滝を目指せ! 地獄の川登り
 朝ごはんをホットドック用のパンとマーガリンとコーヒーで軽く済ませるとすぐに出発だ。何でこんなに行動的かというと、今日の予定がいつも遊んでいる渓流の上流にあるといわれる幻の滝を目指すというものだからだ。

 装備は7Dとサンヨンとフィッシュアイのズーム。それに滝つぼにいるというハゼを撮るためのFinepixF30とハウジング。長丁場になるかもしれないので最後にもう一度バッテリーを充電して準備は完璧だ。
 
 出かける時、たいきのたっての希望でフロントで一昨日食べ損ねたバーベキュー食べ放題の予約をしておいた。

 斜めがけしたかばんの中にはお弁当代わりに朝のパンの残りが入っている。昼ごはんはこれにコンビ二で買ったウインナーを挟んでホットドッグでも食べよう。場所はもちろん幻の滝の滝壺だ。がんばるぞ〜

 車で30分ほど走りいつもの橋のたもとに着くとまずは記念撮影・・・しようと思ったら7Dバッテリー入ってないじゃん!
そういえば充電器からバッテリー取り外した記憶ないわ・・・orz

 と言うわけで今回の機材に大幅な変更が加えられた。カメラはFinepixF30のみ!あとはひーこのTZ-7が頼りの綱となってしまった。いきなりこれじゃ先が思いやられるが、まあ川の途中で気付いたんじゃなかっただけよかったかな。
重たい一眼機材は車に放置して、気を取り直して出発だ。

 河原に下りてみると今年は水が大分少なめ。これならちょっとは歩きやすいかな。

 歩きなれたといってもいい河原を上流へ向けて進んでいく。

太陽は出ていないけど、湿気が多くて蒸し暑いので、川の中を歩くと気持ちいい。

 水際を飛び回っているのはコナカハグロトンボ。ここでは良く見かけるが、これも八重山ならではの昆虫で
この仲間では日本で唯一の種類だそうだ。しかしF30じゃマクロはきついなあ

撮影にはいろいろ差し障りがあるが、カメラが小さいと身軽に進んでいけるので良いところもある。

とはいえ岩登りが続くとだんだんバテて来た(^^;

最初は気持ちよかった水の中も、水の抵抗がしんどいので極力陸上を歩くようになってくる。

疲れたので一休み。周りはジャングル、こんな時はしんどいけどいい気分

 そしていよいよいつもの堰堤にたどり着いた。 水量が多いので泳いで進まなければだめかもと覚悟していた堰堤上のプールだが、今回は水が少ないせいでなんとか歩いて行けた。
 でも後で見てみたら横に巻き道がついていたので、滝のことを教えてくれた人たちはこっちを通っていったんだろう。

ここから先は未知の世界だ。後どれくらいで目的地かもわからない。
登りはさっきよりきつくなってきた上、淵が少なくなり岩場が続くようになってきた。半分崖を登っているようだ。

岩の上にたたずんでいたのはコガタハナサキガエル。

ヤエヤマキノボリトカゲの姿も見える。ここに来ると石垣島の山懐深くに入り込んできたような気分になれる。
でも疲れた〜

そしてかなり進み、ヘロヘロになった頃、かなり大き目の落ち込みに遭遇。ここがその幻の滝だろうか?
でも滝って言うにはちょっと小さい気がするな。どうする?もう疲れたからここを幻の滝にしちゃう?

でもよく見るとまだ先へ進めそうだ。せっかくここまで来たんだ、もうちょっとだけ頑張ってみよう。

そして最後の力を振り絞りこの落ち込みをよじ登ると、そこには大きなプールが広がり、
その先に高さ10mほどある滝がそびえていた。これこそ幻の滝に違いない!

やっとたどり着いたよ。思ったより遠かったけど達成感があるねえ。それじゃまずはお弁当だ。
各自座り心地のよさそうな岩に腰を下ろし、パンにウィンナーを挟んで麦茶と一緒にほおばる。こういうところで食べると冷えたホットドッグもまた格別だ。

 おなかいっぱいになった後はいよいよ滝つぼでハゼ探し。恐る恐る水に入り深場へ向かった。

やっぱ肉襦袢着てるから寒さに強いのか、たいきはいきなり平気でジャボジャボやっている。

 しかし海と比べると川の水はめちゃ冷たいのでいきなり入ったらおっさんは心臓麻痺を起こしそうだ。
ちょっとづつ体を慣らして行き、僕は3分ぐらいかけてやっと肩までつかることができた。
さてハゼはいるかな?

たいきにゴーグルを借りて水中を除くとかなり濁っていたが、ハウジングに入ったF30で撮影開始。
ただ外の湿気がハウジングの中まで入り込んでいるのと水の冷たさでレンズ面が結露しまってなんだかモヤモヤだ。
こういうことがないように、本来ならホテルの冷房の効いた乾燥した部屋でハウジングをセットしてあとはずっと開けないつもりだったのだが、F30は7Dの代わりとしてハウジングから引っ張り出されてしまったのだからこうなることは目に見えていた。まあしょうがないよな。

底は細かい砂が引き詰められていて歩いて巻き上げてしまうと何も見えなくなるので、
水面に浮きながら滝つぼ周りを探すとなにやら動くものがたくさん。そっと近寄ってみるとテナガエビだった。
1cmくらいの小さいものからザリガニくらいある大きなものまでいっぱい居る。

横でプカプカ浮いていたたいきはテナガエビにお腹の肉を挟まれて痛がっていた(^^;
確かに脂肪たっぷりで美味しそうだけど、クマノミに咬まれたり、テナガエビに挟まれたり、
生き物に餌として認識されてるんだろうか?

それに岩と岩の間の砂地には確かにハゼは居た。撮影しようと思ったらハウジングの曇りがかなりひどくなってきて、何を見てるのかわからないくらいになってきた。しょうがないので一度水から上がり、汗拭きタオルでハウジングの中の曇りを拭いて、再び撮影に挑む。これを繰り返しておぼろげながらその姿を撮影することができた・・・

が、こりゃ普通のヨシノボリだろうな。

石垣島の川にはナンヨウボウズハゼというメタリックブルーのとてもきれいなハゼが居るらしい。
いずれはそれを撮ってみたいものだ

夢中になって冷たい水に浸かっていると身体が芯から冷えてがくがく震えてきたので水辺の岩の上に上がり、
寝そべって暖を取った。時折太陽が顔を出してくれると今までの寒さがうそのように一気に暑くなってくる。
太陽の力ってすごいよなあ。ありがたい〜

しかし一度暖まったらもう水に入る気はしなくなってしまった。
滝まで行くっていう目標も達成できたし、それじゃそろそろ下流へ戻るとするか。

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