サバンナの雨

 
午後4時前、ロッジに戻るとこれで今回のゲームドライブは全て終了。開放されたような寂しいような複雑な気分だ。

このまま部屋に戻る気にもなれなかったしノドも渇いていたので、機材を持ったままバーコーナーへ行き、川沿いの席に座ってタスカーを注文。ピクニックサファリで乾ききっていたのでまたもやビールが美味すぎる〜〜!

 一杯飲んでほっとしていると、隣のテーブルにいた外国人グループが話しかけてきた。みんなはスペイン人だそうで、これからイブニングサファリに行くのでそれまでここで時間をつぶしているそうだ。
 やっぱりロクヨンに興味があるらしく、今日撮った画像が見たいと言うのでカメラを持っていって画像を見てもらう。

 スペインチームにシグマの望遠ズーム着きキスデジの若者がいて「僕のレンズはこんな小さいよ」と肩をすくめていたので「試してみる?」といって三脚にロクヨンをセット。それに彼のキスデジをつけて、河原にいたアフリカハゲコウをモデルに試写会をやった。彼は「ずっごく大きく撮れたよ!」と喜んでいたが、アフリカハゲコウはアップで撮っちゃうと気持ち悪さ倍増だな。世の中こんな鳥ばかりだったらきっと鳥撮りなんてしてないだろう。

そのうちイブニングサファリの集合時間が近づいてきたたようで、バーの中は出かけるお客さんで急に混みだした。
スペインチームもドライバーが迎えにきたそうで、「じゃあまた〜」と手を振りながらみんな出かけていった。

そんないっときが過ぎイブニングサファリのお客さんがみんな出かけてしまうと、バーにはうちら以外誰もいなくなった。
それじゃもう一杯ゆっくり飲もうかね。

というわけでタスカーを注文し、今日たいきが撮った画像を一緒にチェック。なかなか良く取れてるねえ。

しばらくするとあたりが急に暗くなってきた。そして突然の雨・・・

今回の遠征中初めての雨だ。この一週間、お天気は良く持ってくれたよな。

いつものバンク下のカバも雨が嬉しいのか今日は露出度多めだ。

これじゃ機材を持って部屋に戻るのは無理だ。こうなったら腰を落ち着けて飲むしかないか。
と言うわけでタスカーからジントニックに切り替えて再び乾杯。

スタッフが気を利かせておつまみも持ってきてくれた。これで安心して飲めるよ(^^)

このテラスで雨音を聞きながら潤っていく景色を眺めているのは中々いい気分だ。

そのうち雨はどんどん激しさをましてゆき、バケツをひっくり返したような豪雨になった。
屋根から流れ落ちる水も滝のようだ。

外も雨で煙っている。さっきイブニングサファリに出かけていった人たちはどうしているんだろう。
雨の中でしか見られない光景というのもまたあるのだろうけど、やっぱりゲームドライブで雨は辛いよな・・・

一昨日マングースがじゃれあっていた床下は川になっていた。いやほんとすごい降りだねえ。まさにスコールだ。

降り始めからどれくらい経ったろう、雨は突然止んだ。それを待っていたかのように対岸の木にシュモクドリがやってきた。僕は雨が止んだのを記念してもう一杯ジントニックをお代わりする。

そして川の向こうに、夕日が顔を出してくれた。
雲と水蒸気でにじんだ、あんまりはっきりしない夕日だったけど、
今回のアフリカ遠征最後の夕方にちゃんと夕日が見られて嬉しかった。

あたりが暗くなり始めた頃、やっと部屋に戻りシャワーを浴びる。今日は汗をいっぱいかいたから、
流れてくるシャワーのお湯がちょっとしょっぱいかも。

そしてすっきりした所でちょっと早めにレストランへ向かうと、
イブニングサファリに行った人たちはまだ部屋で一服しているのだろう、かなり空いていた。
今日は晩御飯もゆっくり食べよう。いつものボーイさんにタスカーを注文し、スープが運ばれてくるのを待つ。

 今日のビュッフェにはなかなか美味しいものがそろっていた。
でも米好きのたいきはアフリカ滞在中、一度も満足のいく米が食べられなかったそうだ。
せっかく持ってきたフリカケも、アフリカ米には合わないそうでほとんど食べる事がなかった。
でもそのおかげかちょっと痩せたかもね。それにずいぶん日に焼けたねえ・・・
なんて話をしながらお腹一杯たっぷり頂いた。

そして食後、お持ち帰り用のタスカーを持ってきてくれたいつものボーイさんに4日分のチップを渡し、
明日帰るからどうもありがとうね、と伝えて部屋に戻った。

明日は再びナイロビまでのロングドライブ、そのあとは20時間の空の旅が待っている。それを考えると憂鬱だなあ。
ベッドで足を伸ばして眠れるのもこれが最後。せいぜいノビノビさせてもらおう。

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