サバンナの真ん中で車が壊れる
 
 シャンパンブレックファーストが終わるとオランダ一家に別れを告げ、ホテルへ送ってくれるランドローバーに乗り込む。
今度はORAT家の貸切だ。まあ3人で1350$も払ってんだからこれくらいしてもらわないとねえ。

 今までワンボックスのサファリカーばかり乗ってきたので、ランドローバーは新鮮だ。ドライバーはこのバルーンサファリの会社専属の人で、中々親切そうな人だった。ゲームドライブをしながら帰ってくれるというので楽しみだ。

 まず出会ったのはカタジロハゲワシの群れ。なにかの屍骸に集まっている。

 さらに行くと草原にチーターの姿が見えた!良く見ると足元に小さな動くものが・・・チーターの赤ちゃんだ!
子猫くらいの大きさで親チーターにじゃれ付いている。かわいいなあ。
親子チーターが見れるなんて、バルーンサファリのおまけには勿体無いくらいだね。

キリンの群れも現れた。今回見る一番の大群だ。

キリンの群れなんて、動物園じゃ絶対見れない野生の姿なんだから、
たいきもしっかりと目に焼き付けておいて欲しいんだけど・・・・判ってないかなあ。

そしてついに遭遇できたゾウの群れ!小象を守るようにして、しずしずと草原を歩いてゆく。

先頭を行くのがボスだろうか、その耳の大きさはアジアゾウとは比べ物にならないくらい巨大で尖がっている。
身体も大きくて凄い迫力。正面顔を撮りたくて、ドライバーに前へ回り込んでもらった。

するとボスゾウが小象をガードする位置で立ち止まり、こっちを向いて耳をパタパタさせ始めた。
ドライバーは「大きな音を立てないでしずかにして!怒っているよ・・・」という。なんかやぱそう・・・

幸いしばらくそうしていただけでゾウは再び草を食みはじめ、そのままゆっくりと遠ざかっていったが、
たいきはかなりびびったらしい。そのあとしばらくは動物を見るたびに「静かにしてないとやばいよね」と言っていた。

しかし気球からだとほとんど動物の姿が見えなかったのに、みんなどこに隠れていたんだろうね・・・

さあ、ゾウも見れたことだしそれじゃ宿に戻るとするか。

のんびりと草原に佇むヌーやシマウマを眺めながら走っていると、サファリカーが大量に集まっているのを発見!
あれはなんかいるに違いないということで、予定を変更して道をそれ、そちらの方に向かう。

そしてたどり着いたサファリカーの群れに中にいたのはオスのライオン!
野生動物との距離は最低何メートル取らなきゃいけないってルールがあったと思うのだが、
みんなこんなに近寄っちゃっていいの?なんかライオンがその気になれば噛まれちゃうような距離だよ。

 するとやっぱり近づきすぎたサファリカーがカンに触ったようで、
雄ライオンは一声「
ワオ〜」と地響きのするような吠え声を上げて
近くの車をにらみつけた。さすが百獣の王、それだけですくみ上がってしまいそうなすごい迫力だ。
たいきも再びびびっている。

そのあと雄ライオンは悠々とサファリカーの間を抜けて車の輪の外に出て行った。

すると雄ライオンが向かった先のブッシュの中からムクリとメスライオンが顔を出した。こんな所に隠れていたんだ。

しばらく見詰め合った2頭のライオンは、そのあと雄ライオンがメスライオンのオシリを追いかけて、
しつこいようだがまさにまんまオシリを追いかけて(^^;草むらの中に消えていった。

うちらも昼ご飯の時間にあまり遅れるとまずいので、ライオンポイントを後にして再び帰路に着く。

とはいえ今日はなんだかとっても動物の出がいいので中々先に進めない。
昨日のイブニングサファリとはエライ違いだ。やっぱりここに住んでいるドライバーはポイントをよく知ってるのかな。

陽炎の向こうには、オスのダチョウの姿が見えた。

ヌーもいい感じで佇んでいる。のどかな昼下がりのサバンナの風景だ。

と、快適なサファリドライブを楽しんでいると、「ガンッ」と言う音と供に突然車が止まってしまった。なんだなんだ?

ドライバーは「No problem」と言いながら何度もセルを回すがエンジンがかからない。
やば、車が壊れたか?たしかにこの車、ランドローバーとはいえかなりボロだったもんな。

 ドライバー車から降りてボンネットをあけると、バッテリーのせいなんじゃないかと端子を掃除したり水を補充したりしていたが、あの感じはバッテリーじゃないだろう。どこかの棒が折れたか曲がったか、そんな衝撃があったもんな。

散々いじくりまわしていたが、結局自力ではどうにもならかったようなので、
無線で救援を呼びこの場で待つことになった。うひゃ〜 これはプチ遭難か〜!?

 まあじたばたしててもしょうがない。それにこんな場所で時間をもてあますなんて経験中々できるもんじゃないんだから、天気もいいことだし、せいぜいのんびりさせてもらおうか。それにしても広いなあ、アフリカは

 車の屋根に上ってみると、見晴らしがよくてとっても気持ちいい。
日差しは強いけれど、常に涼しい風が吹いているのでそれほど暑さも感じない。

見上げると上空をセスナが飛んでいく。

周りには草食動物の群れが散らばっていて、平和な世界が広がっていた

こうやってエンジンを止めて動物の群れの中に身をおいていると、自分も自然の一部になった気がしてくる。
動物達もこちらを異物として警戒しなくなるのか、結構近くまで近づいて来てくれるのもいて嬉しくなる。

まあそれも相手が草食動物だからであって、ハイエナなんかに近づいてこられるとあまり良い気分はしない(^^;

 そして30分くらい経ったころ、救援のランドローバーがやってきた。

 助けに来てくれたスタッフは最初バッテリーを直結してエンジンをかけようと試みていたが、やはりダメだったようで、結局僕らは救援車に乗りホテルまで送ってもらう事になった。

 今日楽しい思いをさせてくれたドライバーは修理用の部品が来るまで故障車と一緒にここに置き去りにされるみたいだ。どうかハイエナの餌食になりませんように・・・

そして救援車で10分ほど走るとマラシンバロッジのゲートが見えてきた。
なんだかちょっとだけ「生還」した気分だ。

シャンパンブレックファーストも大分こなれたので、そのままレストランに直行しランチにする。

たいした遭難でもなかったけど、やっぱり生還後のビールはたまらないなあ。ウンメ〜〜っ!何杯でもいけそうだ(^^)

カレーにパスタと炭水化物もいっぱい摂取。

お腹もいっぱいで幸せだ〜

今日はこのあと4時からまたイブニングサファリだ。
それまではまだ大分時間があるのでそこら辺で鳥撮りでもしようかな。

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