バリンゴはカワセミ天国

 昼ごはんを終えてお腹もいっぱい、いい気分で部屋に戻る途中ちょっと湖畔の桟橋に寄ってみると、
立ち枯れの木にヒメヤマセミのペアが止まっていた。こんなシーン、昨日までなら確実にパニクっていただろう。

でもここにもヒメヤマセミはうじゃうじゃいてそこらじゅうでホバっているのだ。

そのまま水際を部屋の方へ歩いていくと。湖畔の木にクロオウチュウ(Fork-taled Drongo)が止まっているのを発見。
さらに水際にはアフリカレンカク(African Jacana)の姿も見える。これはくちばしが青くないから幼鳥のようだ。

コツコツいう音に振り返るとクロヒゲゲラ(Bearded Woodpecker)が木をつついていた。

 部屋の前あたりまで来た時、「チチ〜」という声とともにカンムリカワセミが飛んできた!ええ〜!こんなとこに!

 こうしちゃいられない!慌てて部屋に戻ると、ロクヨン幕4のフル装備で岸辺に取って返した。

 しかし戻った湖畔には既にカンムリカワセミの姿は何処にもなく、そこには静かに波が押し寄せるバリンゴ湖が広がっているばかり。チ〜の一声も全然聞こえない・・・まあお約束どおりってやつだな。

 がっくりしながらもカンムリカワセミの姿を求め岸辺を敷地のはずれに向かって歩いていくと、視界の端にあやしい動きを捉えた。今木の中に飛び込んだ影のあの動き、大型のショウビンっぽくないか!?

 なんだろう、もしかしてすっごく撮りたいセネガルショウビンだったらどうしよう・・・でもこんな水際にはいないよな・・・ とドキドキしながら影の飛び込んだあたりにこっそり近づく。

 そして木の枝の隙間から覗き込むと、そこにいたのは・・・おおおおお〜〜〜マジでセネガルショウビン(Woodland Kingfisher)だ!!!
 心臓バクバクになりながらファインダーに入れてシャッターを切る。よっしゃ、一応証拠写真ゲット!

 しかしこちらに気づいたセネガルショウビンはそのまま飛んでいってしまった。
まあいいや、まさかここのセネガルショウビンは想定外だったからすっごい得した気分だ。

 そのあとセネガルショウビンの飛び去った方へいってみると、ヒメハチクイ(Little-green Bee-eater)を発見。
思い起こせば前回のアフリカでこの鳥を撮ったのも、鳥撮り熱再燃の一因だったよな。
 このヒメハチクイ、東南アジアで見かけるハチクイ類よりもかなり小さくてかわいらしい。

 あとは何もいなかったので再び湖畔に戻る途中、またセネガルショウビン発見。さっきと同じ奴か?
しかし今度のは全然こっちを気にしないのでファインダーいっぱいまで近寄る事ができた。ファインダーの中で風切羽のターコイズブルーが光り輝いて見える。なんて綺麗なんだろう・・・ドキドキしながらシャッターを切った。幸せだ〜

 時計を見るともうすぐアンドリューとの待ち合わせに時間だ。
 セネガルショウビンをしっかり撮影する事ができ、満ち足りた気分でレストランへ向かう途中、庭の木の中に赤褐色の小鳥を姿を見つけた、あのすばやい動き、もしかしてサンコウチョウ?
 小鳥の動きを眼で追いながらなんとかファインダーに入れて確認すると、やっぱりアフリカサンコウチョウ(African Paradice Flycatcher)だった。しかしサンコウチョウってのは場所が変わってもめっちゃ撮りにくい鳥だよなあ。

 いかんいかん、こんなとこで時間を食ってたので待ち合わせに遅れそうだ。サンコウチョウはそこそこで切り上げ、慌ててレストラン脇のロビーに行ったがアンドリューはまだ来てなかった。意外と時間にルーズなのかな。まあいいや、ちょっとプールの様子でも見てこよう。

 プールではたいきが張り切って遊んでいた、ひーこの話だと水が凄く冷たいらしいが、まあたいきは蓄えがあるから問題ないだろう。それじゃゆっくり遊んでてね。

 ロビーに戻るとアンドリューが来ていたが、僕が遅刻したんじゃないからね。
 それじゃそこらへんを見て回ろうか、ということで湖畔に向かう。するといきなりカンムリカワセミが登場。わりと近い枝に止まってくれた!しかもちょっと冠を立てかけている!。アンドリュー、あんた意外と引きが強いんじゃない?

 しかしなんかいまいちきちっと撮れないんだよなあ。なんでだろ?もしかしてこの強い日差しで陽炎が出てるのかも

 このあともカンムリカワセミは結構頻繁に出てきてくれたので、無謀にもトビモノとかにもチャレンジしたりしてみる(^^;
アンドリューが何処に飛んで行ったかフォローしてくれるので、ファインダーに集中できて心強い。

 しかしこのカンムリカワセミ、行動とか鳴き声とか、色意外は日本のカワセミにそっくりだな。

しかしその背中の色はまぶしいくらいのウルトラマリンブルーだ。

 いまいちきっちりしたのが撮れないが、アンドリューは「明日のボートサファリでもっと近くで撮れるよ」と言っていた。

 ところでカンムリカワセミは結構いるみたいだけど、ヒメショウビンはどうなの?と聞くと、こちらはどうもしゃっきりしない。明日のボートで運がよければ見れるかも・・・位な感じだ。まあ最初から見れるかもリストには入ってなかったからいいけどね。

 このバリンゴ湖、これだけカンムリカワセミがいるんだからヒメヤマセミも当然わんさといる。そこらじゅうでホバっているのでなんだか最近コアジサシでも撮るような気分でほとんどありがたみがなくなってきていた。
それでも一応カワセミ系のホバ、見るとシャッターを押さずにはおれないのはカワセミ好きの悲しい性だ・・・

 このあと偵察に行っていたアンドリューが「セネガルショウビンがいる!」と大興奮で教えてくれた。わかってるよ、さっき撮ったもん、と内心余裕で思いながらもアンドリューについていくと、なんとそこには2羽並びのセネガルショウビンが!慌てて撮ったが逆光でボロボロ。

 しかしここから飛び込み餌を捕った一羽が魚を咥えたまますぐそばに飛んできてきれた。ティラピアのようだがでかすぎで中々飲み込めないらしく、捕られた魚も捕ったセネガルショウビンも、お互いに目を白黒させていた(^^)。

 しかしカンムリカワセミといいセネガルショウビンといい、ここはカワセミ類に恵まれているなあ。これならもしかしてヒメショウビンも夢じゃないかも!?

 そうこうしているうちに時刻はもう6時過ぎ。そろそろアンドリューとの鳥撮り時間は終わりだ。最後にもう一度湖畔まで行ってみると、水没している木の枝にカンムリカワセミの若鳥と思われる、羽の色がまだらになった個体がやってきた。カワセミの背中のパライバ色がウルトラトラマリンブルーの中にちりばめられていてこれもまた綺麗だった。

 それじゃ明日のボートサファリはロビーに9時集合という約束をして、アンドリューとはここで別れる。
 暑い中、鳥を追いかけて歩き回ったので汗だくの喉からからだ。
 遠くの湖面でホバっているヒメヤマセミを撮ったら、ビールを飲みに部屋に戻ろう。

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