やんばる上流探検 |
こうしてこの日の朝撮りは惨敗。もう何も撮れる気がせず、魂の抜け殻のようになったうえ、いざ帰ろうと思ったら道に迷ってしまい、細い林道を心細い思いで走りまわりほうほうの体で宿に戻った。 部屋の前の藪では今朝もアカヒゲが「ピロッピロッピロッ」と鳴いているが、相変わらず姿は見れそうにもない。 部屋ではひーことたいきが朝ご飯を食べていたので「俺にもグレ コンニャロウ!」と八つ当たりしながらパンをかじる。 食後のコーヒーを飲みながら、二人が朝の散歩で拾ってきたサンゴで作ったネームプレートを見せてもらう。へ〜、いろんな形のサンゴがあるもんだねえ。ちゃんとTAIKIになってるじゃん。 空には薄雲が広がっているが、時折太陽も顔を出す、という天気。 河原には朝っぱらからバーベキューパーティーのテントが並びとってもにぎやかだ。これじゃ鳥はダメだろうな。 しかしどこまで行ってもポツポツとテントが続き、ひと気のないところがない。沖縄人はキャンプが好きなんだなあ・・・ 道はどんどん細くなってゆき、もはや踏み跡なのか獣道なのかわからないくらいになりながらも、小さな滝を高巻くように続いていた。 木々の向こうには綺麗な緑色をした淵が見下ろせる。 そのうち道はさらに険しさを増してゆき、たいきはついにギブアップ。 来た道を戻って行くと、下から若者がやってきてサルのような身のこなしで僕らを追い越して言った。どこまで行くのかな?と見ていると、さらに上流にある滝の上に顔を出し、そこから5mくらい下の滝つぼへ一気にジャンプ!すごいね〜。 たいき達はとっとと引き返してしまったので、僕は一人で岸まで降りて川の様子などを撮りつつゆっくり下っていく。 さっきのプールまで戻ってくると、例の小学生達が飛び込み大会をやっていて、みんなもそれを見学中だった。 下りは気分的に余裕があるのでカエルを撮ったり蝶を追っかけたりしながら河口まで戻る。 沖縄の人は潮水が嫌いなんだろうか、橋から下流の海に近いほうにはテントもほとんど建っていなかった。 その間、僕は海岸線の偵察に行ってみる。 今日は朝からほとんど鳥相手にはシャッターを切っていないので、シロチドリでも撮影できれば多少はストレス発散になるってもんだ。 シロチドリはちょっと飛んですぐ着地、餌をとりまたちょっと飛びを繰り返していく。それを追っかけて僕も移動していくと、海岸になにやら大きなものが転がっているのを発見。 これだけ大きなものの死体を目の前にするとかなりショックだったが、命の大事さを身をもって感じてもらうため、たいきとひーこも連れて来て見せておく。 なんか鳥も撮れないし、カメの死体を目の当たりにしてしまいますますどよ〜んとした気分になってしまったので、一度部屋に引き上げる事にした。 ※画像とは関係ありません |