闇の中のケチャダンス

 目が覚めるともうあたりは暗くなっていた。せっかくウブドにいるのにもったいない事したか・・・

マッサージのお姉さんは帰ったようで、ひーことたいきもベッドで昼寝をしていた。
時計を見るとそろそろケチャダンスの送迎時刻だ。あんまりのんびりしてもいられないぞ。
二人を叩き起こし、出かける仕度をしてフロントへ向かう。
今回もカメラはMk4と12-24mm。ストロボもつけていくが果たしてどれだけ使えるもんだろうか・・・

フロントで待っていた欧米人の家族連れと一緒に送迎車に乗り込むと10分ほど走って会場近くに到着。
大通りで車を降りると路地の奥の会場まで歩いていく。
周りは薄暗くバリっぽい壁に囲まれていて、どこか不思議な世界に入り込んでいくようだ。

路地裏の一角にある集会場が今夜の会場。周りは民家に囲まれていて、すぐ向かいにある雑貨屋は
ジュースやスナックを買うケチャ見物のお客さんで大賑わい。なんか地元の経済振興にも役立っているようだ。

しばらく待っていると蛍光灯が消され、明かりは会場中央にある松明だけになった。
そんな中「チャチャチャ」の声と共に踊り手の男達が走り出てきた。ケチャダンスの始まりだ

わずかな明かり以外は暗闇の中、ケチャダンスがはじまる。
屋根があって空が見えない分、なおさら暗く感じるのだろう。肉眼で見ると、松明の周り以外はほぼ真っ暗だ
そんな闇の中、チャッチャッチャという掛け声のもと、会場のテンションはどんどんあがって行く。

そしてお姫様だか王子様だかが登場!

しかし実際ケチャダンスも3度目ともなると、前のような感動よりちょっと退屈の方が勝ってくるんだよな。
たいきも「もう帰りたい〜、腹減った〜」とぼやきはじめた。まあみんなそうなんだけど、
大人ってもんはここであからさまにそんなこと言っちゃいけないんだよ、ちょっと我慢しな。
大体今回のダンサーはなんかクオリティーが低い気がするんだよな。だからなおさら退屈なのかも。

そして退屈も頂点に達した頃たころ、やっとダンスは終了。良かったよ〜

次は二人の女の子の踊りとなった。気分転換になっていいかも。
どういう意味の踊りなのか分からないが、首をフリフリしながら踊るさまがかわいらしい。
解説書ではこのダンス中、踊り子はトランス状態になっているらしいが、
右の女の子は明らかにズレ落ちてくるカツラを気にしていたな(^^;

最後は竹馬火渡り踊り。これはたいきも大好きだ。
今回の竹馬爺さんは、前回のつまらなそうに椰子ガラを蹴っていた爺さんと比べものにならないくらいやる気満々。

盛大に火の粉を上げながら火の着いた炭を蹴り飛ばし、勢いあまって椰子ガラが観客席まで転がっていったりして
迫力満点だ。炎の中を跳ね回る姿にみんな拍手喝采だった。正直ケチャよかこっちの方が全然面白かった。

最後はあっという間に時間が過ぎ、今夜の舞台は終了。
ピックアップの車でホテルまで送ってもらい、晩御飯を食べに行く。

今日の晩御飯はチェンダナから歩いてすぐのカフェ・ワヤンに行ってみた。
ガイドブックにも載っている有名店だが、奥まった庭を取り囲むようにお座敷席があり、なかなか雰囲気がいい。

そして今日もまずはビンタンから。

そしてひーこはカレー、たいきはスパゲッティボロネーゼ、僕はナシチャンプルーを頼んだ。
ナシチャンプルーは一口カレーまで付いててお得感たっぷりだ。

久しぶりにミンピのレストラン以外で食べる夕食なのでつい興奮してしまい、
他にもサテとかガドガドサラダとかを頼んだらちょっと量が多すぎて、さすがに全部は食べ切れなかった(^^;

そのうち満腹も手伝ってたいきがダウン。

そういやケチャを見てから食べ始めたのでもう10時を過ぎている。
こんな夜更かしをしたのはバリに来てはじめてかも。

というわけで、たいきを引きずるようにして、
ホテルまで南国のもわっとした空気の中、のんびり歩いて帰った。
近くのレストランで食べておいて良かったよ。

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