はじめての一人国際線

 出発当日の朝がやってきた。たいきとひーこを置いて旅行に行くのは忍びないが、たまにはこういうのも許しておくれ。

 今日のKL行きのフライトは10時30分。2時間前に空港に着いておけば問題ないだろうと思い、学校へ行くたいきと一緒に8時過ぎに家を出た。

 朝の通勤時間帯ということもあってタクシーがなかなか捕まらず、京成上野に着いたのが8時半。

 まあまだ2時間前だからな、と余裕の気分でスカイライナーの切符を買う。8時37分発だそうだ。で、成田に着くのが9時29分?・・・げげっフライトまで1時間じゃん・・・国際線なのにやばくね?でも何でこんな計算になったんだろ(汗)

 まあいまさら慌ててもスカイライナーのスピードが上がるわけでもない。座席に着くと深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、後は天に祈るのみ・・・

 そしてスカイライナーは定刻どおり(^^;フライト1時間前にマレーシア航空の入っている空港第2ビルに到着。
 かなり焦り気味に早足で改札を抜け出発カウンターへ行くと、2月半ばという閑散期のせいかガラガラで、あっという間にチェックインの手続きを終了できた。これでもう置いていかれる事はない。良かったよ〜(^^)

 事前に指定しておいた座席は脱出口の前の広い席。係員の人に「ここは緊急時に乗務員の手伝いをしていただかなくてはならないので英語がおできにならないといけないのですが大丈夫でしょうか?」と聞かれ、ムニャムニャムニャと答えておく(^^;

 その後こちらもガラガラのイミグレーションを抜けたのは、スカイライナーから降りてほんの10分後のことだった。
 なんだ、楽勝だったじゃん!まあ今回は運が良かっただけという感じではあるが・・・;
 
 いつもならここで出発ビールをいただく所だが、今日はひーこもいないのでおとなしく搭乗ゲートに向かい、忘れ物がないか再びチェック。パスポートよし!アゴーダのバウチャーよし!ダナンバレーのバウチャーもよし!完璧だ。

 出発時刻になると、少々緊張しつつ機内へと向かう。一人で飛行機に乗るなんて何年ぶりだろう。
 昔沖縄に行く時はよく一人で乗っていたけど、その昔ってまだ国内線でも機内食が出てたくらい昔のことだからほんんっとに久しぶりなのだ。

 とはいえ一人でも家族でも、席に座って本でも読み始めたらどっちも大して変わらないか。違いは隣がたいきじゃなくて知らないおっさんって位だ。綺麗なお姉さんだったらまだ良かったのに〜

 そして飛行機は寒い日本から熱帯のKLへ向けて飛び立ったのであった。 

 PSPでゲームをしたり本を読んだりと一人の世界に没頭しているうちに機内食の時間がやってきた。
チキンorフィッシュは迷わずチキンをお願いして、飲み物はもちろんビール♪
 この日のメニューは鶏の照り焼きご飯添えとウナギサラダにそうめん。これで和食もしばらく食べ収めかな。

 食後一段落したところでマレーシアのイミグレーションカードが配られた。とっとと書いておこうと思ったらペンがなかったので近くにいたマレーシア人のCAのお兄さんに何か書くものを貸してほしいと頼んだら、手紙セットを持ってきてくれた。そっちじゃなくてペンがほしいんだけど・・・こんな英語力の僕がこの席にすわっててもいいもんだろうか(^^;

 改めてペンを持ってきてもらい、パスポートを引っ張り出して一生懸命カードに記入を済ませる。いつもはひーことあーだこーだいいながらやってるのでちょっとさびしいかも。それでも何とか全部の欄を埋めてほっと一息。

 もう一杯ビールをもらおうかな、と思っていたらさっきのCAのお兄さんが通りかかったのでペンのお礼を言ってビールを頼むと「OK!」とノリノリで持ってきてくれた。

 しばらくして飲み終わりもう一本お願いすると、それ以来ビールを飲み終わる頃合いを見計らってどんどんお代わりを持ってきてくれるようになった。

 お兄さんがまた勧め上手で、目が会うとニコッと笑って「もう一本どう?」と聞いてくるので断りきれず、結局何本飲んだか判らない(^^; 後半出てきたチキンサンドをツマミにまた一本。

 そんな風に過ごしていたら、一人でどうしようかと思っていた機内の時間もあっという間に過ぎてゆき、気が付くと眼下にはもうマレー半島の大地が広がっていた。

 もうすぐKLに着陸するって言うアナウンスのあと、「最後の1本どう?」と最後の最後までビール漬けで過ごさせてもらいすっかりいい気分。

 その後、着陸態勢で僕の前の席に向かい合わせに座った彼といろいろおしゃべりしているうちに飛行機は無事クアラルンプール国際空港に着陸した。

 最後に一緒に記念写真を撮って握手をして分かれたのだが、なんだか彼のおかげで一人でも楽しく過ごせたよ。お兄さんありがとう、ナイスガイだったぜ!

 ほろ酔い気分でクアラルンプール空港へ降り立つと、チケットの入っていた袋に書いてあった地図を見ながらエアロトレインに乗って国内線ターミナルに向かう。 こんな日本から遠く離れた海外の地を一人で歩いていると思うと感慨深いものがある。こういうのもなかなかいいもんだ。

 そしてその先にはKL名物、ガラス張りの熱帯雨林が見えてきた。

 しかしここで道がよくわからなくなってしまった。ちょっと焦りつつ案内カウンターのお姉さんに教えてもらうと、今来た道を戻れという。「ちゃんと言葉が伝わってないのかな?」と半信半疑ながらも引き返して国際線の到着ロビーから一階下に下りるとそこにイミグレーションがあった。なるほど、ここで入国手続きを済ませるんだ。
 そういえば前に来た時もこんな感じだったかも。マレーシアなんて久しぶりだから忘れてたよ。

 この下のフロアが国内線のサテライトになっている。掲示板で搭乗ゲートを確認、こんなのも普段ひーこまかせなので大事だったが、なんとかコタキナバル行きのゲートまで到着。自力で良くぞここまで来れたもんだ、俺って偉い!なんて心の中で自画自賛しながら空いている椅子に座り込むと、さっきまでのビールの酔いも手伝ってしばらくウツラウツラする。

 しばらくして周りのざわめきで目が覚めると、すでに待合室の入り口がが開いていたので中に入って待つことに。
 外にはこれから乗る飛行機が出発の準備中だった。あれに乗ったら次は今日の目的地、コタキナバルだ。

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