白昼大捜索

 ガマヒロハシの巣はハズレがないので、是非ひーことたいきにも見せておきたい。

 今日は時間的にちょっと遅いせいか、太陽も出ているし霧もなくて条件がいい。目標はでっかちゃんとトビモノだ。

 カメラを7Dに付け替え、さらにテレコンも入れてでっかちゃん仕様で待つこと数分、予定通りガマヒロハシがやってきてくれた。でっかちゃんゲット!

 ナンさんもマイカメラで連写しまっている。 もう「フィールドスコープでガイドに専念」って事はすっかり忘れているようなので(^^;たいきとひーこには、僕のカメラのライブビューでガマヒロハシの姿を良く見てもらう。

 次はトビモノ。一度ガマヒロハシが飛び去ったあと、巣のあたりにピントを合わせておき、ファインダーから目を離してガマヒロハシがやってくるのを待つ。

 しばらくすると、ガマヒロハシがツル草のような巣材を咥えて飛んできたので、巣に近づくのを待って連写開始。
 でも顔が〜

 ガマヒロハシは巣の上に止まるとグルグル廻り、巣の周りにさらに巣材をまきつけて行く。しかしこれだけの巣を全部自分で作ったのだから大したものだ。

 巣材をまき終えると再び飛び去っていったのだが、ここはMk3でコマ数を上げて、もっと決定的瞬間を狙うべきだった。

 ガマヒロハシを見ていると他のグループがやってきたのだが、この中にかつてナンさんがガイドした事のある欧米人がいて、今朝公園本部のあたりでカザリショウビンの声を聞いたそうだ。有力情報ゲット!
 しかしこの時間じゃもうちょっとにぎやか過ぎてダメだろう。ここはは明日にかけるとするか

 本当はここでもうちょっと粘っていたかったのだが、混んできたと言う事もあり、みんなが飽きる前に引き上げることにする。今日は一人じゃないからね。

 それじゃ次は何処に行くのかな?カザリショウビン見たいんだけど・・・まあここはナンさんに任せるしかないからなあ。

 カオヤイ国立公園って言うのは想像していたより開けているところが多い。開放的な景色の中をのんびり走っていくと、ところどころに土くれのようなものが落ちていた。もしかしてゾウの糞?

 期待に胸を膨らませ糞をたどっていくと、最初干からび気味だったのがだんだん新鮮味を増し、ついには湯気を立てた香ばしい出たてホヤホヤも混じるようになった・・・しかもこの数。とても1頭や2頭とは思えない。ゾウの群れが近いのか?!

 道路わきに駐車ペースがあったので車を止めると「ここでちょっと待ってて」と言って、ナンさんは一人土手の向こうに分け入っていった。歩いてゾウを探しに行っちゃうなんて勇気あるなあ・・・

 エレファントトレッキングなどで家畜化されているものは見慣れているが、野生のアジアゾウというのはまだ見た事がない。
 アフリカゾウは草原の中をゆっくり群れで移動するイメージだけど、森の中で暮らすアジアゾウってのはどんなだろう。
 見てはみたいけど、RICKさん達のように象の群れに囲まれるのはごめんだなあ、と期待と不安の入り混じった気持ちでナンさんの帰りを待つ。

 しばらくすると「No・・・」とくびを振りながらながらナンさんが戻ってきた。ゾウはいなかったみたいだ。まあしょうがない。また機会があったら探してみよう。それじゃ移動開始。

 次に向かったのはキャンプ場。ここではブラインドに入って鳥を待つそうだ。ひーことたいきも一緒なのかと思ったら、
ブラインドは一人用だから二人はここら辺を散歩しててくれと言う。
そりゃないよなあ、と思ったが、ひーこ達はそんなテントなんかに入ってじっとしてるよりそこらへんを散歩している方がいいと言ってとっととどこかに言ってしまった(^^;

 それじゃうちらはブラインドの所に行って見よう。歩きながら何が見られるのか聞くとTrushと、もしかしたらBlue fly catcherがくるかも、とのこと。期待が高まる。

 ナンさんについて藪をかき分けて進んでいくと、森の中にぽっかりと開いたドーム状の広場のような所に出た。
 既にブラインドが張ってあり先客が一人いる。ナンさんの知り合いのようで、何か話していたが、あまり成果はないような雰囲気だ。

 各自ブラインドに入りじっと息を殺していると。前方の椰子の葉のような植物の影にオレンジ色のツグミくらいの鳥がいるのに気が付いた。大きなコマドリのようでとても綺麗な鳥だ。これがナントカTrushなのかな?
しかし警戒しているのかそこから出てこようとしない。全身をくっきり撮りたいぞ〜!

