バンプー不完全燃焼
 さあ、それじゃ今日一番のお楽しみ、バンプー(Bangpoo)へ向けて出発しよう。

 謎のお寺があった町を抜けた辺りは造成前の埋立地のようで殺風景だったが、さらに進むと水田地帯に入り、カモメやスキハシコウ、アジサシが飛び交いシギチが羽を休めている姿が目立つようになった。海ももうすぐだろう。

 助手席の奥さんが「Kingfisher!」と叫んだので車を急停車。みると道路わきの電線にヤマショウビンが止まっていた。奥さんエライ!
 逆光で色がいまいち出なかったものの、目標のヤマショウビンを結構近くで見ることができテンションが上がってくる。

 この後も何回か電線ヤマショウビンの姿を見かけたが、ナンさんは車を止めない。セイタカシギの群れも見えるがこれにも無反応。きっとバンプーにいけばもっといいシチュエーションでたっぷり撮れるんだろう。楽しみだ〜

 バンプーのイメージ(妄想)としては車で水田地帯を走り回り、田んぼの周りの杭とか木の枝に止っているヤマショウビンを車内から狙う、って感じかな。そしたらあまり警戒もしないだろうからでっかく撮れるだろう。アオショウビンやナンヨウショウビンもいるだろうから、カワセミ三昧だな。 そしてその後は干潟でこんどはシギチ三昧。楽しそう〜(^^)

 空を飛ぶカモメの数が増えてきて、海が近い事をうかがわせる。

 そして軍のゲートのような所を通過。ナンさんが「バンプーに着いた」という。周りは賑やかだが、ここから先は軍に管理されている自然保護区って感じかな。

 そしてついに海に出た。橋が架かっていて、この向こうが保護区なのか?でも先は海みたいだし人が多いなあ・・・
と思っていたら、橋の真ん中に駐車。ここがバンプーだという・・・・

なんか思いっきり観光地なんだけど・・・

 水鳥もたしかにたくさんいる。※ユリカモメが・・・なんか思いっきり肩透かし喰ったなあ・・・
これじゃヤマショウビンなんているわけないよなあ・・・
※後日feathercollectorさんに教えてもらったところによるとこれは日本ではレアなチャガシラカモメだそうで、ユリカモメはタイでは逆にレアなんだそうだ。

 

これはたいき撮影

 橋の周りは干潟になっているが、潮が引きすぎているんだろう、肝心のシギチははるか彼方。
豆粒のようでなんだか良くわからないけどこの中にヘラシギなんかが混じってるのかなあ・・・

 一方ナンさんはマイカメラでユリカモメの群れを撮りまくって大喜びしている。落胆している僕を呼びに来て、「ほら、一羽違う種類のカモメが混じっている。大きさが違うだろ!羽も黒いし!」と大興奮だ。それってウミネコのような気が・・・
まあカオヤイに住んでいたら海鳥はなかなか見れないもんね(^^;

 は〜、タイの鳥撮りもこんな形で終わっちゃうのか・・・これならさっきの電線ヤマショウビン、もっとちゃんと撮っておけばよかったなあ。それにあのセイタカシギの群れが下りていた水田。あっちの方がよっぽど魅力的だったよ・・・

 しかしいつまでもい落ち込んでいてもしょうがないから、撮れるものを撮っておこう。
気を落ち着けて良く周りを見渡すと、結構近くにオグロシギが歩いているのを発見。

ジャワアカガシラサギも頻繁に見かける

まるでコサギのようにいっぱいいるなあ。

干潟の上にいるのはムツゴロウ?トビハゼより大きくて、背びれを立てると綺麗な青の模様がある。

このムツゴロウを撮っているとナンさんが「ヤマショウビンだ」といって呼びに来てくれた。
どこどこ?と指差す方を見るとはるか彼方の杭に、確かにヤマショウビンが止っている。でも遠すぎ・・・


しきりと杭から干潟に飛び降りカニか何かを採っている。

時々ちょっとだけ近くの杭に止まってくれるが、それでもまだ僕らを隔てる距離は遠かった・・・

止まっているところより表面積が大きくなるから多少でも大きく写るかと思い
飛んでいるところも狙ってみたが、やっぱり普通にでっかちゃんが撮りたかったなあ・・・

いつまでたっても近づいてこないヤマショウビンのことはあきらめて次を狙おう。

岸よりのマングローブ林ではさっきから「ケ〜ケ〜ケ〜ケ〜」とナンヨウショウビンの声が聞こえているので
ナンさんと一緒に見にいってみた。

浅瀬にはたくさんの竹筒とマングローブの若木が植えられていて、その間を一羽のセイタカシギが歩いている。

声を頼りにナンヨウショウビンの姿を探すと、地面に突き刺さった竹の上に止っている個体を発見!
さらにその奥にもう1羽。その横にももう1羽・・・と、ここには計5羽のナンヨウショウビンがいた。さすが量産型。

ナンヨウショウビンを撮っているうちに日も暮れてきた。これでこの遠征での鳥撮りはすべて終了だ。
もうちょっとでっかくヤマショウビンが撮りたかったなあ・・・

多少肩を落としつつ車まで戻ってくると、たいきとひーこは屋台で買ったアイスを食べて待っていた。
それじゃそろそろ引き上げようかね。

そして水平線に沈みゆく太陽を眺めながらバンプーを後にしたのだった。

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