謎のお寺

 
ホテルから国道に出ると昨日のワイナリーに行った田舎道に入る。

 そして30分ほど走ると片道3車線の国道に突き当たった。ここがハイウェイらしいので、二人には車内に入ってもらい再び出発。

 バンコクから来た道をそのまま戻るのかと思っっていたが、来た時よりかなり手前で左に曲がる。ちょっとルートが違うようだ。そしてここからは田んぼの中の一本道をひたすら走る。

 ナンさんの話だと、まずは大きなお寺に行くらしい。タイ中の人がお参りに来る、すごく大きくて美しいお寺だそうだ。普段あまりそういう観光スポットにはいったことがないからひーこも喜んでいる。

 しばらくすると奥さんが「お腹が減ったでしょう」と気を利かせてくれ、道端に出ている果物売りの店に寄っってくれた。
 ここでビワのようだが確実に食べたことのない果物を試食。

 炎天下で売っているため、まず果実がなま暖かい。これはちょっとなあ、と思いながらもかじりつくと、かなり分厚い皮の中には柿に似た味の果実と大きな種が入っていた・・・ん〜、正直あんまり美味しくないなあ。皮が口に残ってなかなか飲み込めないよ・・・。たいきとひーこは1個食べたら「もういらな〜い」とか言っている。

 僕はせっかく勧めてくれてるのに悪いからと思いがんばってもう2個ほど頂いたのだが、もしかしてすっかり気に入ったものとみなされてしまったかも・・・奥さん大きなフサを丸々購入してるよ(大汗)
願わくば、これがナンさんが自分の家用に買ったお土産でありますように・・・

 しかし願いはかなわず、車に乗ると奥さんは「好きなだけ食べていいからね」と言ってそのフサ丸々こっちに渡してくれた。こうなったら食べるしかないよなあ・・・と、頑張って5個ほど食べたが、その間ひーことたいきは傍観者。ゴルァ〜!オマエラも喰え〜! 
 このまま食べ続けたら腹痛くなるのは確実なので「朝ご飯をいっぱい食べちゃったからもうお腹いっぱいっす」とごまかしてなんとか奥さんに返させていただいた。ふ〜しんどい

 その後1時間くらい走っただろうか、ただ座っているのにも飽きてきたころ、道路わきに金ぴかのドームが見えてきた。
もういい加減着いてほしいという願望もあり、「あのお寺?」ときくと、「まだまだ先だよ。もっとすごい所だからまあ任せておけ」と自信満々。そうなんだ・・・でも遠いよなあ。もうかれこれ2時間以上は走ってるんじゃないだろうか・・・

 途中道路に沿って水路が流れている所にでた。ここは何かいそうだなあ・・と思い注意していると、ナンさんが「Kingfisher!」と言って車を止めた。おお〜ほんとだ。杭の上にアオショウビンが止っている。今回初のカワセミ類だ。しかし慌ててカメラを取りだす間にアオショウビンは飛んでいってしまった。残念・・・

 このポイントではもう1羽、アジアレンカク(Bronzed winged Jacanaも足元から飛び出し、こちらはなんとか証拠写真を撮る事ができた。

 ここからしばらく水路沿いの道が続きカワセミ系に期待を持ったのだが、車の通行量が増えてきて気軽に停車できなくなってしまい、3回ほどアオショウビンを見つけたものの、そのまま見逃さざるおえなかった。

 この後ひーことたいきがトイレに行きたくなったので、ガソリンスタンドでトイレ休憩。
ちなみにこんな綺麗なトイレでも中は手桶スタイル、紙はゴミ箱へ入れなきゃならなかったそうだ(ひーこ談)

 トイレ待ちの間、奥さんが「バンコクのホテルはノボテルでいいのよね」と聞いてきた。そうだと言うと「OK!」と微笑んでくれた。なんかバンコクのホテルまで送っていってくれることになったらしく、奥さんはその時の道案内のために来たそうだ。なんて親切な人達なんだろう。奥さんが女神に見えるよ〜〜(涙)ほんとにどうもありがとう〜

 ガソリンスタンドを出てしばらく行くと踏切があり、ここで列車待ち。
海外の踏み切りってのもなかなか趣があっていいもんだ。

 やがて道の周りに建物が増えてきて、街中に入ってきた。雰囲気からするとそのお寺も近そうだ。川に突き当たるとそのまま川沿いに走る。この川ではイルカが見られるらしく、それを撮影に来る人もいるそうだ。

