1月16日 嵐の中の出航

 昨夜は夜中に一騒ぎあった。
 寝相の悪いたいきが蚊帳を巻き込んで寝返りを打ったものだから、それを吊っていた紐が切れて、竹のフレームごと蚊帳が落っこってきたのだ。幸い大事には至らなかったが、たいきはフレームにぶつかって痛がっていた。自業自得じゃ。もうちょっとその寝相なんとかせい!お陰でこっちはビックリして飛び起こされちゃったじゃないか。

その時外から雨の音に混じって「チッチッ」と言う甲高い声が聞こえていたのだが、あれはタルシウスの声だったのかな。

  そして夜が明ける。今日は昨日にも増してひどい天気だ。
沖は雨で煙っていて、リーフエッジでは大きな白波が立っていてもう最悪。やっぱこんなんでも出撃するんだよなあ・・・

 パンケーキの朝ご飯たべていると「今日も潜りますよね」とちあきさん。あ、ハイ、やっぱ決行なんだ・・・・

今日は果たして生きて帰ってこれるだろうか。ちょっと心配だけど、まあせっかく来たんだし、潜れるのは今日が最後なんだから頑張るか。

部屋に戻り支度を済ませて、一応「たいきも行く?」と聞いたが、彼はバルコニーで宿題をして待ってるそうだ。えらいけどなんかうらやましいぞ・・・

覚悟を決めてたいきに別れを告げビーチに下りると。船は木の葉のように揺れている。マジやばいんじゃないですか〜?

今日のゲストは昨日来たオージーの若者とうちらだけ。対して潜るスタッフはレイコさんとちあきさん。ジャンレノは今日はお休みするみたい。賢明だね。

 昨日より潮位が高いようで船のあたりは水深が胸位まであり、さらに波が来るので乗り込むだけでも大騒ぎだ。

 そしてボートは荒れ狂う海へ出航したのであった・・・

 とはいえリーフエッジを過ぎてしまえば思っていたほどひどいコンディションでもなく、無事1本目のポイント、昨日と同じティモールに到着。荒れているとここらへんしか潜れる場所がないみたいだ。

 さあ、それじゃ機材を装着してエントリーだ。どうか無事に戻って来れますように・・・

 水中は昨日より浮遊物が多く透明度が悪いうえ、日差しのなさと相まってかなり暗いくて、出来るだけ水面を入れないとほんとに真っ暗な画像になってしまう。

 なんかの調子でクリアに写る事もあるが、大体ストロボを焚くとゴミが写りこんでしまいどうにもならないというワイドには向かないシチュエーションだ。

なのでどうしてもマクロに目が向いてしまう。今日は昨日みたいな事がないようにレイコさんとちあきさんの位置を常に気にしておかなくちゃと思うのだが、つい手元に気がとられてしまうので気をつけなくちゃ。

今日もうウミウシは豊富だった。あまり動かないし派手なので、マクロで撮るには絶好の被写体だ。

この日の綺麗な魚No1は普通だけどニシキヤッコかな。

 今回は特にトラブルもなく流されていったが、後半になるとハウジングのポートの内側が曇りだした。 シリカゲルは入れていいるのだが、湿気を吸収しきれていないみたいだ。本当はエアコンの入った乾燥した環境でハウジングのふたを閉めるべきなのだが、ここじゃそんなの無理だからなあ・・・
画像は当然モヤモヤしちゃって後加工しないと使い物にならない。水の濁りが強くなって来たのも手伝い、まともに撮れない。

 折角レイコさんが綺麗なウルマカサゴを見つけてくれたのに、やっぱりフレアっぽくなってしまう。
後加工じゃ不自然さがぬぐえないなあ。

 エンマゴチも教えてもらったが、保護色と曇りの相乗効果でピントさえまともに合わなくなってきた。

最後にカミソリウオも出たが、ここまで来るともう撮る気もしないが一応シャッターは切ってみた。
しかしほんとに海草のかけらみたいにしか写らないなあ。さすが保護色と言うべきか・・・

こうして出航時の荒れ模様の割りにはこの日一本目は無事終了。レンズは曇ったけど、まあ平和が一番か。

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