観光マサイとヤツガシラ

 
幸せな昼ごはんのあと、たいきとひーこはプールに行くそうなので、一足先に部屋に戻って支度をするというので、
僕は一人は腹ごなしに鳥でも探しながら庭を散歩していく事にした。

 レストランから出たところには餌台があり、セイキムクドリ(Blue-eared GrossyStarling)が群れていた。太陽の光がメタリックブルーの羽に反射してとってもきれいだ。思えばこの鳥、この時しか撮らなかったんだよな。もっとちゃんと撮っておけばよかった。

 庭に下りると植え込みの間をヒタキっぽい鳥が飛びまわっていた。尾羽を振るその姿はジョウビタキっぽくて目の周りの白さが目立つ。あとで調べたらメジロハイビタキ(White-eyed Slaty Flycatcher)と言う鳥だった。

 庭では庭師が植木の手入れをしていたが、その近くの芝の上を茶色っぽい鳥の群れが歩いていた。あっ!アレはヤツガシラ(Hoopoe)じゃないか!まさかアフリカで始めてお目にかかるとは・・・しかも1羽じゃなくてムクドリのように数羽の群れで餌をついばんでいた。

 これはもうちょっとしっかり撮りたいと思い、急いでロクヨンを取りに部屋へ向かったが、部屋にはカギがかかっている。
カギを持ってるのはひーこだ。きっともうプールにいっちゃったんだろう。

 急いでプールに向かっていると、その途中、ホロホロチョウ(Helmeted Guineafowl)の群れを見かけた。これも今回はじめて見る鳥だ。
子供の頃よく行っていた温泉旅館の庭で放し飼いにされていたけど、状況的にはあれと大して変わらないな(^^;

プールではたいきが水泳中。そしてプールサイドではひーこが本を読みながら寛いでいた。

 カギをもらって部屋に戻り、ロクヨンを持って取って返すと、さっきまで芝生の上にいたヤツガシラの姿は無かった。
 どこに行ったんだろうと思い周りを見渡すと、アカシアの木の上にヤツガシラの姿を発見。どうやら庭師に驚いて避難したらしい。止まっている場所がかなり高い所なので見上げになってしまうのが残念だ。
さっきみたいに芝生に下りてきてくれると良いんだけど・・・

よく見ると周りの木にも何羽か止まっていた。さっきの群れがそのまま木に上がったようだ。

 ヤツガシラを撮っていると、ホテルのほうからマサイの格好をした若者が降りてきた。
 マサイはなんとなく怖いイメージがあったが、かれはまだ若くとてもフレンドリーな雰囲気だ。

 身体に巻いた布の上から双眼鏡を下げている。彼はバードウォッチャーマサイなのか?
 「何を撮ってるの?」と聞くので「ホーピーだよ。でも木の上のほうに居ていまいちだ。君はバードウォッチングをするの?」と言うと、「大好きなんだ、それじゃ僕がガイドしてあげるよ」と言って、自分はすごく目が良いから遠くの鳥を見つけられるし、この庭にも詳しくと、どこにどんな種類の鳥がいるか話し始めた。そして「ガイド料は1時間10$だよ」という。こいつも「Something野郎」か・・・

 そんな時間もないし、実際現金の持ち合わせも無いから、と断ると、「それじゃ別にいいや、一緒にバードウォッチングしよう」と言う。実はいいやつなのかな??

 ふたりで話をしながら地面に降りているヤツガシラを探すが、こちらに気付いたヤツガシラは地面に降りるどころかどんどん遠くの木に飛んでいってしまい、しまいには一羽もいなくなってしまった。

 マサイくんはここでガイドの仕事をしたり、庭の手入れを手伝ったりしているので鳥に詳しくなったそうだ。
師匠は鳥の図鑑を書いている人なんだよ、と自慢げだったが、そのわりに結局見つけられたのはクロオウチュウくらい(^^;まあこれもご愛嬌ってやつか。

 そんな風に鳥を探しながら打ち解けてくると「Something野郎」なんて思った事を反省してしまう。

 ホテルの棟近くまで帰ってくると「あの藪の中にはいつもコルドンブルーがいるんだよ」とマサイくんが教えてくれる。
確かに奥のほうで何かが動いている。レンズを構えて待っていると、綺麗なアオに真っ赤なほっぺたのセイキチョウ(Red-cheaked Cordon-Blue)が飛び出して、よく見える枝に止まってくれた!

 図鑑で見た時はスズメくらいの鳥なのかと思っていたが、実物はすんごく小さい。ほんの5cmくらいじゃないだろうか。その色と相まってすごくかわいい鳥だった。マサイくん、教えてくれてありがとう!

 結局20分ほど鳥撮りをしただろうか。
 そろそろ夕方のサファリの時間も迫ってきたので、ここでマサイくんに別れを告げる。
ポケットに3$だけ入っていたので、今これしかもっていなくて少なくて悪いけど取って置いて、ありがとうね。とマサイくんに渡すと撮っても喜んでくれた。仲良くなれてよかったよ。

 そうだ、それじゃ仲良くなった証に最後に一緒に写真を撮ろうよ!というと「写真は10$ね」・・・・・

 あ、っそ( ̄∩ ̄# じゃあいいわ!バイバイ!

 とブチキレ気味で帰ろうとすると、マサイくんは「ウソウソ、そんなのいらないって〜」とか言って追いすがってきたがもう知らん!このSomething野郎!まったくどいつもこいつも金金金!ったく腹立つわ〜

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