カオヤイ国立公園デビュー戦

そしてカオヤイ最初の朝が来た。昨日のお姉さんとの約束を信じてドアの外を見てみると・・・

グゾ〜!!!トイレットペーパーなんてどこにもないじゃん・・・orz

 とまあカオヤイ最初の朝は最悪のスタートだったが、何とか都合をつけて(^^;ちょっと遅刻気味でフロントへ到着。しかしまだガイドさんらしき人は来ていなかった。

 あたりはまだ真っ暗で空には月が登っており、それを撮りながらガイドさんが来るのを待つ。

 しかし僕より遅く来るガイドさんってのもめずらしいなあ。
もしかして昨日のタクシーの運転手さんみたいに間違えてGreenReefの方に行っちゃってるのかも・・・

そして待つこと十数分、6時を過ぎた頃、国道からこちらへ向かってくるライトが見えた。どうやらお迎えが来たようだ。

 フロントの前に止まった幌付きのピックアップトラックから大慌てで降りてきたのが今回ガイドをしてくれるナンさん。痩せ型で、パンチパーマに口ひげの一見ちょっと怖そうなおじさんだった。
 しかしなんかただ遅刻してきただけって雰囲気だなあ・・・挨拶もそこそこに車に乗りこみ出発。

 早朝の空気は涼しいと言うより寒いくらいなので、Tシャツの上に合羽を着込んだ。

 車中ナンさんに撮りたい鳥のリクエストを伝えると、ミツユビカワセミとアオミミカワセミは難しいらしい。残念・・・
でもカザリショウビンは3日前に見たというのでちょっと期待が持てるかも。
 Pitta類は頑張ってみるけどわからないそうだ。果たしてどうなるだろう・・・
 ところで今日は結構歩くの?と聞くと、「そんなでっかいレンズを持っていちゃ大変だろうから、そんなに歩かないよ」と言っていた。なら安心だ。

 ホテルから10分ほど走ると公園のゲートがあり、ここで入場料を払う。
タイ人と外国人だと大分値段が違いらしいが、これはガイド料に含まれている。  

 まだ薄暗い山道を走っていくと、後ろから「ピウィー」と大きな声で鳴く大型の鳥が車を追いかけるように飛んできた。
ナンさんが口笛で鳴きまねをすると、向こうも鳴き返してくる。オオミミヨタカ(Great eared Nightjar)だそうだ。

 車はゆっくりと山道を登ってゆく。途中オオサイチョウの巣があると言う木を通り過ぎるが、まだ暗いので明るくなってから後でゆっくり来ることにして先に進む。

そのうち道路の周りの木々が低くなり、開けたサバンナのようなところに出た。空は朝焼けで紫に染まっている。

ここでナンさんは車を止めると遠くの木を指差し、ブッポウソウ(DollerBird)が止まっていると教えてくれた。
まだ太陽は出ておらず、SSは一ケタ台。一応証拠写真だけ撮っておく。これが今回初鳥だ。

 ブッポウソウを撮っていると、すぐ手前の木の中を数羽の小鳥が飛び回っているのに気が付いた。これはコノハドリじゃないか!前から見たいと思っていた綺麗な鳥だが、思っていたより小さくてスズメくらいしかない。
 メジロみたいに木の中をせわしなく動き回るので撮影するのに苦労する。

 コノハドリを撮っている上空を、バサッバサッという羽音を立てながら、カササギサイチョウが上空を飛んでいく。う〜ん、さすがカオヤイ

 コノハドリはこの木に何羽もいたのでまた次のチャンスがあるだろうと思い、ほどほどのところで切り上げて先に進むことにした。しかしいつものごとくコノハドリを見たのは今回このときだけ・・・やっぱ撮れる時に撮っとかなきゃダメだな。

 コノハドリと遊んでいる間に空も大分明るくなってきた。いよいよ本格的に鳥撮りタイムスタートだ。頑張ろう。

 再び道の周りに森が迫って来た。そこからしばらく走るとトレイルの入り口があった。ここが3日前、ナンさんがカザリショウビンを見たポイントらしい。いよいよカザリと対面できるのだろうか・・・

 緊張しながら車を降り、カメラをセット。ナンさんはまずあたりをじっと見回すが、カザリの姿はないようだ。
 そこでポケットから携帯を取り出すとコールバック開始!「ピ〜ョ ピ〜ョ」と言う声がスピーカーから流れてくる。これがカザリの声なのか・・・

