セアカミツユビ最後のチャンス

 ついにミンピ最終日の朝が来た。今日もコーランで目が覚める。もはや生活のリズムに組み込まれてしまったようだ。

 今日はもうチェックアウトの日なので、出かける前にある程度自分の荷物の片づけを済ませておいた。と言っても飛行機に乗る訳じゃないから、スーツケースに荷物をどばっと詰め込んだだけなのだが・・・

 そしてYudiさんの知り合いというガイドさんとの待ち合わせの午前6時にフロントへ行くが、夜勤のスタッフ以外はだれもいない。まあしょうがないや。写真でも撮って時間を潰そう。幸いタカサゴモズやズアカアオバトなどがいてくれたので、それなりに退屈せずに過ごせた。

 しかし15分たってもガイドはやってこない。ちょっと遅いんじゃない?これじゃナンさん並みだよ・・・

 そして6時半、やっとバイクに乗ってガイドがやってきた。おせ〜
 大体今日は9時に戻ってこなきゃいけないんだから、現地で撮れる時間はもう1時間ちょいしかなくなっちゃったじゃないか! なんだかいきなり不信感だ・・・

 バイクを下りて、ちょっと気まずそうに握手を求めてきたちっちゃいおっさんが今日のガイド、バリさん。激しい巻き舌英語でこりゃ意思の疎通が大変そうだ・・・
 とりあえずバイクの乗り心地はYudiさんのよりは良さそなのが救いだな。それじゃとっとと出発しよう!

 バイクの後ろに乗ってラブアンラランまでの道を飛ばす。バリさんはヘルメット完備だけどこっちはノーヘル。スピードメーターを除くと80kmくらい出ている。こけたら死ぬかな?でもまだ早朝の道は風がひんやりしていてきもちいい。

 セアカポイントに着いてバイクを降りると空に虹がかかっていた。

 虹が出てるなんて、なんかラッキーだね、とバリさんに言ってみたが曖昧な笑顔と共に「Best season is September October November and December」とのお返事が帰ってきた。いきなり言い訳かよ、まだ歩き出してもいないってのに・・・・

 でも一昨日は居たんだからチャンスもあるだろう。少ない残り時間だけど、バリさんには期待せずに自力で探してやる位のつもりでがんばるぞ!

 川沿いの道をピョコピョコとした足取りで歩き出したバリのオッサン、どうやら双眼鏡ももっていないみたい。あたりをちらちら伺いながらとっとと歩いていくさまは、よっぽどの手錬なのか、やる気がないだけか・・・

 そして急に立ち止まるバリさん、もしかして見つけた!?さすが!と思ったら、ポーチからタバコを取り出し火をつけた・・・やっぱやる気ないんだ・・・

 タバコを吹かしながらガイドするなんて聞いた事ないよ。カオヤイのナンさんだってそこまでひどくはなかったよ。
 とさらに不信感を募らせながらピョコピョコ歩いていくバリのおっさんに付いていくと、一昨日セアカがなき交わしていたポイントで今日も声が聞こえてきた。しかしバリのおっさん気がつかない!?

 ちょっと待って!と呼び止めて、今セアカの声が聞こえた、というと「ちょっとここで待ってて」と言って一人咥えタバコでやぶのなかに入っていった。そして一回りして戻ってくると「いなかった」・・・ってさあ、あんた完全にやる気ないでしょ?
おっさん一人で行って見つけても、こっちはどうすんの?「いたよ」と言われてそれまで?別にセアカの生息調査しに来たわけじゃないんだからさあ・・・

 しかしおっさん再び「Best season is September October November and December」だ。たしかに今は葉っぱが多くてセアカを探すのは大変だよ、でもそこを何とかしてくれるのがプロってモンでしょ。しつこいようだけど一昨日は撮ったんだって!

 キョロキョロとタバコを吹かしながら川の中をジョブジャブと歩いてゆくバリのおっさん、明らかに虫の声と思われるのに反応して立ち止まる姿をみて、今日はもう諦めることにした。

 後半はここで待ってろ、と言っわれ、おっさん一人で森の中をタバコを吸いながらひとまわりしに行ったきり帰ってこない。結局その場でボーっと待ちぼうけのまま時間だけが過ぎていった。

 一度だけ川を飛んで横切るセアカの姿を見かけたが、対岸の木の中に入ったきり見失ってしまった。きっとYudiさんだったら見つけてくれたろうな、と思うと残念で仕方がない。やっぱりガイドさんの質ってのは大事だと思い知らされたよ。

 結局ここで9時になってしまったので宿に戻る事になった。撮れたのはトビハゼだけというすごい貧果だ(^^;

 帰り道、おっさんは「Best season is September October November and December」とブツブツ言っていた。だからなんなんじゃい凸(- -#

 そして宿に戻ったのが9時半。予定より30分遅れだよ。チップはナシで正規の料金だけ払うと、おっさんちょっと物足りなそうな顔をしていたが、そりゃ成果なかったんだからしょがないでしょ。

 というわけで最後のセアカチャンスは見事玉砕。オマケに早く帰ってくると言ったのに遅いからもう朝ごはん食べちゃったよ、とひーこに文句を言われ散々だ(;;)

 たいきとも釣りの約束を果たせなかったが、朝ご飯のときレストランに釣竿を持って行ったら昨日のおじさんがいて、釣りの面倒を見てくれたそうだ。よかったよ。

 ちなみにたいきの朝ご飯はコンチネンタルだかアのブレックファーストってやつで、パンがいっぱい付いててとっても美味しかったそうだ。僕は結局昨日慌てて掻っ込んだおかゆ以外、ここでは朝ご飯食べなかったなあ。

 そういえば、ここからウブドまでの送迎の手配を何にもしていなかったのを思い出した。あと数時間でチェックアウトだってのにのんきな話だよな。

 ここは遅刻したせめてもの罪滅ぼしに、フロントへ送迎の手配をしに行った。フロントの兄ちゃんは「今日!?」と困った顔をしていたが、ちょっと待ってて、と言って裏のほうに入っていった。しばらくして戻ってくると「OK」とのこと。良かった良かった。あまり心配してもいなかったけどね(^^;出発は11時という事でお願いする。

 それじゃチェックアウトまでもう一度釣りでもしようか、ということになりたいきと二人で海に向かった。

 今朝は何にも釣れなかったらしいが、確かに餌を投げ込んでも魚は寄って来さえしない。
水中を見ると水面近くに3cm位のダツの幼魚らしきのが浮いているだけで、後は時々小さいスズメダイが泳いでいく程度。これじゃちょっと厳しいかな・・・

 場所を変えてみるものの状況に変化はない。やっぱりもうちょっと沖に行かなきゃダメなようだ。残念。

 そろそろ時間もなくなってきたので釣果のないまま部屋に戻り、荷物のパッキングの仕上げをした。

 ポーターにスーツケースを運んでもらいガランとした部屋の中を見渡すと、一昨日初めてこの部屋に入ったときを思い出す。 3泊したこのヴィラ、すごくいい所だったけに、ほとんど出ずっぱりで部屋にあまり居れなかったのがもったいなかったなあ。もうちょっとのんびりと東屋での昼寝とか露天風呂とかも楽しみたかったよ。

 それにしても今日はほんと帰りたくなくなる様ないい天気だ。ちょっと悔しいぞ・・・

 やがてチェックアウトの時間にになったのでフロントへ行った。
 さあ、これから再び4時間の山越えドライブが待っている。たいきはすでにちょっとウンザリぎみのようだけど・・・

前へ目次次へ

鳥見旅行記トップへ

inserted by FC2 system