ナイトドライブは大収穫
 そのまま2階のレストランへ行くと、まだちょっと早かったようだが席に案内してくれた。夜は夜でまたしっとりとしたいい雰囲気だ。

 そしてダナンバレー無事到着を祝してはじめて3人で乾杯!昼は僕しか飲まなかったからちょっと寂しかったのだ。
みんなで飲むビールはまた美味いねえ(^^)さっきまでの眠気も吹っ飛ぶな。

 今晩のディナー、まずは前菜に海老のフリッターが出てきた。まだ熱々サクサクでとっても美味い。

 壁のヤモリも晩ご飯の最中のようだ。

続いてスープが運ばれてくる。今晩はポタージュっぽい濃厚なスープだった。

そのあとは一気に6品が運ばれテーブルはいっぱい。プチバイキングって感じになった。前回RICKさんたちが来た時は
毎日普通のバイキングだったそうだが、今回はお客さんが少ないからこういうスタイルなのかな。

 にゃっちさんは晩にはご飯をあんまり食べられないというので、ご飯をもらっちゃった。ありがと♪
そういえばRICKさんたちの旅行記って晩ご飯あんまり食べてないもんね。ここは任せておくれ
これだけあればおかず配分もばっちりだ(^^)それにいろいろ盛り付けてセルフナシチャンプルの出来上がり!うまそ〜

 そして僕だけビールをお替り。でもこれからまだナイトドライブかあるから今晩はこれで止めておく。なんという精神力だ。自分でも驚くぞ。 でもビール飲んでご飯とおかずをほぼ平らげたらやっぱり今晩もまたぐるじ〜。

 食事を終える頃、外はまた雨が降り出した。こんなんでもナイトドライブ行くのかな?なんかもう疲れたし苦しいので、中止になったらそれはそれでいいかな、なんて気分になってきた。まあ様子を見るか。

 どちらにしてもこのままでは行動不能なので、各自一度部屋に戻って一休みすることにする。次の集合は8時半、それまでに消化完了てくれるとよいのだが・・・

 RICKさんたちと別れ部屋に入るとベッドに寝転んでしばしゴロゴロする。部屋の回りは外にも中にもヤモリがいっぱいだ。これだけいてくれたら虫もいなくなるだろう。

 普通のヤモリはトッケーみたいな激しい鳴き方をしないからいい。あのキュッキュッキュッキュッキュッって声は熱帯の情緒を書きたててくれてむしろ耳に心地よいくらいだ。ヤモリたち、がんばって虫をいっぱい食べておくれ。ただベッドの上に糞が落ちているのは困りものだが・・・

 天井のファンを眺めているとなんだか催眠術にかかったように眠くなってくる。雨がこのまま止まなければ眠れるのになあ・・・でも折角のナイトドライブも行きたいしなあ・・・
 

 そんな風に思い悩んでいるうちに出発時間が迫ってきた。外を見るといつの間にか雨が止んでるじゃないか。これは神様が「ナイトドライブに行きなさい」と言っているに違いない。こうなったら行くしかないだろう。

 というわけで早速機材の準備をする。多分被写体はガイドさんがスポットライトで照らしてくれるだろうから、それを追いやすいようにメインレンズは50-500mmの手持ちにする。ボディーはもちろん高感度番長D3。ISOは6400でいくつもりだ。はたしてこれでスポットライトの光だけで撮影できるか。その前にAFが合うかな? それと一応サブにD7000と18-200mmも持っていこう。どうせ車だしね。

 これにレインウェアとヘッドライトで準備は万端。足元はずっと車に乗りっぱなしだろうからクロックスでもOKだろう。
 待ち合わせ場所のメイン棟のエントランスへ向かうとナイトドライブのトラックが待っていた。この荷台に乗って行くみたいだ。さっきまでの雨のせいか今回のゲストはうちらだけ。この車丸々貸しきりだよ、やった〜

 そして彼が今回のガイド、よろしく頼みますよ。それじゃ出発!

 ガイド君は強力スポットライトでせわしなくそこらじゅう照らしまくりながら車を進めていく。
はたして何が出るだろうか。 ライトの照らす先と車のヘッドライトの範囲以外は真っ暗だ。
みんなと一緒じゃなかったらちょっと怖いだろうな。

 走り出してすぐ、どういうコミュニケーションをしているのかしらないが車が止まった。そしてガイド君が前方の道路を照らすと何かが道路の上でこっちを見ている。おお〜すげ〜シベットじゃん!こんなの見られるなんてさすがダナンバレー!

あわててカメラを向けるものの、シベットはピントが合う前に道路わきの藪に入っていってしまった。
また出て来てくれないかとしばらくそこで待ってみるがだめみたいだ。ガイド君によると、道路にカエルを食べに来ているから、帰りにまた見られるかもとのこと。それじゃそれに期待しよう。しかしいきなりテンション上がるなあ。

上空をコウモリらしき影がしきりと横切っていくが、あまりに早くて追いきれない。

次に車が止まった時はガイド君は道路脇の木の上を照らした。するとそこには光る目が!
なになになに?もしかしてフクロウ系?!

