カフェアタビーと学びの森

  とりあえず国道に出て食事のできそうな店を探すが周りは米軍の演習場とジャングルと畑ばかり。

 こうなったらオクマあたりまで行っちゃおうか、と来た道を引き返し始めると、安波ダムの標識が目に入った。その下にオートキャンプ場とやんばる学びの森、そして「カフェアタビー」の看板がついている。ここなら食事にありつけるかもしれないぞ、と思い、国道をそれてそちらに向かうとダムサイトの上に出た。駐車場は閑散としていて、これじゃあまり期待できそうもないな。

 しかしそこからちょっと登った所にあるやんばる学びの森は、こんな山奥にこんなにいっぱい人が集まってたなんてびっくりするようなすごい賑わいだった。 駐車場に入りきれず路駐している車もいたりしたが、うちらはちょうど出る車がいたので駐車スペースにとめることができた。

 併設されているオートキャンプ場も超満員。まあトイレもない河原であれだけキャンプしている人が居るんだから、施設が整ったオートキャンプ場なんて混雑してて当然かも。

 こんなに人が多いと逆に食べ物が残っているか心配になってくる。

 とりあえずカフェアタビーに行くとまだ営業中だった。食堂の外はテラスの席になっていて居心地良さそうだ。
 カフェと言うだけあってメニューはドリンク中心で、ひーことたいきはここでの唯一の食事メニューのカレーを注文。
しかしご飯はこの2人前を最後に品切れとなってしまった。あぶないところだったよ。

 僕は別にカレーじゃなくてもよかったので、パックに入って売っていたジューシーおにぎり2個入りを購入。
 後はビールさえあれば大満足だったのだが、ここは青少年のための健全な施設のようで、昼間っから酒を飲むような人は想定していないらしくビールも無し。しょうがないのでサンピン茶で喉を潤した。

 とりあえずお腹も膨れて一安心だ。さて、これからどうしよう。カフェの隣にあるフィールドセンターにやんばる学びの森のパンフレットがあったので見てみると、アカヒゲ、キノボリトカゲ、イシカワガエルの写真が載っている。さらにシリケンイモリも見れるらしい。
今まで散々苦労させられてるアカヒゲがこんな所であっさり見れるとも思えないが、爬虫類、両性類も結構面白そうだ。

 地図を見ると往復2kmくらいあるらしいからロクヨンは辛そうなので、サンヨン+1.4Xテレコンの軽装備とタムスパ、それにフィッシュアイをもって行って見ることにする。

 アタビーがら100mほど離れたところにある「やんばる学びの森」の入口の臨時受付で、おとな300円、子供200円の入場料を払いゲートをくぐる。最終地点の池のシリケンイモリが目標って事で出発〜

 入ってすぐの所に「ゲゲゲの鬼太郎の家」があった。ここは映画で使ったセットで中にも入れるようだ。子供達がいっぱい遊んでいるが、これは帰りによる事にして先に進む。

 正面のウッドデッキでは、ガイドツアーの集団が解説を受けていた。この軍団と一緒に進むことになったら鳥を見るのが難しくなりそうなので、僕らはその脇を抜け、デッキの先の階段をとっとと下りる。お先に失礼。

 しかし工事現場のような階段は延々と続き、果たしてこの先ちゃんと道が続いているのか、ちょっと心配になってきた。

 そして一番下につくと、そこから始まるトレイルは、さっきのウッドデッキの入り口に続いていた・・・
なんだだか降りて昇っただけだったよ・・・

 ヒーヒーいいながら急なトレイルを昇ってデッキ入り口に戻り、改めて案内図を見るとやっぱ道が違っていたようだ。
幸いさっきの軍団はもうこれで帰るところだったみたいでいなくなっていた。
それじゃ今度はちゃんとした道を選んで再び出発。

やんばるの森って普段林道沿いに見ることが多いので、こうやって土を踏んで森の中を直接歩けるのはいい経験だ。

 行きは登りがずっと続くのだが、たいきは張り切ってどんどん先に進んでいく。毎日ここを歩いてたらやせるかも(^^;