 しかし反応は全然ない。さらにコールバック・・・ そしてさらにひたすらコールバック・・・・・  まるで反応なし

 残念、どうやらダメみたいだ。それじゃまた帰る時に寄ってみることにしてひとまず退散。

 気を取り直してさらに進むと、道路わきの高い木の上に小鳥が群れていた。ナンさんが「Minivet!」といっているのでサンショウクイの仲間だろう。

 車から降り、三脚にレンズをセットして覗いてみるとお腹の赤が目にも鮮やかなベニサンショウクイだ!これも見たかったんだよなあ。オスメス混じった混群が飛び回っている。しかし樹冠のほうにばかりいるのでどうしても空抜け逆光になってしまい、これもまともな画像が撮れない・・・

 ベニサンショウクイがちょっとでもいいポジションに来てくれないかと悪戦苦闘していると、その群れの中にちょっとだけ大きめの鳥が飛んできた。
おお〜、これはオナガヒロハシ(Long-tailed Bordbill)じゃないか!その綺麗な色合いと変な顔で、こいつも見たかった鳥の一つだ。ただ惜しむらくはこいつも画像がいまいち。みんな次回は目線の高さで会いたいぞ〜

このポイント以降は特にめぼしい鳥が出る事もなく、そのままカオヤイ公園本部に到着。
食堂やバンガローが立ち並び、駐車場も整備されている。

駐車場の周りではイソヒヨドリの青いやつやコサメビタキを見かけた。

さらにこの広場手前の川にかかった橋の横の木にはアサクラサンショウクイが止まっていたり、

食堂の裏手の木ではコガネゲラが餌をとっていたりと開けている割に鳥の姿が多い場所だ。

その後本部を後にして、ひと山超えたところにあるキャンプ場まで移動。
車を降りるとナンさんが「Blue beard bee-eater」と指をさす。おおっ、これも見たかったアオムネハチクイだ。
ただ顔のところにちょうど枝がかかってしまい、どう動いても肝心のアオムネがわからない・・・

 アオムネハチクイは次のチャンスにかけることにして、ナンさんについてキャンプ施設の裏へ続く道に入って行くと熱帯雨林に覆われた川岸に出た。ここの対岸にはガマヒロハシ(Dusky Broadbill)が巣を作っているという。

 ナンさんの指差す先には、蔦で空中にぶら下がった紡錘状の巣があった。
これをガマヒロハシが作ったとは、鳥のくせに器用なもんだねえ。

そのうち親鳥が来るというのでその場で待っていると、しばらくしてガマヒロハシ登場。
ヒロハシ系というからからもっと派手な鳥を想像していたのだが意外と地味だ。

ガマヒロハシはしばらく巣のところに止まり辺りをうかがった後、上の方の木の枝に移りそのまま飛んでいってしまった。

 まあそれほど綺麗な鳥でもなかったので早々に見切りを付けてキャンプ場に戻ると
アカハラシキチョウの群れに遭遇。
ナンさんの態度からするとそんなに珍しい鳥ではなさそうだが綺麗なので撮っておく。
尾羽を上下に振る姿はセキレイみたいだった。

このキャンプ場をあとにして、さらに先に進む。どこまで行くのか聞くと、カオヤイ国立公園の頂上だそうだ。

 道の周りはまた開けてきた。草原のの中に池が点在していて、池畔では新婚カップルがウエディングドレスとタキシード姿で写真撮影をしていたりする。さすがタイの軽井沢。

そんな池と草原を眺めながら、ゆっくりと車を走らせていくと、「ケレッケレッ」と鳴きながら縄張り争いをしたり
餌探しをしているインドトサカゲリの姿を良く見かけた。

さらに岸辺でフライングキャッチを繰り返す鳥を発見。チャガシラハチクイだ。
東南アジアではわりと普通の鳥だけれど、この派手な色彩はやっぱり見たら撮らずにはいられなくなる。
この枝が気に入っているようで、2羽のチャガシラハチクイが交代で飛び立ち、餌をとってはまた戻ってくるので、
2羽が一緒のところを撮るべく、車から降りてシャッターチャンスを待つ。

そんな必死になって撮影している僕とチャガシラハチクイのツーショットを、いつの間にかナンさんが撮っていた(^^;

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