本島脱出 渡嘉敷島へ |
街中に入ると初日に目をつけていたおもろまちのショッピングモールに立ち寄る。 食後は併設されているスーパーで渡嘉敷島で飲む用のビールなどドリンク系を購入。 今回泊まる渡嘉敷島の「とかしくマリンビレッジ」は15年ほど前にダイビングで行った事があるのだが、その当時はホテルといっても浜の上にバンガローのような小屋が立っているほかは食堂の棟があるだけで他に何にもないところだった。 たいきとは島に渡ったら今度はちゃんと釣りをしような、と約束をしていたので、何か餌になるようなものがないかと鮮魚コーナーも見てみたら、マンボウの切り身なんてのが売っていた、さすが沖縄。でもスジが多そうであまり美味そうじゃないな。 餌に関しては売り場を一通り見てみたけどいまいちピンと来るものがない。まあいざとなれば現地で貝でも採ればなんとかなるか。 一方ひーこは目ざとく大好物のミスドを見つけ、渡嘉敷島でのおやつ用に買い込んでいた。 これで島に渡る準備も万端。途中のスタンドでもう一度ガソリン満タンにしてから泊港に行くと、まずは渡嘉敷島への高速船が出る、とまりんのターミナルからはちょっと離れた北岸の待合室に行って荷物を下ろす。ここで僕とたいきは荷物番。ひーこは一人でとまりんにレンタカーを返しに行った。 岸壁にはすでに高速船が停泊していた。船底は双胴になっていて結構安定していそうだ。 ここらへんの空はなんだかやんばるで見るよりカラッとしている。雲がすごいスピードで流れてゆき、時折雨がばらついたりするがまたすぐ太陽が姿を現し、なんとも南国らしくていい感じ。 とりあえず待合室で待とうかと、たいきと二人で荷物を引っ張っていったのだが、ドアにカギがかかっていて入れない。 こんなところで会えるなんて奇遇だねえ。でも手前に巨大な泊大橋があるせいか、それとも那覇にビルがいっぱいあるせいか、石垣港で見た時より小さく見えた。 正午になったので待合室に戻ると、ちょうど係りのお兄さんがスクーターでやってきてカギを開けたところだった。荷物を中に運び込み、予約してあったチケットを購入して一安心、もう乗り遅れる事はないだろう。 たいきを見るとなんだか待合室のテレビに釘付けになっていた。そういえばやんばるの宿にはテレビなかったもんな。 そしてしばらくしすると、ホクホク顔のひーこが戻ってきた。話によるとあまりのひどい雨だったので、レンタカー屋の国分太一君似のお兄さんが傘をくれたんだそうだ。そりゃうれしいわなあ。外は既に雨も止んで青空が広がっていた。 出航30分前になると搭乗が始まった。荷物スペースは二階なのだが、そこまでスロープがあるのででっかいスーツケースも何とか運び込む事ができた。たいきも小さいほうのスーツケースを運んでくれてとっても助かる。今ではひーこよかよっぽど役に立つよ。 あとは出航を待つばかり。ただたいきは船酔いが心配らしい。こうして停泊しているうちはほとんどゆれてないんだけどなあ。まあ室内により外の空気を吸っていた方がいいだろうということで2階のデッキの野外席を確保して、出航までは甲板ですごす。座っているより立っているほうが揺れを感じにくいからね。 そして高速船は予定時間ぴったりにタラップを外し、静かに岸壁から離れた。 船は港から外洋に出て慶良間諸島を目指す。所要時間は35分と言うので石垣から西表に行くよりずっと近い。 海は穏やかなようだが、かなりのスピードが出ているので揺れははげしい。そんな中、手すりにつかまりながら後部甲板に出て、風に煽られながら周りを眺めていると、ヨットが一艘すれ違っていった。 目を凝らすと遠くに平べったい島が見える。 やがて慶良間の島影が見えたかと思うと、渡嘉敷島がどんどん大きくなってきた。 そして渡嘉敷港に入港だ。こうやって船から見る港の風景は15年前と大して変わらないけど、果たしてとかしくマリンビレッジはどうなってるだろう・・・ 船を下りるとお迎えのマイクロバスに乗って宿に向かう。同乗のお客さんはカップル2組とロッドケースを持った小学生を連れた家族が1組だけ。明日でGWも終わっちゃうから、今から来る人も少ないんだろう。 港から続く谷戸には水田が広がり、アマサギが飛び交い、ヤギが草を食んでいる。 そして尾根筋の県道をしばらく進むと、木々の向こうに青い海が見えてきた。 |