肩慣らしに川まで散歩
 部屋に戻りD3とロクヨンを三脚をセットすると、18−200mmの付いたD7000をたすきがけにして、首からはFT1の付いたニコン1Jをぶら下げるというフル装備でレストランの下の広場へ向かう。

 このダナンバレー、ヒルが多いとRICKさんに散々脅されていたけど、ホテルの敷地の周りは大丈夫みたいなので、服は短パンにクロックスの軽装だ。
 

 そしてD3+ロクヨンVR海外デビュー初ショットはさっきコシラヒゲがいた枝に止まっていたリュウキュウツバメ。

 しばらくしてRICKさんたちも合流して一緒に撮り始める。

 庭の花に来ていたのはハイムネクモカリドリだ。クモカリドリってもしかしていままでタイヨウチョウと思って見過ごしてたかも。動きも形も似てるからなあ。でもはっきり「クモカリドリ」だと思って見るのは初めてだ。

 ほかに何かいないかな?と思って河原のほうに行ってみるとルリノドハチクイの群れに遭遇。

 結構距離があったので、ここはニコン1でデシスコするしかないでしょ!とボディーを付け替えたものの、2000mmオーバーは拡大率が高すぎ・・・導入することもできないまま、ハチクイたちはどこかに飛んでいってしまった。修行が足りないな。

 そのうち今までキラメくように晴れ渡っていた空からいきなりポツポツと雨が降り始めた。やっぱ雨季はこんな風に一日中降ったり止んだりが続くのだろうか。まだそれほどひどい降りでもなかったのでレストランの軒下まで避難すると、さっきの木にコシラヒゲカンムリアマツバメが止まっていた。

 しばらく待ってみるものの、雨が止む気配はない。このあとボードウォークあたりにでも
偵察に行こうと言っていたのだが、これじゃだめかなあ。しょうがないので一旦部屋に戻ることにする。

 あ〜あ、折角ダナンバレーまで来たってのに出かけられないなんて勿体無いなあ。でもこの天気じゃ仕方ない。
冷蔵庫のコーラを飲みつつしばらく待機することにする。

 今までの画像チェックをしたり、充電器の設置をしたりしながら30分ほどが経った頃、RICKさんがお部屋拝見にきてくれたのでベランダでうちのオウギビタキちゃんの紹介などしているうちに雨が小降りになってきた。これならいけるかも。 それじゃもう少し様子を見て大丈夫そうなら出かけてみようか、ということになった。

 そのうち雨もほぼ止んでくれたので、一応ヒルに備えて新兵器の野鳥の会長靴を履き、三脚つきのロクヨンとD3付を担いでD7000と18−200mmにはバスルームにおいてあったシャワーキャップを被せてたすきがけにする。ロクヨン用のレインコートも用意して雨対策もばっちり。それじゃ出発だ!

 メイン棟のエントランス前はロータリーになっていて、その真ん中に大きな木が一本そびえている。このレインフォレストロッジの象徴みたいな木だ。でっかいなあ。メンガリスってやつだろうか?

 その一角で白いクリイロリーフモンキーが一心に餌を食べていた。リーフモンキーだけあって餌は葉っぱのようだ。

 こいつを撮影していると、どこからかスコープを担いだワンコンが登場。どうしたんだろ?なんだか機嫌悪そうだけど、勝手にどこか行こうとするうちらを見つけて文句を言いに来たのか?とも思ったがそうではなさそうだ。うちらだけじゃ行かせられないから仕方なく付いてきてくれたみたいだ。いいとこあるじゃん。彼がいてくれればとっても心強いもんね。

 急遽ガイドつきトレッキングとなったわけだが、ここでワンコンに付いて行く順番を決めなきゃならない。ガイドの近くのほうが鳥を見れる確立高そうだからね。そこでジャンケンをしたら一番RICKさん、2番にゃっちさん、そして3番僕、ジャンケンよわっ(^^;

 ワンコンは橋の所まで行ってみようという。了解、それじゃどこまでも付いていきますぜ。
 さあ、初めてのボルネオのジャングルウォークが始まった。何が出てくるかドキドキだ。なんだかそこら中に鳥が隠れていそうな気がする。

 歩き出してすぐ姿を現したのはズアカサイホウチョウ。
普通種だと思って気合入ってなかったし動き回るので葉っぱかぶりしか撮れず。

その後かなり遠くの木の上に「Dusky broadbillがいる」とワンコンが教えてくれた。
かなり遠いし逆光で色もわからないけど確かにガマヒロハシのようだ。けどやっぱワンコン目がいいんだなあ。
ただこの距離じゃ写真にはならない。まあこれはカオヤイでいっぱい撮ったからいいか。

