ロッジへ帰ろう

 
 帰路に着き草原の中をしばらく行くとヌーの大群に出会った。ヌーはマサイマラの中で一番個体数の多い大型哺乳類だと思う。そして一番いっぱい捕食されている草食動物だろう。しかしここに一体何頭いるのだろうか。
これだけの数の動物を養っていけるマサイマラの大地の力はすごいものだ。

 ムーの群れを眺めながら走っていると、またクリークがあらわれた。

 ここでアンドリューは再び道をそれ、草むらに車を突っ込んだ。今度はなんだ?もしかしてついにヒメショウビン!?
 と思ったら今度もまたメスライオン。もはや珍しくもなんともなくなってしまったが、その保護色には驚かされる。

 アンドリューよくこんな所にいるのがわかるよな。しかしライオンもライオンで、よくこんな小さな木陰を見つけたもんだ。
それじゃサワサワ〜トゥウェンディ

   クリークを過ぎるとその先にはただひたすら大草原が広がっていた。

 たいきと一緒に車のルーフから顔を出し、風に吹かれながら走り続ける。それを後ろから眺めるひーこ、
家族でこんな時間を共有できるのはとっても幸せだ。たいきはあと何年くらい付き合ってくれるだろうね。

 そのうち疲れたたいきが脱落。シートに座りこんだ。
朝ロッジを出てから移動中ずっと立っていたんだからそりゃ疲れるわな。
そういやこのアフリカ遠征でずいぶん日焼けしたなあ。

 暑くて喉もからからだ。サバンナは乾燥しているからか、なおさら喉が乾く気がする。でもペットボトルに残った水はあとわずか。大事に飲まないと・・・そう思うとなんか僕も疲れてきた。

 シートに座り見上げると、天井の向こうにアフリカの空が広がっていた。

 そのまま車の揺れに身を任せボーっとしていたらいつの間にか寝入ってしまっていたようで、気がついたときにはもうロッジ近くの見覚えのある場所だった。

 道端の看板の上にはタヒバリの仲間が止まっている。

 メインロードからロッジへの道に入ると、ミミヒダハゲワシがわりと近いところに止まっていた。近くで見ると、鼻のでっかい酔っ払いのおじさんみたいな顔をしてる。きっと根はいいやつなんだろう。

 その先では再びさっき見たっぽい猛禽に遭遇。アンドリューに「嘴の端が目よりこっちに来てるからアレだね」とできのいい生徒風かつ曖昧に逆質問すると、彼は満足そうにうなづいていた。なんだろ?ソウゲンワシ(tawny eagle)かな?

 そのあとライラックニシブッポウソウも出てきてくれた。今度こそ本当にこれが最後の撮影のチャンスだろう。

 気合を入れて撮影していると、向こうからやってきたサファリカーが、何かいるのかと思ったんだろう、並んで止まった。

 乗っていた欧米人の団体にライラックニシブッポウソウの居場所を教えてあげるが、彼らはそれよりロクヨンのほうに興味があるようで「Oh bazooka!」と大騒ぎしてた。
 でっかく撮れるのか?重たいか?いくらするんだ?と質問攻めに会い、あげくのはてには写真を撮りたいからロクヨンを構えてポーズを取ってくれ、と言う。う〜照れくさいなあ・・・

 でもまあ旅の恥はかき捨てってヤツだ。と言う事で、カメラマンを装ってポーズをとってみた(爆)
 きっと今頃世界のどこかのハードディスクの肥やしになってるか、それともとっとと削除されちゃったかな(^^;

 こうして最後のゲームドライブもあとちょっとでロッジと言う所まで来てしまった。

 遠くを歩くキリンの家族の向こうには黒い雲が湧き上がってきていた。これは一雨来るかもしれないな。

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