 そしてついにそのお寺が現れた。確かに立派な建物で、青灰色の壁に金の飾りがちりばめられていて、さっきの金ぴかのお寺よりずっと上品だ。

 駐車場に車を止めると、ナンさんは車で留守番していてくれるということだ。たしかにスーツケースやカメラバッグは荷台に野ざらしだもんね。例えここが日本でも、このまま放置していく気にはならないよなあ。

 奥さんがお寺までの道を教えてくれたが、まあすぐそこに見えているから迷う事もないだろう。
 この駐車場の周りは市場になっていて、彼女はここで買い物をするらしい。30分で戻って来るようにいわれ、ここで解散。なんか観光旅行みたい。

 と言うわけで、僕らは歩いてお寺に向かうが、その前に市場の中を通らなくちゃならない。お寺も良いけど市場もたのしいよねえ。お店を冷やかしながらブラブラとお寺に向かった。

 途中のおもちゃ屋にたいきが引っかかる。どんなモンが売ってるかな?と思ったら気になるアイテム発見!なんか見たことあるような・・・
 ちなみにパッケージの上の方にはご丁寧に「この商品は実際のコンテンツやイラストとは関係ありません」って書いてあった(^^; しかしいろいろ混ぜてよく作ったねえ。

 このおもちゃ屋の先にお寺のへの入り口があった。近くで見るとまた壮大だなあ。

 建物をぐるっと周り、正面玄関から中に入ろうとするが、他の人たちがみんな裸足なのに気付く。お堂に入るときは敬意を表して無帽・裸足にならなきゃいけないみたいだ。

 近くに下足番があったので、地元の人にならって番号札をもらいに行くと、係りの調子の良さそうなサングラスをかけた兄ちゃんが「Where are you from?」と聞いてきた。「Japan」というと「OK!I know Japan Very well!Tokyo!Hong kong!Jackie Chan!アチョ〜!」わかってないけどハイテンション・・・でも一応僕も「アチョ〜」と返したら大喜びで番号札を渡してくれた。あんまり日本人は来ないとこなんだろうな(^^;

 靴を預けてお花をもらい寄付をしてお堂に入る。石の床がひんやりして気持ちいい。
なかには金の仏像が祭られていて、みんなその前に正座して、一心にお祈りをささげていた。

 普通こういうところは撮影禁止だと思うのだが、タイ人は平気でフラッシュを焚き写真を撮りまくっているので僕も失礼してそっと撮らせていただく。

 ひーことたいきも正座してお祈りした後、さっきもらった欄の花を供えに行く。

 お堂の中は吹き抜けになっていて、見上げる天井には宇宙の絵が書いてあった。

太陽を中心にして、その周りに惑星が周っているように見える。仏教の世界観とか良くわからないけど、
周りの柱の装飾、吹き抜けの空間、黄金の仏像と相まって、とても荘厳な感じがした。

 おまいりを終え、お堂から出て下足番に行くと、荘厳とは対極的なサングラスの兄ちゃんが「あちょ〜!Jackie Chan!Japan!OKAERI!」といって番号札を回収してくれた。なんかいい人だ(^^;

 お寺の前で記念撮影した後は小腹が空いたので向かいにあるセブンイレブンでサンドウィッチとコーラを買って、みんなでかじりながら市場を散歩。

 車の近くまで戻ってきた時、奥さん発見。
 揚げ菓子みたいなのが山積みになっている店の前で大きなビニール袋いっぱいにお菓子を買っていた。

 うちらの姿を見つけて手招きするので行ってみると、試食してごらん、といって売り物のお菓子の山から勝手に一つまみ取り分けてくれた。いいのかなあ?でもお店の人も全然気にする風でもないので、これがタイ式なんだろうね。
 いただいたお菓子をかじってみたらサツマイモを細く切って揚げたカリントウのような味だった。

 奥さんと一緒に車に戻り、すばらしいお寺だったとナンさんに言うと、そうだろ?と誇らしげにうなづいていた。しかしはたしてこのお寺、なんと言う名前なんだろう?日本に戻って記憶を頼りにちょっとだけ調べてみたがわからずじまい。なので謎のお寺ってことでいいかな(^^;

 次はSandCastleに連れて行ってくれるというが、いったいなんだろ?古代の遺跡かなんかだろうか。

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