たまには気分を変えて水辺の鳥
 今日も朝から天気はいまいち。風邪こそ完治したようだが後半は天気に恵まれない。
はたしてアカ様には会えるだろうか・・・

 機材を担いでホテルを出ると、駐車場の真ん中で数羽のカラスが何かにたかっていた。ヒキガエルでも潰れてるのかな?と思いカラスを蹴散らして近寄ってみると、そこにいたのはでっかいオカガニ。いったいどこから出てきたんだろう。
甲羅も硬そうだしはさみもでっかくて挟まれたら痛そうだ。

 カニはカラスに寄ってたかってちょっかいを出され怒り心頭のようで、口から泡を吹いてはさみを振り上げていた。

 その状況から救ってあげた、いわば僕は命の恩人だと思うのだが、ホテルをバックに記念写真を撮ろうとフィッシュアイレンズで近寄ると、レンズ面にハサミでパンチしてきやがった。コノヤロ〜カラスに食われても知らないからな!
こんな恩知らずは放っておいて、アカ様ポイントへ出発!

 途中、昨日と同じあたりで電柱に止まるカンムリワシ発見。たいきいなくてもちゃんと見れるじゃん!

  そして去年までのアカ様ポイントで見られたのは今日もシロハラクイナのみ。ほんと今年は一体どうなってるんだ?
 あんなにいっぱいいたアカ様、どこ行っちゃったんだろうか?

 その後昨日たいきとアカ様をたっぷり見たあたりを回ってみるが今日はぜんぜんダメ、いたのは野生化したクジャクだけだった。やっぱ昨日のアカ様パラダイスはたいきの「出てこいパワー」のおかげだったんだろうか・・・・

こりゃやばいなあ、と少々焦り気味で初日のポイントに行くと、ここで何とか本日初のアカ様が出てきてくれた!

 場所的にも初日と同じ個体かもしれないが、とりあえず今日もなんとかボウズは脱出できた。うれしいよりほっとする。

 しかしここで撮影していると、初めて石垣島でアカ様を撮ったときの事を思い出すなあ。
あの時は心臓バクバクでシャッターを押す指が震えたもんだ。

  それから8年経ってもアカ様に会った時のドキドキは全然衰える事はないけれど、一方であのころ神秘のベールに包まれていた石垣島の自然が、毎年のように来て細かくポイントを開拓していくと少ずつ剥がされていってしまうような気がしてちょっと寂しい気分になる。 それにもしかするとアカショウビンもあの頃に比べて数が減ってきてるのかなあ・・・

 さらにあの頃まだ赤ちゃんだったたいきももうすっかりでっかくなっちゃって、後どれくらい一緒に旅行にいけるのかな、と考えるとなんかまた感傷的になってくる・・・

 いかんいかん、こんな気分になるのもこの曇り空とアカ様の出があまりにも悪いせいだ!大体明日にはもう石垣島を離れなきゃならないってのにこの貧果だもんね。それとこの天気が良くないってのもテンションが下がるんだよな。

 大体石垣島のことだって、こんな年に一回来ているくらいじゃまだ表面の薄皮さえ味わえていないだろう。まだまだこれから発見しなきゃならないことがいっぱいあるんだろうからこんなことで凹んでちゃいけないよな。

 アカ様が少ないのは時期的なものに違いない。
 この時期ベストと言えばシギチかな?それじゃ今日はちょっと気分を変えて水辺の鳥を探しに行こう。

  でもその前にクワガタトラップをチェックしなくちゃと思い、昨日の場所に寄ってみるが今日もだめ。
再び仕掛けを元に戻し、明日のラストチャンスに賭けることにする。

 ついでに未練がましくアカ様いないかなあとあたりをちょっと捜索するが、結局撮ったのは蝶とかセミだけ。

 もうほんとに山には見切りを付けて水鳥のいそうな辺りを探そう。水鳥といえばやっぱりアンバルの干潟だろう、と記憶を頼りにアンバルの上流を流れる川へ向かう。ここから眺める景色はなんだか南の島っぽくて大好きだ。

 その先の用水路のような所で飛んでいくカワセミの後姿が目に入った。こんなとこにもいたんだ!石垣島でカワセミを見るのははじめてかも。やっぱまだ石垣島には深い懐がいっぱいあるじゃないか。

 その先の溜池のような所では水草の中にたたずむムラサキサギも発見!
八重山の鳥を見れると元気が出てくるな。それじゃこの調子でアンバルへGO!

  しか名蔵大橋に着き干潟を見渡してみると・・・満潮じゃん

これじゃシギチも無理だな・・・と再び凹みそうになるが、ここで負けてちゃいかん。
海辺が満潮だとなると、シギチがいるのは・・・田んぼだな。

数年前たいきと一緒にシギチが田んぼいっぱいにいるのを眺めたのを思い出す。あれはどこだったろう?
よく覚えていないが高い場所から見下ろせばどこに田んぼがあるかはわかるだろう。

 そして向かった高台から見下ろすと、サトウキビ畑の中に所々水をたたえて光る水田が見えた。
あそこが目的地だ。さっそくそちらに向かっていそうな道をさがして車を進める
 カーナビなんかなくてもなんとかなるこの簡単さも石垣島の魅力の一つかも。

 そして到着した田植え直後の田んぼには、予想通りシギが歩き回っていた。この風景が見たかったんだ(^^)

 シギチの識別はいまいち自信がないのだが、これはタカブシギかな?

 路肩に車を停めて車内から夢中で撮影していると、対岸の畦に所になんかちょっと感じの違う鳥の姿を発見。
 あ〜!あれってタマシギじゃないか!こんなとこに居るとは全然期待していなかったのでびっくりだ。
きれいだなあ、しかもメスの派手さは南国らしくて石垣島に良く似合う。

 オスメス2羽で歩いていたのであわててファインダーに入れるが、向こうを向いたメスが振り返るのを待っているうちにこちらの気配に気付かれてしまったようで、すぐに草むらに隠れてしまった。これは出てくるまで待つしかないか。
長期戦を覚悟でしばらくその場でじっとしていたが、そんなこっちの気持ちも見透かされてしまったようで、
2羽のタマシギはすぐに草の中から飛び出すと、はるか彼方の田んぼの方へ・・・

 もう見つけられる気はしないけど、初めてのタマシギに未練も残るので一応そっちのほうに移動。
 すると、かわりにセイタカシギを発見した。地元でも見られないことはないが、なんだかちょっと得した気分だ(^^) 

 ここでエンジンを切ってじっくり撮影していると後ろからトラックがやってきた。この畦道は車1台通るのがやっと。すれ違いもできないくらいなので、こうなったらもうそのまま前に進むしかない。慌ててエンジンをかけて前進するとトラックは畦道の十字路を曲がって畑の中の廃物置き場のような所に入って行った。こんな道でも車通りがあるんだなあ。

その先の田んぼにはちょっとシギチとは違うシルエットの鳥の群れが降りていた。バンの幼鳥みたいだ。
成鳥も田んぼの稲の間を歩いていた。バンも石垣島で見ると熱帯の鳥のようで新鮮だ。

 そのあとまたセイタカシギの所に戻ろうか考えたが、たいきとひーこに朝ご飯を買っていく約束をしていたのでこの日はひとまずそのまま撤収。帰るときにはすっかり気分も晴れていた。

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