名残を惜しんで湖畔で朝撮り
 バリンゴ湖最後の朝が来た。カンムリカワセミを思いっきり撮れるのもこれが最後のチャンスかも知れない。気合を入れていこう。昨日に引き続きまだ薄暗いうちに部屋を出る。

 部屋の前ですれ違った中国人のオバサンからから〇X△XX〇・・・と中国語で話しかけられ、「Good morning!」と答えると、オバサンは逃げるようにどこかに行ってしまった。集団だとやかましいけど、一人になるとおとなしいようだ。

 昨夜は中国人集団がやかましくてきっとカバも出てこれなかっただろうと思うと、今朝は安心して湖畔に近づける。
 実際カバの気配もないようだ。 まだ誰もいない静かな湖畔に出ると、東の空が明るくなりはじめた。

 眺める空の色は刻一刻と変わって行き、やがて朝焼けに色づき始めた。

 その色を映し赤く染まった水面には波紋で縞模様ができる。

 そんな中、ハタダトキが飛んできた。

 沖の枯れ木ではヒメヤマセミが餌をとっている。鳥達も本格的に活動を始めたようだ。

パピルスに止まったカンムリカワセミのシルエットが赤い水面に浮かび上がる。

そして朝日顔を出した。

 とともに周りが騒がしくなってきたぞ〜、昨日の中国人ジジババ集団だよ。
恐る恐る振り返ると20人ほどの鳥撮り集団がわいわい騒ぎながら少しづつこっちに近づいてきていた。
これでもう静かな朝の鳥撮りタイムは終わったな・・・orz

しかし向こうもこっちが目障りなのか、すぐに桟橋の方に移動してくれて一安心。

するとすぐにカンムリカワセミがやってきてくれた。しかも餌を採ると魚の頭を前にして給餌体勢、やる気満々だ。

 そしてこちらからは見えないパピルスの奥へ飛んでいくと、そこから「チチチチチ〜チ〜」と、明らかにに給餌していると思われる声が聞こえてきた。これは給餌を取れるチャンスかも。ここでしばらく粘って見ることにしよう。

 期待を裏切る事なく、カンムリカワセミは5分おきくらいにチーチー鳴きながらやってくる。

 時折メスも近くにやってくるようで、オスが餌を咥えて怪しい動きを見せることもしばしば。
何度か葉っぱの影で給餌もしているっぽい。頼むから見えるところでやっておくれ〜

そしてついにそのチャンスがやってきた。オスに続いて近くにメスも飛んできたと思うといきなり給餌だ!
でも手前に葉っぱが〜〜〜(泣)でもこの位置はどっちにずれても葉っぱが邪魔をする。まあ撮れただけでもいいか。

 ここで興奮して連射音を響かせすぎたのか、しばらくすると例の中国人ジジババ集団が戻ってきて、僕の後ろで止まってしまった。う〜、プレッシャー感じるなあ・・・さいわいカンムリカワセミはどこかに行ってしまったのであまり撮るものもないと思うのだが、ここでロクヨンを構えているのが気になるのか。集団は動こうとしない。なんか脂汗が出てきたぞ・・・

 最初は僕の後ろ2mほどのところで止まっていた集団だが、そのうち一人の爺さんがそーっと前に出てきて僕の横に並んだ。それに続いて全体のラインも上がってくる。
  いるのは遠くのアカシアに止まったヒメヤマセミぐらい。爺さん達はそれを撮りはじめた。ヒメヤマセミだったらわざわざここで撮らなくてもよそに幾らでもいるじゃんか!

 ここでカンムリカワセミが出てきたらアウトだなあ、と心配したが、カンムリちゃんもわかってくれているようでしばらく鳴りを潜めていてくれた。おかげで中国人たちも飽きてきて、やっと他所に移動して行ってくれた。よかったよ〜

 このジジババ達が去ったあと、一人だけ集団から浮いているEOS30Dに100−400を付けたおばさんが残った。
 添乗の人かな?目が合ってしまったので一応挨拶すると「うるさくてごめんなさいね」と流暢な英語で謝ってきた。なんだ、いいとこあるじゃん。

 聞くとこのグループは台湾の人たちだそうだ。台湾でもバードウォッチングが盛んで、とてもいい所だから一度来てくださいね、なんて言われちゃうと、今まで迷惑がっていた自分がちょっと恥ずかしくなってしまった。

 予定を聞くと、明日ナクルに行って、そのあとマサイマラに行くそうだ。となるとまたマサイマラであの集団に会っちゃうかもな。

 おばさんとしゃべりながらしばらく待っているとカンムリカワセミが戻ってきてくれた。かなり近いけど手前のパピルスがまたまた邪魔なんだよなあ・・・でもどこに動いても葉っぱかぶりがとれないのであきらめてそのまま撮影。

 これで台湾おばさんは満足したようで、それじゃ、と言って、桟橋あたりにたむろっている集団の方へ去っていった。
 しばらくすると台湾グループは朝ごはんを食べに行ってしまったようで、湖畔には再び静けさが戻ってきた。

 そのあともカンムリカワセミは頻繁に出てきてくれて、そのたびに「これが最後のチャンスかも」と思いながら気合を入れて撮り続ける。

 時折かなり近くに止まってくれる事もあるカンムリカワセミ。その輝くようなコバルトブルーをしっかりと目に焼き付けておかなくちゃ。

しまいには近くの枝で羽繕いを始めたので、そろそろこっちになれてきてくれたのかな、と期待したのだが、
カンムリカワセミはこれを最後にどこかに飛んで行ってしまい、以降はすっかり姿を見せなくなった。

 どうやら至福の時間は終わってしまったようだ。まだ今ひとつ納得の行くのが撮れていないのだが、
まあ時間も時間だししょうがない。あきらめてここらへんで切り上げるとするか。
最後に水際を歩くキアシシギを撮ってから、後ろ髪を引かれつつ湖畔を後にした。

部屋の前には相変わらず警戒心の少ないフタスジヤブコマドリがいたのでドアップで撮影。

最後にアカハラに似たオリーブツグミ(Olive thrush)を撮って3日間に及ぶバリンゴ湖での鳥撮りは終了した。

これから先は鳥より動物中心のサファリが始まる。ひーことたいきにとってはこれからが本番だ。
確かにアフリカまで来たってのに、動物はキリンとシマウマとカバくらいしか見てないもんねえ(^^;

それじゃ朝ご飯を食べに行って、それから荷物の片づけをしなくっちゃ。

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