 と期待して見ていると光る目はパッと空中に飛び出した。ヒヨケザル?と思ったらムササビだ!
スポットライトで追ってくれるので、暗闇の中に座布団が飛んでいるような様が浮かび上がる。
ムササビもすごいけど追従するスタッフの腕もたいしたもんだ。

ムササビはちょっと離れた木に飛び移ると、スポットライトの灯りに追われるようにして
再びスルスルと木の上のほうに登っていく。

 そして木のてっぺんまで行くとまたジャンプ!飛び出したムササビの姿はまるでUMAみたい。
知らない人が見たらビビるかも。

 その後も何箇所かでムササビやサンバーなどの動物に遭遇。それを見つけるたびに止まってくれる車。
 ガイドさんと運転手さんはどうやってコミュニケーションをとってるんだろう?このトラックボロだから音がうるさいので荷台と運転席じゃ声も聞こえないだろうに。もしかして運転手さんが自分で見つけて車を止めているのだろうか。だとしたらスポットライトもないのに運転手さんすごいねえ、ガイドさんよか運転手さんの方が目がいいんじゃない?と言うと「そりゃガイドさんが運転手さんにライトで合図してるんだよ」とRICKさん。なるほどねえ・・・

 途中一台の対向車とすれ違ったあと、長い坂を登りきったところで車はUターン。ここが終点みたいだ。
と、車がいきなりエンジンを切った。さっきの車の影響がなくなるまでしばらくここで待つのかな。
そしてガイドさんもスポットライトを消すとあたりは真っ暗に包まれた。お互いの顔もわからない。

空を見上げると出かける直前まで雨が降っていたなんてうそみたいに満天の星空が広がっている。
そしてその星空をバックにたくさんの蛍が飛び交っている。時折遠雷の光で遠くの山陰が浮かび上がる。
光はそれだけ。そして聞こえてくるのは虫の声だけ。とっても静かな時間だ。
これはたいきとひーこにも見せてやりたかったなあ。

 そうして10分ほどすごしたろうか。そろそろ戻ろうと言うことになり車のエンジンを掛けようとするが、これが中々かからない。なんがやばいんじゃない?こんなとこで立ち往生か!?ゾウの群れでも出てきたらどうすんのよ。

 ちょうど車は坂の上に下を向いて止まっていたので押しがけを試みるようだ。
 ブレーキを離すと車はゆっくりと坂を転がり始めた。そしてある程度勢いが付いた所でクラッチをつなぐ衝撃が何度か来るが、エンジンはかからない。このまま下りきっちゃったらどうすんだろう!?と心配し始めたところで、荷台から落っこちるんじゃないかと思うような激しい衝撃とともにエンジン始動!よかったよ〜(^^;もしかしてこれもアトラクションのうちか?

 帰り道、道端の高さ50cmほどの草の上で眠っていたのはアオハウチワドリ(Yellow-bellied Prinia)。ガイドさん良く見つけたねえ。こんなとこで寝てたらあっという間に食べられちゃうんじゃないかと思うのだが大丈夫なんだろうか?

 車を止めてもらいじっくり撮影していると、ライトに釣られて何匹かのハチがやってきた。それほほど大きくないのだが、かなり強い毒があるそうで、ガイドさんは危ないからと言って上からスポットライトを被せ、熱で羽を焼いてから角でぐりぐりやっつけていた。ライトも強力だけどそんな強力なハチがいるってのもやっぱりダナンバレーだな。

 次に現れたのはスローロリス。まさか見れるとは思ってなかったのでとってもうれしい。

 スローって名前の通り動きはすごくのんびりしているのだが、光がイヤみたいで顔だけは背けるため、こちらを向いてる姿は撮なかった。でも見れただけでもよかったよ。今回のナイトドライブは収穫がいっぱいあったなあ。フクロウ系が見られなかったのは心残りだけど。

 森の向こうにうっすらとロッジの明かりが見えてきた。そろそろナイトドライブも終わりかな、と思ったら車は道を逸れ、職員宿舎の方へ向かった。ここなら明かりがあるからアオバズクとかいるかもしれないな。
と思っていたら、スポットライトの明かりに浮かび上がったのは巨大な
マレーウオミミズク!しかもペアだ!こういうのに会いたかったんだよ〜!大興奮でシャッターを切りまくった。その大きな獣じみた姿はシマフクロウを彷彿させる。ミミズクの王道を行くって感じだな。すばらしい!

 これですっかり満足していたのに、もう一種別のフクロウも現れた!オオフクロウだ。さっきのウオミミズクより派手な感じ、こいつもでかかった〜。しかしスポットライトの明かりだけでここまで撮れるとは思っていなかった。さすがD3!RICKさんたちに画像を見せて思わすはしゃいでしまう(^^;

 オオフクロウのところからさらに先に進むと、さっきのマレーウオミミズクがさらによく見えるところにでた。
 

 そしてマレーウオミミズクが暗闇の向こうへ飛び去ったところで今晩のナイトドライブは終了。車はロッジのエントランスへ戻った。

 しかし一気に2種類もフクロウ系を見れたし、シベットもムササビもサンバーも、そしてスローロリスまで、さらにあの星空と蛍、今晩は大収穫だったなあ。ガイドさんに「あんたすごいよ!」と握手をしてホクホクで車を降りるともう時10時をすぎていた。RICKさんたちと明日の朝6時半にエントランスの所に集合の約束をして、興奮冷めやらぬまま部屋へ戻った。

 そしてシャワーを浴びてさっぱりすると、今朝買ってきたタイガーを飲みながらPCを立ち上げて今日の画像のバックアップをする。腕や顔に小さな羽虫がまとわり付いてくるが、ここは熱帯のジャングルの中、そりゃ虫もいるだろう。

 2本目のタイガーを空ける頃にはかなり眠たくなってきた。そしてベッドに寝転んでバックアップした画像をチェックしているうちにいつの間にか寝入ってしまっていたようだ・・・

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