋のバルコニーではたいきが一人お腹をすかせて待っていた。午前中はDSのポケモンに熱中していたから全然寂しくなかったそうだ。留守番できてえらかったねえ。それじゃシャワーを浴びて塩気を落としたらお昼ご飯を食べに行こう。 今日のメニューは豚肉と白菜の炒め物の乗ったどんぶりとエビフライ、それにフルーツ。 綺麗な海を眺めながら昼ごはんを終えると、部屋でひと休みしてから腹ごなしに海岸に散歩に行った。 しかしここでいきなり雨が降り出す。ついさっきまであんな良い天気だったってのに・・・ほんとに雨季の天気は変わりやすいよなあ。しばらく岩陰で雨宿りをするが、雨はどんどん強くなるばかり。 こうなると、へなちょこひーことたいきはもうダメダメ。なので二人には先に帰ってもらい、後は独りでゆっくり鳥撮りすることにして、濡れついでに海の中をジャブジャブ歩いてチャチャへ戻ってゆく二人を見送った。 残ったのは良いが、さすがにこの雨じゃカメラが心配なので、さっきの岩陰でしばらく雨宿りする。 沖のリーフではササゴイが餌を探していた。こいつは結構何処にでもいて、ランカウイでもクラビでもバリでも見かけた。 背後の陸地から飛び立ち、頭の上を通過していった大きな鳥はムラサキサギだ。 マングローブの根元を覗きながら歩いていると、茶色地に黄色い縞の目立つ小魚が泳いでいた。ヌノサラシの幼魚だ。 足元には地味な小魚が泳ぎ回っていて、浅瀬ではトビハゼがピョンピョン跳ねてている。水面から出た陸地では小さなカニが歩き回り、鳥にとっても餌の宝庫だろう。 そのうちだんだん潮が満ちてきたようで、浅瀬に向かって海水が流れ込んで来るのが目で見てもわかるようになってきた。身一つだったらなんでもないが、カメラの水没は困る。ナンヨウショウビンは見つからないけどそろそろ引き上げたほうがいいだろう。 海から上がりチャチャの中の道を部屋に向かっていると、昨日散歩の時聞いた「ケレッケレッ」というするどい声が聞こえてきた。 声の主は何処だろう?周りを見回すと、海側にある高い木の上に鳥の姿を見つけた。レンズ越しに見ると、嘴がカギ状になっている。どうやら猛禽のようだ。大きさからすると普通のツミのようだが・・・やっぱ普通のツミかなあ。スラウェシまで来て・・・ 部屋に戻ると二人はベランダでゴロゴロしていた。たいきは相変わらずDSに夢中になっている。折角ここまで来たのにもったいないなあ。 レストランに行く頃にはなんだかさっきまでの雨模様はすっかり回復してしまった。天気ころころ変わりすぎだよ。しかも出かけてないときに限って晴れて来るんだもんな〜。ちょっと性格悪いんじゃないの? テラスはさっきまでの雨でまだ濡れていたが、おかげでうちらの貸しきり状態。そこにテーブルと椅子を引っ張り出してコーヒーとお菓子をならべ、海を眺めながらティータイムにする。う〜ん、優雅だ。 ちあきさんがいたのでログ付けに付き合ってもらい。今日のダイビングを振り返る。ホント生きてて良かった。 暮れ行く海を眺めているうちに今日もコーヒーがいつしかビールに変わり、もうすぐ晩御飯の時間になっていた。 今日の晩御飯はいつもにもまして豪華版だ。チキンと野菜のサテに具入りオムレツ、中華風肉野菜炒め、ハッシュブラウン、そしてちあきさんが作ってくれた自慢の手作りラザニアがドンと置かれる。旦那のマオちゃんはこの味にやられたらしい。確かにめちゃくちゃ美味しくておかわりしてしまった。 それにこの頃からみんなダブダブソースに慣れてきたようだ。たいきも辛いのに平気で食べている。癖になるってウワサは本当だったようだ。 外はいつの間にか雨になっていた、それもかなり激しく降っているようで、わらぶき屋根から雨漏りが始まったが、それもなんか風情があって気分がいい。 シメのデザートのアイスクリームを食べ終わる頃には雨も止み、苦しいお腹を抱えて部屋に戻る。 |