 時々木道があったりつり橋があったりとコースにも変化があり、たいきもますます頑張れる。

 途中の木の幹にコゲラの巣があり、今にも巣立ちしそうな雛が親鳥から餌をもらっている場面に遭遇。

 暗くてブレブレなので写真を撮るのに苦労していると、上からおじいさんガイドに案内されたカップルが降りてきた。

 おじいさんガイドが「何か居ますか?」と聞くので「コゲラが営巣してるんです」というと「ああ、この鳥はコゲラといって、ここに巣を作ってるんです」と?教えてくれた?ゴルァ 人の話きいとんのか!!

 ここらへんでパワーが落ちてきたたいき、ちょっと飛ばしすぎたねえ。ウッドデッキがあったのでひと休みしていると、藪の中からアカヒゲの声が聞こえてきたけどこんな暗くちゃ撮れないだろうなあ。

 そしてかなりヘロへロになりながら、やっと到着したのが・・・中間地点。たいきはもうダメそう(^^;

なんか一気にパワーダウンしちゃったけど、こうムシムシと暑くちゃしょうがないか。
でも折角ここまで来たんだ、あとちょっと頑張ろう。と凹むたいきを励ましながら再出発。

しかしここからは意外と平坦な道が続き、さらにさんぴん茶で喉を潤したおかげかたいきもちょっと復活。
木道を抜け、階段を上りきると、開けた場所に出た。周りの森もなんだか雰囲気が違う。
なんかここまで来ればゴールももうすぐなんじゃない?

さらに進むと葦の原が現れ湿地っぽくなってきた。密生した足の中ではアカヒゲが鳴いているが、
こんなに密度の高い藪の中でどうやって動いているのか不思議だ。

そして最後の木道の先に池が現れた。ここが終点だ。たいき良く頑張ったねえ。

池の中を見ると、ちゃんとシリケンイモリがいた。これで目標達成!
何匹ものイモリがあちこちにたゆたっている。周りにいるオタマジャクシみたいなのはイモリの子供かな?

 ほんとは赤いお腹が見たかったけど、水の中にいるとちょっと難しい。
 隣で網を振りまわしイモリ狩りをしている親子がいたので(ここで捕っていいのか?)置いてあった水槽を覗いてみると、壁面に張り付いたイモリが赤いお腹を見せていたので、たいきにこういうものなんだと説明する。街中じゃイモリを見る機会も少ないからね。
 僕も子供の頃初めて見たイモリは新幹線の中でだった。同じ車両にのっていた知らない子供がプラ水槽に入ってたやつを自慢していて、僕も凄く欲しかった記憶がある。

 さあ、イモリも見れたしそれじゃそろそろ戻ろうか。

 帰りはずっと下りで気持ち的、体力的にもゆとりがあるせいか、来るとき目に入らなかったものもいろいろ見えてくる。

 朽ちた切り株から新芽が出ているのを見つけた。なんかヤンバルの森の豊かさを象徴しているみたいだ。

 来る時ヒーヒー言いながら登った階段も下りは楽勝。

 案内板によると、オオタニワタリは森の中でも谷の部分に密生していると言う。
実物を目の前にして読む解説は説得力があるな。

 途中湖を見れるというルートがあったので、嫌がるたいきをなだめつつ折角だから行ってみる。道はずっと下りだけど、帰ってくる時は登らなくちゃいけないじゃん、と言うたいきの意見もごもっとも。まあちょっとだから頑張ろう。
 やがて展望台に到着。木々の間から見えたのは、さっき車で通ってきた安波ダムの湖面だった。

 そして予定通り?辛い帰り道を頑張って登り、やんばる学びの森トレッキングも終了。ひそかに狙っていたイシカワガエルは見れなかったけどなかなか楽しかったね。

それじゃ次は鬼太郎ハウスを覗いてみよう。

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