レゴンダンスの夕べ

 シャワーを浴びて一休みしたらもう夕暮れだ。7時からのバロンダンスを見に行くため部屋を出た。

 今夜の会場は昼にも行ったウブド王宮。フロントで聞くとチケットは現地で買えるようだ。ついでに明日の朝のレンタルバイクも頼むと、受付の兄ちゃん、僕がちゃんと頼んでおくから大丈夫!となかなか頼もしい。

 王宮までは距離もそれほど遠くもないので再び歩いていく事にする。カメラは復活を遂げた7Dだ。外付けストロボを持って行かなくて良いのは楽でいい。

 日の暮れたモンキーフォレスト通りを王宮に向かって歩いてゆくと、チケット売りの若者がしきりと声をかけてくるが、なんとなく胡散臭いのでスルー。


 その後も何人もの兄ちゃんに声をかけられたが、最終的に王宮手前ですでに諦め気味で佇んでいたおばちゃんからチケットを購入。おばちゃんすごく喜んでいてなんか良い事をした気分だ(^^)

 王宮に入るとすでに開演時間。舞台の周りはお客さんで既ににいっぱいだったので、後ろの方のちょっと高くなった席に座って眺める事にする。

 さすが王宮だけあって舞台の後ろは立派な装飾が施された門がそびえ、昨日の集会所より全然雰囲気がある。
 バロンダンスを見るのは初めてなのだが、舞台を取り囲んだガムラン奏者たちが、涼しげな木琴の音を奏ではじめた。
これこそバリって感じだなあ(^^)

やがて門からきらびやかな衣装のダンサーが出てきた。ケチャのダンサーより愛嬌がある。

 そして主役のバロン君も辺りをうかがうようにしてゆっくりとその姿を現した。

お話ではこのバロン君が正義の味方で、悪いヤツをやっつけるらしい。

 なんとなくかわいらしいバロン君、まるで生きているようだ。

 ヒゲのこいつは明らかに悪者だろうな。でもどこかで見たことあるような・・・はっ、米〇倶楽部!

 だちょうクラブのようなお笑いっぽい人も出てくる。

 それより気になるのが時折上空を横切るオオコウモリ。なんとか撮ってやろうと頑張ったが、どうもタイミングが会わなくて結局撮れずじまい。残念だ。

 そちらに気をとられているうちに劇はどんどん進んで行き、そのうち主役のトップみたいな人も出てきた。ケチャだと2〜3人しかいない女性の踊り手だがバロンダンスにはいっぱい出てきて華やかだ。

 そして大盛り上がりのあとダンスは終了。

最後はキャストがみんな並んでカーテンコールで今日の舞台はおしまいとなった。

 はじめて見たけどケチャよりエンターテイメント性を重視しているようだ。ストーリーはいまいち把握できなかったけど、踊りを見ているだけでも結構楽しい。きっと歌舞伎とか見てもこんな感じなのかもね。

 たいきは隣の椅子でウツラウツラしている。今日はいっぱい歩いたから疲れたんだろう。

 会場を出たあと、最初は今朝の悲劇の舞台、ロータスカフェに行こうかと思ったのだが、
みんな疲れていたのでホテルの近くに戻って晩ご飯を食べる事にした。

 再びモンキーフォレスト通りを下り、ホテルをちょっと過ぎたあたりの奥まったレストランに入ってみる。

 ここも席が中庭を取り囲むレイアウト。照明はロウソクの光だけで薄暗い。
 お座敷席に座ってまたビンタン。考えてみればこれが今回のバリ島最後の晩餐だよ。それを記念して乾杯!

 料理が来るのを待つ間にたいきはすっかり寝入ってしまった。
ウブドに来てこっち、晩ご飯の時間が遅くなってるから眠くなるのもしょうがないわな

 そのうち料理がやってきたのでたいきを起こすが、寝ぼけているようで、一口食べたらまた寝てしまった。
まあいいや、残ったナシゴレンは僕が頂いておこう。

 うちらは2杯目の飲み物と一緒に料理を頂く。今日のメニューはいつものようにサテ、そして僕はナシチャンプルー、
 ひーこはピザを頼んだ。ここのナシチャンプルーはおかずの種類が少なくていまいち。サテがちょっとと茎っぽい野菜を炒めたの、それにテンペの炒め物がゴソッと乗っているだけだ。比べると昨日のカフェ・ワヤンのは素晴らしかった。

 なんだかんだ文句を言いつつもたいきのナシゴレンの残りまで平らげ、苦しいお腹がこなれるのを待っていると、隣の席のノリの良さそうな若い白人の女の子二人組が、店員に頼んだ料理の事について根掘り葉掘り聞き始めた。
 その中の「バカ」って言葉が気に入ったらしく、テーブルをぽんぽん叩いてリズムを取りながら「バカバッカバッカバカ」と楽しそうに歌い始めた。
 思わずこっちも笑っていると目が合ったので「「バカ」って日本語で「Fool」って意味なんだよ」と教えると「私たちみたい!」と大うけしながらまたしばらくバカバッカの歌を歌っていた(^^;

 彼女達は一人がシンガポール在住で、もう一人は元シンガポール在住のクロアチア人だそうだ。まだ若そうに見えるが声はすっかり酒ヤケしておばちゃんのようだった。 
 そのあと彼女達と色々としゃべっていたら時間はいつの間にか11時を過ぎていた。
明日も早起きだからそろそろ帰ろうかね。二人にお休みを言って、今日も寝ぼけているたいきを引きずるようにして宿に戻った。

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