日本脱出の夕べ

 そしてついに出発の日がやってきた。

 今日のフライトは夕方の便なので、昼ご飯は家でゆっくりテキサスマック。ジャンクフードもこれで当分お預けだろう。

 その後忘れ物がないように、特に撮影機材は念には念を入れてよくチェックする。アフリカで忘れ物に気づいても絶対取りに帰れないからねえ。

 たいきにもカメラを持ったか確認すると「ちゃんとリュックに入れたと思うよ」とのお返事。
 
 今回はちょっと長めの遠征になるのでしっかり戸締りを確認し家を出る。

 そして相変わらずの大荷物を抱え、上野駅に到着。ホームに下りてみると、うちらが乗るスカイライナーはつい先日新路線開業とともに導入された新型車輌だった!これは写真撮っとかなきゃ、とリュックをひっくり返すたいき。そして・・・「カメラ忘れた〜」

 ぬあんですと〜〜!!あれだけ念を押しといたのに何で忘れてんの!レポートどうすんだよ!ヽ(`Д´)ノといきなり僕はブチキレモード。もうすぐ発車時間だし今から取りに帰るわけにも行かない。もうダメダメダメじゃん!いきなりトラブル発生かよ〜〜〜

 でもまあ忘れてしまったものは仕方がない。遠征中はにゃっちに借りたキスデジを貸してやるしかないか・・・

 気を取り直して車両に乗り込むと、まだ本格的なお盆休み前のせいか広々とした車内はガラガラだった。

 この新型スカイライナー、席のピッチも広くなったし窓も大きくて車内が明るい。荷物置き場も改良されていて、スペースも十分。これならスーツケースを抱えて席に座る羽目になることもなさそうだ。中々いい!

 スピードも速くなったとは聞いていたが、ほんとにあっという間に成田に到着。上野から45分しかかからない。
 座っていけるし満員電車でカメラリュックの上に子供を座らせられることもない(^^;
 これなら羽田が国際線乗り入れになったとしてもアクセスはこっちの方がぜんぜん楽だな。見た目もかっこいいしね!

 今回シンガポールまではANAで行き、その先はエミレーツ航空でドバイ、ナイロビへと飛ぶことになっている。
ちょっと複雑な旅程なので、チェックインする時、荷物がナイロビまでスルーで届く事を確認しておく。

 大荷物を預けてしまい一気に身軽になった。ちょっと時間にも余裕があったので、空港内をぶらぶらしていると、ひーこが「パスポート入れが欲しい!」と言い出し、かばん屋でレスポのポーチをゲット。というか、ここまでまで別に不自由なくパスポート持ってきてたじゃん。明らかに衝動買いだよな。どうもまだプライスレスの影響が残っているようだ(^^;

そのあと出国審査を抜けると、後は出発までの時間をつぶすだけ。

 となるとやっぱりいつものように搭乗ゲートのそばのカフェで出国祝いのビール!これがなくちゃ始まらないのだ。

 2杯目のビールに行こうかどうしようか迷っているうちに、搭乗のアナウンスが流れたので機内へ向かう。

 飛行機に乗るのが大好きだと言う人もいるが、僕は正直何回乗ってあまり好きになれない。

 まずトイレが少ないし(いざと言う時困る!)席も窮屈だし退屈だし、この場所からどこにも逃げられないってのがまた辛い。こういう気持ちがあるためか、飛行機に乗っているときは、時間の経過がやたらゆっくりのような気がする。
これから丸々1日以上の長い移動が始まると思うとウンザリするが、まあアフリカに行くために我慢するしかないか・・・

 そして夕暮れの成田をうちらの乗るANAの777は飛び立った。

 水平飛行に移りシートベルト着用サインが消えると、たいきは夏休みの宿題の読書感想文のための読書を始めた。えらいねえ。 そんなたいきを尻目に僕はさっそくビール!飲み放題は数少ない飛行機の好きなところの一つだな(^^)

 しばらくすると、これもお楽しみの食事タイム。たいきのチャイルドミールはミートボール。大人はステーキメインでオードブルにスモークサーモンもついていたりしてけっこう豪華だ。

