デンジャラス シティ

 さてタクシー乗り場はどこかな?と探しながら歩いていくと、ひっきりなしに「TAXY?」と声をかけられる。
 ジャカルタシティーまでXXXXRpだよ〜、安いよ〜と言われても、XXミリオンとか桁がめちゃくちゃ大きいルピアの感覚がまだ良くわからないので、安いか高いかもよくわからない。

 どこで調べてきたのか、ひーこの話だと声をかけてくるドライバーなんかに付いていったら、わざと遠回りされてボッタくられると相場が決まっているそうだ。さらにひどい時には誘拐されて莫大な身代金を請求され、最悪は殺される事も珍しくないとビビリまくっている(^^;
 なんだかな〜ここはどんだけデンジャラスな場所なんじゃい! ヘンな事言うもんだから、たいきもすっかりビビっちゃったじゃないか〜

 というわけで、そこらへんで声をかけてくるおじちゃんのタクシーに乗るのは断固反対のひーこ。
 とりあえず観光案内所に行ってタクシー乗り場の場所を聞いてみると、中にいたのはこれまたタクシーの運転手(^^;
 まあさすがにここにいた人なんだから大丈夫なんじゃないの?と思ったが、ひーこは絶対反対だという。もうメンドクセーな〜

 タクシー乗り場も見つからないしどうすりゃいいんだよ、このまんまじゃ空港から出れないじゃん!というと、ブルーバードタクシーかシルバータクシーなら安全らしいという。それを早く言いなさいよ。

 その2種類のタクシーを捜して再び空港前をウロウロしていると、再びタクシードライバーに声をかけられまくるが。「妻がメータータクシーじゃなきゃダメだというんだ」と説明すると、みんな「OK」と悲しそうな顔をしてあっさり引き下がってくれる。なんかそんな悪い人たちにはみえないんだなけどなあ。

 しばらくしてタクシー案内所があったので、ブルーバードタクシーはどこで乗れば良いのか聞くと、すぐ目の前に専用の乗り場があるのを教えてくれた。タクシーを一台ずつ係りの人が無線で呼んでくれる形式だったので目立たなかったみたいだ。

 乗り場にはトランシーバーを持ったおにいちゃんがいたのでブルーバードはここで良いのか確認すると、そうだと言う。
 どこのホテルに行くのかたずねられたのでホテルのバウチャーを見せたところ「OK!ここで待っていて」と頼もしい返事。やれやれ、これでなんとか空港から移動できるよ。

 ブルバードタクシーは安全なんだよね、と確認したら「もちろん!もし車内に忘れ物をしたら、この番号に電話してくれれば届けるし、とても安全」といって名刺をくれた。なるほど、これなら確かに信用できそうだ。ちなみにここからホテルまでは30分位、ただ夕方の渋滞が始まっているからもうちょっとかかるかもしれないとのこと。

 前に2組のお客さんが待っていたが、5分ほどでうちらの番が周ってきた。さっきのおにいちゃんはドライバーにホテルの場所をくわしく説明してくれている。ここらへんのドライバーは英語をしゃべれない人も多いのだろう。
 さらに高速に乗るので途中の料金所でこれだけ払うけど、それは別料金だから、と言って金額を書いたメモをくれた。なかなか親切な兄ちゃんだ。そしてスーツケースをトランクに詰め込みクーラーの効いた車内に入り、ドライバーがメーターをONにしたのを確認して一安心。

 タクシーは再び降りだした雨の中、ジャカルタシティーを目指し走り出した。

空港からのハイウェイを走っている分には、東南アジアの他の地域と大差は感じられない。
道路沿いには大きな看板が立ち並び、パーム椰子の畑や荒地が続いている。

 30分ほど走ると周りに建物が多くなってきた。遠くにビルも見える。そろそろジャカルタ市内のようだ。

しばらくしてうちらが泊まるホテルと思われる高層ビルが見えてきた。ここでハイウエイを降りる脇道に入った。
高架下は公園になっていて、その先には雨に濡れ椰子の木が南国情緒をかもし出していた。やっぱり南はいいなあ。

  しかしそんな気分もつかの間、いきなり大渋滞が始まった。全然動かない類の大渋滞だ。

 さらに動かない車の隙間をぬって物売りが次々とやってきた。売り物は新聞、お菓子、水鉄砲などさまざま。
 目が会うとその場に留まってしつこく品物を勧めて来るので寝たふりをしているのが一番だ。
 物売りはまだマシな方で、子供達はここでも「Something!」と片手を突き出してくるし、ホームレスっぽい女の人が何も言わず窓にべたっと手を押し付けジーッ戸と車内をのぞいててきたり、赤ん坊を抱いたお母さんが窓越しに何かを必至で訴えかけてくるという、バンコクやKLとは明らかに違うデンジャラスな雰囲気が漂っている。
 ここで車を降りて一人歩いたらきっと骨までしゃぶられてしまうだろう。コエ〜
 たいきも怖さMAXのようで必至に目をつぶっていた。

 永遠とも思える渋滞のあと、やっと合流地点が見えてきた。ここは赤信号の時間がやたら長い上、我先に突っ込まないと先に進めないようだ。これじゃ渋滞するのもしょうがないよなあ。

 そしてなんとか大通りに合流できた頃には雨も小降りになり、物売りからも開放されてちょっと気持ちにもゆとりが出てきた。ジャカルタの夕陽が雲の向こうにかすんでいる。

 そこからホテルまでは、まだしばらくバイクだらけの雑然とした街中を走る。これでよく事故が起こらない物だ。

 一方通行も多いようで、ぐるっと大回りをして10分ほどでホテルに到着。普通30分のところ、1時間以上はかかってしまった。 ホテルの隣にはショッピングモールが隣接していて、共通の入り口にはゲートがあり警備員が立っていた。これまた物々しい・・・

 車寄せでタクシーを降りエントランスを入ると、そこにはさっきとはまるで別世界の普通のシティーホテルのロビーが広がっていた。安全そうでホッとする。

そして無事チェックイン。いやーなんか精神的に疲れた・・・

うちらの泊まる部屋は10階。内装は可もなく不可もなくという感じだが広さだけはかなりのものだった。

頼んであった、たいきようのエキストラベッドが入っていないが、
このあとの夕方のベッドメーキングのときに入れてくれるのかな。

トイレとバスルームも広くて綺麗。これなら安心して暮らせそうだ。
なぜか洗面用のシンクは2個もある。カップルが並んで顔を洗うのかな?
僕としてはトイレが2個あったほうが断然いいんだけど・・・

それじゃとりあえず短パンにはきかえてリラックスしたところで、ミニバーの中のビンタンで乾杯。
ふ〜やっと着いたねえ。とはいえバリバラットまではここから先がまだまだ長いのだが・・・

ホテル自体が高台の上にあるので、部屋からの眺めは最高だ。
再び降りだした雨の向こうにさっきの物売りだらけの大渋滞交差点が見える。

こうやって遠くから眺めているだけでもその雑然とした雰囲気が伝わってくるようだ。
やはりあまり散歩はしたくないな。

 とはいえ折角来たジャカルタなのに部屋でじっとしているのももったいない。
となりのショッピングセンターの中なら多分安全だろうということで、
一息ついたところで夕食がてら出かけてみることにした。でも一眼レフは持って行かない方が身のためだろう・・・

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