ひさしぶりのアジア圏


僕は眠気を醒ますため、本を読んだり散歩をしたりして気を紛らわす。
そしてやっとシンガポール行きの便の搭乗案内がはじまった。

時差があるので今の時間をいまいち把握できていないが、
ケニヤを出てからの時間で考えるとすでに夜中の1時を回っているだろう。

 機内に入ると周りの席はシンガポールで開かれるジュニアオリンピックに出場する女子ハンドボールウクライナ代表の選手団に囲まれていた。みんな高校生くらいなのではしゃいでうるさいんじゃないかと心配したが、ふたを開けてみるととてもマナーが良くて、とってもしっかりしていた。国を代表しているという意識があるんだろうか。とにかくエライ!

離陸後、ビールを3本ほど飲んで、この勢いで寝てしまうことにするが、やっぱり熟睡と言うわけには行かない。
狭い座席に押し込まれ寝苦しい夜を、ウツラウツラしながらなんとかやり過ごす。

長い夜があけると機内には照明がともり、半ば強制的に起こされた。ねむいし体中が痛いよ。オケツも痛い。
朝食が出されたけれどあまり食欲はなく、あとはたいきと一緒にテトリス対戦をやって時間を潰した。

そして飛行機はやっとのことでチャンギ国際空港に着陸。は〜〜、なんか来る時よりずっと遠かった気がするなあ。

しかし機内からターミナルに出ると気分は一転、そこにはアフリカとは違う、どこか柔らか味のある光があふれていた。
 

周りにいる人々は当然ながらアジア人が多い.
いままで黒人やアラブ人が過半数を占めていた世界から、東洋人が多数派の世界に戻ってくるとやっぱりほっとする。
それにもうしばらく飛行機に乗らなくてもいいと思うとさらにほっとする。
そんな事が重なってか、気分もなんだかウキウキしてくる。

イミグレーションを無事通過し、空港を出るとそこはシンガポール!
チャンギ国際空港には一昨年も来ているが、あの時はトランジットだけだったので、
シンガポールに入国するのは新婚旅行の時の、やはりアフリカの帰りに寄った時以来10年ぶり。
さらにその時は朝入国して夜の便で帰国したのでちゃんと泊まるのは初めてだ。

空港の外にはアフリカともドバイとも質の違う、根っから明るい熱帯の日差しがあふれていた。
やっぱこれだよ。この光!そして咲き乱れる極彩色の花!さらにこのまとわり着くような熱気と湿気。
東南アジア、ほんといいよなあ、大好きだなあ・・・

タクシーに乗り込み、ホテルに向かうと、道は綺麗に整備され、穴ひとつ開いていないのに感動する。
ハイウェイ沿いには海岸沿いの公園が広がっていた。うわぁ、海だ!南国の海だ!いいなあ♪
いかんせんアフリカは乾きすぎていた。やっぱり人生には潤いが必要なのだ。

 シンガポール人の英語はシングリッシュと言ってわかりづらいというが、多少巻き舌で早口なものの、アンドリューのマサイングリッシュに比べればはるかに分かりやすい。

 タクシーの運転手さんがおしゃべり好きなひとで、東洋人の口から出てくる英語にまたまたほっとしてしまい、色々おしゃべりをしながらホテルに向かう。海沿いは開発真っ最中の所が多く活気にあふれている。
 途中見かけたこの大きな建物も最近出来たばかりのホテルで、3つの棟をまたぐようにして、屋上に空中庭園があるから絶対行ってみた方がいいよ、と教えてくれた。

 シンガポールの人たちは自分の国に誇りを持っているようで、ここはセキュリティーがしっかりしているから犯罪もなく、この国は夜中に女性が一人で歩いていても全然問題がないくらい安全だということを力説していた。
 すぐそこがマレーシアだよね、というと、マレーシアは危険な場所だからあまり行かない方がいいよ、と言う。そんなのKLの人が聞いたら怒っちゃうよ(^^;

 そんな話をしているうちに、車はチャイナタウンに入ってきた。ここもどこか懐かしさを感じさせるよさそうな場所だ。

うちらのホテルはここからちょっと行ったところ。といっても1kmくらいはあったかな。
スイソテルていう立派なホテルだ。宿に入るのはマラシンバロッジを出てから25時間ぶりくらい。やっと着いたよ〜

 綺麗でなかなかよさそうな久しぶりのシティーホテルだ。フロントマン、ベルボーイ、そしてロビースペースに至るまで、何から何までピッカピカでスマートなので感動してしまう。アフリカにはこの環境はなかったな。

鍵をもらい部屋に向かうが、良し悪しは別として、こんな密閉された空間を歩くのはいつ以来だろう。

そしてこちらがこれから2泊する部屋。

明るくて広々として快適そう!虫なんて絶対いなそう!居心地よさそう!

バスルームにはちゃんとバスタブもある!バスタブなんて何日ぶりだろう!これで僕のケツも助かった〜(泣)

そして部屋の外には広めのバルコニーもある。外には椰子の木とプールが見えてトロピカル〜
窓を開けると部屋の中のクーラーの冷気とぶつかって霧ができそうな湿気をはらんだ暑い風が吹き込んでくる。
これがまたたまらない!

とりあえず荷物が届いた所でミニバー(ミニバーも久しぶり!)からビールを取り出し、アフリカ遠征の無事終了と
シンガポール到着を祝って乾杯!くぅ〜〜〜〜っ!やっぱビールは東南アジアに限るねえ。ほんんっとウメエエエ〜

一息ついたところでたいきのご希望でプールに行くことにする。

プールサイドは空いていて、早速サマーベッドにベースキャンプを設定。
たいきは早速プールに入ってバシャバシャやっている。
アフリカと違ってここは外気も暑いしプールの水も冷たくなく、これこそ望んでいたプールだと大喜び。

たいきが遊んでいる隙に僕はタイガービール、
昨日腹痛で苦しんでいたひーこもすっかり回復、熱帯モードに突入しピナコラーダを注文。

それをサマーベッドで本を読みながら
のんびりいただく。上を見る青い空に椰子の木がシルエットで浮かんでいる。
ん〜〜〜、なんて開放感なんだ〜〜〜たまらんっ

プールの向こうには華やかなリバーサイドエリアが広がっていて、アクセスも抜群。
このホテルはひーこがネットで探したのだが、なかなかいい所を見つけたね。

しばらくはここでのんびり骨休めして、たいきが凍えてプールから上がってきたら散歩に行ってみよう。

しかしアジアはほんとにいいねえ。

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