 食事も終わり、ふと窓から外を見ると太陽が沈んでゆく所だった。次に太陽を見るのはドバイだな。たいきはお腹も膨れたうえ、なれない読書なんかもして疲れたのか早速熟睡に入ってしまった。

 この便はちゃんとシートモニターもついていたので、アイアンマンUをみたり2012を見たりゲームをしたりして時間を潰すがどれもいまいち集中できない。

 ちなみに今回の旅の供にはPSPのメタルギアソリッド系のを選んだのだが、操作の仕方がよくわからず結局遠征中にはまともにやらずじまい。失敗だった。

 そのかわり、伊集院静香の小説「アフリカの王」が結構いい仕事をしてくれ、機内での退屈を紛らわせつつアフリカ気分を盛り上げてくれた。

 そして長いフライトの末、シンガポールのチャンギ国際空港に到着。ケツが痛い〜
エミレーツに乗り換えるためスカイトレインにのって別のターミナルに移動。

時刻は真夜中なのでターミナルビルの中は人影も少ない。
柔らかそうなソファーがあったので、そこでひとまずおしりを休める。ここで4時間ほどのトランジットタイムだ。長いな。
でもずっと機内に缶詰にされてるよりはこうやってノビノビできたほうがまだマシか。

 しかしここで爆睡しちゃってこの後のエミレーツで寝れなくなるのは辛い。機内での一番の過ごし方はやっぱ睡眠だからね。なので目先の欲望に負けて無防備にうとうとしているひーことたいきをその場に残し、ターミナルをちょっと探険に行ってみた

 するとお店の裏に寝椅子が並んでいるスペースを発見。チャンギにこんな所があったなんて知らなかった。
 幸いまだ3つ空きがあったので、急いで二人を連れて来てさっそく横になる。
 う〜ん、やっぱ寝転がれると背筋まで伸ばせて気持ちいい。でも気を許すと寝てしまいそうだ。たいきはウトウトしながらゲームをしていたが、ひーこはいびきをかいて爆睡モードに入った。たくましいねえ・・・

僕は本を読みつつ睡魔と闘っていると、何処からか聞いた事のある名前を呼ぶ声が・・・
 なんかエミレーツが呼び出しかけてるようだけど、これってもしかしてうちらのことかも!
 すっかり寝入ってたひーこも気づいたようで、英語の上呼んでる名前がちょっと間違っていたにもかかわらず、自分達の事となるとちゃんと聞き取れるもんだねえ、とお互い感心・・・してる場合じゃない!急いで搭乗ゲートに移動するぞ〜

 搭乗ゲートにはすでに乗客がセキュリティーの検査を受けるため並んでいた。いつもながらギリギリだけど、なんとか間に合ってよかったよ〜
 さあ、これから再び8時間のフライトが待っている。頑張らなくちゃ。気が重いけど計画通りまぶたも重くなってきた。

 そして乗り込んだエミレーツの機内は、けっこうサービスがいいと思っていたANAを上回るすばらしさだった。

 オンデマンドのモニターはめちゃくちゃ大きいし、各席にはコンセントまで付いていて、座席のピッチもANAより広いようだ。インテリアも温かみのあるベージュ系で統一されていてとても落ち着いている。
 さすが金持ちのUAEの国営企業なだけのことはあり最新の設備を使っているようで、比べてしまうとANAがぼろく感じてしまうくらいだった。
 

 もう夜中という事もあり、機内の照明もすぐに落とされたが、暗くなると天井に星空が映し出されるようになっていた。
 これならこれからの辛い機内生活も多少快適に過ごせそうだ。

 搭乗がスムーズだったのか、飛行機は予定時間よりすこし早めにチャンギを離陸。遅れる事はよくあるけど早めってのは珍しいよな。

 水平飛行に移り、ちょっとしたつまみを食べビールを2本ほど飲むと「チャンギで寝なかった作戦」が功を奏しすぐに意識がなくなる。


 しかしいくら快適そうだとはいえエコノミーな事には変わりない。
やはり窮屈で寝苦しいシートの中でうなされながらもなんとか眠り続け、目が覚めたときには窓の下にドバイの町の灯が広がっていた。いよいよアジア脱出だ。

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