次にでたのがアオバネコノハドリ。これも遠いし結構な保護色なので教えてもらえなければわからなかっただろう。

そのあと橋が見える所までやってきたところでワンコンが「XXXXがいる」と前方を指差して立ち止まった。
いよいよ大物出現か!?がど説明を聞いてもどこにいるのか全然わからない。

 ここで秘密兵器が登場、レーザーポインターだ。ただ、これで目的の鳥をぐるっと大きな円で囲ってくれればいいのだが、ワンコンスタイルだとあるポイントを指して「One feet left」とか「Two feet avobe」っていう感じで指示してくるのでとっさにどこを見ればいいのか判りづらい。まあこれも鳥に警戒されないためのアプローチなのかもしれないけど。

そしてやっと見つけた小鳥は日本でおなじみサメビタキ、しかも止まっていたのはつり橋のワイヤー。残念でした・・・

今回はここが終点。帰りはちょっと陸地側に入った水のない川沿いのトレイルを歩いて帰ることになった。
ここは湿り気も多いし草も生い茂っていてちょっとヒルが出そうな感じ。

トレイルを歩き出ししばらくすると「チーチー」というカワセミ系の声が聞こえてきた!おおっ!セグロミツユビ!
そんなボスキャラにいきなり会えちゃうのか!?とみんなの間に緊張が高まる。

環境的にはバリのセアカミツユビポイントに似た雰囲気なので、セグロがいても全然不思議じゃない。
ここぞというポイントごとに立ち止まり気配をうかがうワンコン。みんなの期待は彼の背中に集まっていた。

そうしてどれくらいの距離を歩いただろう、ワンコンの周りからふと緊張感が消えた。
どうやら今回はだめだったようだ、残念・・・

まあまだ初日、これからチャンスはまだあるだろう。

その後は特にこれと言った鳥も出ないままトレックは終了。メインロードにでると、森の向こうにメイン棟が見えてきた。

エントランスに付くと、ワンコンが「これからスライドショーを見るか?」と聞いてきた。まだ5時前だけど、
うちらだけで先にチャチャっと済ませちゃうのかな?

でも折角雨も上がっているしまだ明るいのにもったいない。予定通り6時からにすることにしてワンコンとは分かれた。

 このあとRICKさんたちは一度部屋に戻ると言うことなので一人で河原に行った。普段ならひーことたいきが待っているから部屋に帰らなくちゃならない所だけど、今回は一人だから誰にも気兼ねなく心行くまでカメラを担いでいられる。こういう面では一人も中々いいもんだ。

 上空にはツバメとコシラヒゲカンムリアマツバメが飛び交い、対岸の熱帯雨林にはもやがかかっていて雰囲気満点。

しばらくすると上流から猛禽が飛んできて、川岸に降り立った。コウオクイワシ(Lesser Fish-eagle)いうやつだ。
暗くなる前にもう一種追加することができて得した気分。粘ってよかったよ。

そのうちスライドショーの時間が近づいてきたので一度機材を置きに部屋に戻り、RICKさんたちと一緒にミーティングルームへ取って返す。はたしてどんなお堅い話聞かされるんだろうか・・・めんどくさいなあ。

6時過ぎ、うちらのほかもう一組欧米人の親子連れをオーディエンスにしてスライドショーが始まった。
解説はちょっと太目の陽気なスタッフ。

 このボルネオレインフォレストロッジの出来たいきさつみたいなことから始まり周囲の熱帯雨林のこと、そして周りにすむ生き物などの話が続いていく。

 野鳥のところは多少興味を持って見ていられたが、解説は全部英語。昔英語の授業っていつも眠くなってたよなあ・・・
さらにこのミーティングルーム、クーラーが効いていて、さっきまで歩き回って汗まみれになった体に冷気がとっても心地よく、まぶたがどんどん重くなってきた・・・大体今朝は4時起きだったんだ、このシチュエーションで眠くならないわけがない。

 でもこの空間にゲストは6人、しかも僕は一番前だ。やべー位置取り間違えたよ。ここで寝たら絶対ばれるよ。
 怒られはしないだろうけど、一生懸命しゃべってるスタッフに見つかったら、彼心の中で絶対へこむよ、悪いよなあ・・・
 そんな一心でまぶたを開けていることに全力をかける。でももしかして白目剥いていたかも(^^;

 時折スタッフが「XXナンデスヨ、ハハハ!」と一人盛り上がってる所では相槌を打たなきゃ悪いなと思い、何言ってんだかわからなくても微笑を浮かべてうなづき理解を示す、それが精一杯だ。

 後はひたすら睡魔との戦いが続き、地獄のような1時間が過ぎやっと開放された時にはもうくたくただった。

さあ、それじゃ晩ご飯晩ご飯♪

前へ目次次へ

鳥見旅行記トップへ

inserted by FC2 system