このあとちょっと視界が開けたところで車を止め、猛禽でも飛んでいないかとチェックするが成果はなし。
車はここで来た道を引き返し山を下り始めた。今回のバードウォッチングもこれでおわりかな。
でもズアカキヌバネドリのおかげでかなりの達成感を得る事ができたので満足だ。
そして公園本部に着くと、ナンさんはビジターセンターの裏にある駐車場に車を止めた。
彼はまだカザリショウビンのことあきらめていなかったんだ。昨日の欧米人がここらへんでカザリショウビンの声を聞いたって言ってたもんなあ。ナンさんありがとう〜
ビジターセンターの裏には川が流れていてすごくいい雰囲気だ。これならもしかしていけるかも・・・
つり橋を渡ってトレイルに足を踏み入れるとセミの声がにぎやかだ。それがまた森の深さを感じさせ、期待が高まる。
周囲をうかがいつつ時折コールッバックを流しながら注意深く足を進めていくと、いつカザリショウビンが現れてもおかしくなさそうな気分になってくる。
しかしトレイの角を曲がったとき向こうから現れたのは・・・・幼稚園の遠足の集団
そう、ここはビジターセンターのすぐ裏。みんなの気軽な散歩道だったのだ・・・・orz
はにかみながらすれ違っていく園児たちに「サワディ カップ」と挨拶しながら、ここも終わったな・・・と確信した(^^;
もうとっくにカザリへのあきらめは着いていたのでそれほど落胆する事もないと思っていたが、担いだレンズと三脚がやけに重く感じるのはやっぱりがっくり来ているからだろうか・・・
駐車場へ戻ると最後の最後にもう一度だけいつものカザリショウビンポイントへ行って見るべく車へ乗り込み出発。
カザリを見せられなかった事に責任を感じているのか、ナンさんが「明日バンコクへ戻るなら、パンプーというところに行かないか?水鳥がいっぱいいるし、ヤマショウビンやアオショウビンも見られるよ。そこからバンコクまではタクシーで30分位だからタクシーですぐに帰れるよ」と言ってくれた。
今回カワセミ系を見ていないし、ヤマショウビンは魅力だなあ。
「この車で行くの?」と聞くと、自分の車を出してくれるそうだ。ナンさんの車もピックアップトラックだけど、4ドアなので室内に座れるらしい。ツアー代は個人的に連れて行くだけだから別に幾らでもいいよ、という。親切な申し出に気持ちがほっこりしてしまうなあ。ナンさんありがとう。
帰りのタクシーも手配していないし、この際お願いしちゃおうかと思ったが、一応ひーこたちの意見も聞いておいたほうが良いだろう。 今日は午後からワイナリーに連れて行ってもらう予定なので、そのときに返事する事にする。
そしていつものカザリポイントに着いた。最後の出撃だ。
車の周りには今回も気配はなし。木の上のほうでは枝から枝へとテナガザルが飛び回っている。
森の中に踏み込むとナンさんはコールパック開始。「どうやってカザリショウビンを見つけるの?」と聞くと、「声を聞き分ける」「じゃあ鳴かないと見つけられない?」「そういうことだ」・・・じゃあやっぱ厳しいなあ(^^;
今回は最後だということでかなり奥まで行ってみたが、やはりカザリの姿は見つからない。
途中Laghing Trushの声が聞こえてきたので、ナンさんがコールバックをすると、藪の中にいた群れが反応して大騒ぎになり思わずわらってしまった。効果抜群だねえ。ナンさんは「どうだ」と得意げだけど、カザリには効かないんだよねえ・・・
結局カザリショウビンは見られないままトレイルの出口近くまで戻ってきてしまった。
そこでナンさんが動きを止める。 「Red-headed Trogon!」 どこどこ?と探すが良くわからなくてナンさんに教えてもらうと、藪の中からかすかに赤い色が見えた。ナンさんキヌバネドリに関してはツキがあるねえ。
今回いたのはメスの方で、顔が赤くない。枝が生い茂っている中にいるのでやっぱりいまいちくっきり撮れなかったが、胸の白線がよくわかった。まあこいつはさっきバッチリ撮れたからいいもんね。
これを最後にこのトレイルも終わり。カザリショウビン捜索も終わり。車に乗りこむと帰路に着く。今日は結構粘ってしまったのでひーこたち待たされて怒っているかも。早く帰らなくちゃ。
今回は目的を達成できなかったけど、考えてみればルリヤイロチョウも撮れたしズアカキヌバネドリも撮れたし、結構収穫はあったよな。満足度80%といったところか。次回はクラビかボルネオでカザリのリベンジを果たしたい。
毎日通った公園のゲートのところにあるお寺に車中から目礼をして、公園を後にした。
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