 ブラインドに入ったらできるだけ動かないようにして周りに溶け込み、ナントカTrushの警戒心を解いてやらなければ。
しかしこのブラインド、サイズが少々小さいのかそれとも僕の体がでかいのか、カメラと三脚を入れると中に入りきれず背中が出てしまい、後ろのチャックが閉まらない。そのため進入してきた蚊に何箇所も刺されるが、じっとがまんする。

 さらにそのうちアブまで入ってきやがった!しかも2cmくらいあるでっかいやつ。こうなるともうブランドの中は恐怖のどん底だ。
 何とか追い出そうと被っていた帽子ではたいたりフーフーやったりととても鳥どころではなくなってしまった。外からみたら僕のブラインドはボコボコ動きまくりでえらい事になっていただろう。
 最後は勇気を振り絞って帽子越しにギュッと掴み、そのまま外に放り投げてなんとか一件落着。怖かった〜

 これでやっと落ち着いて鳥撮りができるよ、と思ったら、ナンさんがテントから飛び出し「今カザリショウビンの声が聞こえた!ブラインドはそのままでいいからすぐ行こう!」と言うので、あのオレンジの鳥が心残りではあったがブラインドを後にして、声がしたと言う方に向かった。

 しかしめぼしをつけた辺りに着いてもカザリショウビンの気配はなく、ナンさんのコールバックにも全然反応なし。
 ここは一昨年カザリショウビンが営巣してた場所だから期待が持てると言うのだが、今年はただただ蚊にさされるばかりのポイントだ。僕も一昨年来てれば幸せになれたのに・・・ まあまだ明日がある。ここも早い時間に来ればもしかしてカザリショウビン見られるかもしれないからね。

 今日のところはあきらめて車に戻るが、ひーこたちがまだ戻ってこないのでしばらく車の周りで鳥を探した。
すぐそばの木立で飛び回っていた小さい鳥はキマユムシクイかな?

 キャンプ場の炊事棟の裏を歩いていたのはオオバンケンだ。

 たいきとひーこが戻ってきたところで再び車に乗り込み出発。今度は滝に行くらしい。
 キャンプ場から車で5分ほど、ちょっと下ったところが大きな駐車場になっていて、ここから滝に行けるみたいだ。
 でもその前に昼ごはん。もうそんな時間なのか。なんかあっという間だなあ。

 駐車場に併設されている食堂に入るとナンさんが「ここにはパッタイがあるよ」と言う。さっきのこと覚えててくれたなんて嬉しいねえ。それじゃORAT家はみんなパッタイをお願いします〜

 料理ができるまでの間食堂の周りを偵察に行くとマユゲに遭遇。ムンジャンガンで見たのと同じ種類かな?

 リスもいたけど動きが素早くて撮ることは出来なかった。

 食堂に戻ると欧米人のツアー客もやってきてとっても賑やかになっていた。鳥専門と言うわけではないみたいだが、
 一応挨拶に行くと機材の話になった。ロクヨンの重さを聞くので三脚につけて試しに持ってもらったらビックリしていた。

 ニコンのD200とシグマの100−300mmF4のズームを一脚に付けたおじさんは「この一脚はすごく軽いしとっても便利だ!旅行の時は機材は軽い方がいい!」と力説していた。でももはや僕はどんなに重くてもロクヨンがないと生きていけない身体なんですよ〜

 そのうちナンさんがパッタイとコーラと一緒に運んできてくれた。う〜ん、おいしそう。それではいただきま〜す

 ナンさんは別のものを頼んだようで、まだ料理ができてこない。
 僕らが食事している間、「ちょっとカメラを貸して」と僕の7Dをもって行き、さっきのグループのガイド(この方もお友達らしい)に、今朝僕が撮ったオオサイチョウの画像を見せ嬉しそうに自慢していた。なんか憎めない人だよなあ(^^)

 うちらがご飯を食べ終わるころ、ナンさんのご飯もできてきた。彼のはバジルライスというやつで、ご飯にバジルで炒めたひき肉がかかっている。興味津々だったのでちょっと味見をさせてもらうとすごく美味しい。こんどどこかのメニューにあったら注文してみよう。

 ナンさんがご飯を食べている間、滝でも見てくれば?というのでひーことたいきと3人で偵察に行く。

 駐車場横の階段を下りると、そこは滝の上だった。滝つぼまでは30mくらいあるかなあ。おもわずキューンとなってしまう。たいきはよく怖くないねえ・・・

 滝の上流は渓流っぽくていい雰囲気。オゾンたっぷりって感じだ。川面を涼しい風が吹き抜けてとても気持ちがいい。

 浅瀬を覗くと小魚がうようよ泳いでいる。これだけ餌がいるんだからアオミミカワセミがいたっておかしくないよな。

岸辺にはイシガキチョウが吸水に来ていた。これは沖縄にいるやつといっしょかな。

 そこら辺を一通り見て廻ったが鳥の成果はなし。
駐車場に戻ると、ピックアップトラックのところで食事を終えたナンさんが待っていた。
それじゃ午後の部、行ってみようか。

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