雨の中の初トレッキング
 一度部屋に戻ってタオルを持ったりカッパをちゃんとしたレインウェアに替えたりして準備を整えるとエントランスへ向かう。いよいよ出撃の時が来たんだ。萌えるなあ! ワンコンはいまだあまり気乗りしていないようだけど(^^;

 ちょうど居合わせた宿泊客と思われる太った白人のおばちゃんが、うちらの望遠レンズを見て大ウケしていたけどどういう大ウケなんだ?驚きを表現してるのか?よくわからないがなんか憎めない感じのおばちゃんだったのでこちらも笑顔で手を振っておいた。

 ここで再び順番ジャンケン・・・またビリだ(T T) まあいいや、出かけられるだけでもありがたい。

 こうして一行は小雨の中ジャングルに向けて出発した。

 メインロードを歩き始めてすぐ、はるか遠くの木に止まるオオモズサンショウクイ(large wood shrike)を見つけてくれたワンコン。あいにく遠い上靄がかかっていたため証拠写真しか撮れなかったけど新たな種類が見れただけでも嬉しい。

 ワンコン、RICKさん、にゃっちさん、僕の順番でメインロードを進み、ボードウォークの入り口まで来た所で一同立ち止まる。ワンコンによるとBabblerがいるらしい。そういえば道路わきの茂みの中で小さい鳥が動き回っている。でも動きが激しくていまいち捕捉することができない。焦るなあ・・・

 気が付くといつの間にか先発していた老夫婦も合流していて一緒に鳥を探す。 

 そのうち一羽の小鳥が割と抜けた所にでてきたのですかさず撮影したが、これはBabbler系じゃなくてハイガシラアゴヒゲヒヨドリ(Yellow-bellied Bulbul)。大きさはスズメよりちょっと大きいくらいでヒヨドリと言う先入観があるからかなり小さく感じる。

 さらにボードウォークの奥から飛び出てきた青い小鳥をにゃっちさんが発見。あれはもしやボルネオヒメアオヒタキ!?
 これは見たかったんだ。思っていたよりこれもずいぶん小さい感じがする。しかしめちゃくちゃ綺麗な色だ・・・

 その派手な色にもかかわらず、ジャングルの中は暗いせいか意外と目立たない。それがちょこまかと飛び回るので、移動するたびに見失った!見つけた!と一喜一憂するが、みんなでアシストし合ったおかげで割と長いこと補足しつづけることができた。目が多いとこういうときいい結果がでる。
 

 かなり近くに寄ってきてくれた時は食事に夢中でこっちのことなんか全然気にしていなかった。

 ファインダーを覗くと鼻息でメガネがすぐ曇ってしまうのでそのたびにタオルで拭くが、熱帯雨林の湿気は半端じゃなく拭いても拭いてもすぐ曇ってしまう。やっぱり100円ショップの曇り止めじゃ効果が薄かったか・・・

 一方でRICKさんはコンタクト装備だったので曇りとは無縁なのだが、最近目が悪くなって度が合わなくなってしまったらしく、それはそれでかなり苦戦しているようだ。

 みんなそれぞれ問題を抱えつつも綺麗なボルネオヒメアオヒタキを前にして必死でシャッターを切る。

 しかし神様はこんな青い背中にどうしてオレンジのお腹なんか取り合わせたんだろう。ほれてまうやろ〜
 そんなボルネオヒメアオヒタキがいっぱい撮れたのでホクホクと幸せな気分だ。
 

 ここまでの成果は上々。さすがナンバレーだ!
 ボルネオヒメアオヒタキで大満足した所で老夫婦チームと別れ、うちらはボードウォークへと入っていく。
いよいよここからは本格的なジャングルの中だ。ボードウォークの上は人一人通るのがやっとな幅。
はたしてここでジャンケンの順番が影響してくるだろうか・・・

 もう周囲はダナンバレーのジャングルの真っ只中。前回RICKさんたちはここらへんでセアカミツユビを見たそうだ。
 もしかして今日もどこかの枝にセアカミツユビが止まっているかもしれないし、ヤイロチョウがヒョコヒョコ歩いて来るかもしれない。神経を張り詰めてゆっくりボードウォークを歩いていくが、意外と何も居ないまま終点まで来てしまった。

 しかしここでワンコンが何かが居ると立ち止まった。またなんて言ってるか聞き取れなかったのだが、レーザーポインタで指示してもらうと何か黒っぽい小鳥が地表近くを歩いていくのが見えた。結局撮影はできないまま終わってしまったが、あとで聞いたらコルリだったとのこと。撮りたかったなあ。

 そこからボードウォークをそれ、細いトレッキングロードでさらに森の奥深くに分け入ってゆく。

ここからはヒル危険地帯みたいだ。RICKさんの警戒心もかなりアップしている。

そして現れたのが・・・この巨大団子虫。正式にはヤスデの仲間なんだそうだ。

 ビビる男衆を尻目に、にゃっちさんが手にとって丸めてくれた(^^;
その大きさはピンポン玉くらいある。さすがボルネオの住民、でけ〜

さらに進むとトレックはダナン川沿いの道になった。ここから見ても川はえらい増水中。
でも雨の勢いは大分弱まってきたようだ。

どこかにコウハシショウビンでもいないかと探してみたが対岸にクリイロリーフモンキーの姿が見えただけ。

川沿いをさらに進んで行くと「チィー」と言う声が聞こえてきた!セグロミツユビだ!
ワンコンがここで待ってろ、といって様子を見に行くと、入れ替わりに赤い鳥がチーチー鳴きながら飛んできた。
セグロだ!行き先を目で追うが、森の奥に入ってしまい見失う。でもまずは姿を確認できた。これは期待が持てそうだ。

戻ってきたワンコンに「セグロはあっちに飛んでいった」というと「ウ〜ン、だめだな」って感じで首を振り、
次のポイントへと移動することになった。あまり深追いはしないようだ。

さっきまでの雨で森の中はいたるとこ度に小さな流れが出来、地面はぬかるみまくっている。
こんな環境では野鳥の会長靴はすごく機能的。泥の中に足を突っ込んでもすぐ抜けるしヒルが入ってくる心配もない。

そのヒルだが、歩いている途中RICKさんと顔を会わせると、僕の顔を見て「それ・・・なにかな?ひげ・・かな?」と言いながら全力で引きまくっている。え?え?そういえば顎の辺りがモゾモゾするような・・・もしかしてヒル付いてる(汗)?
 ひえ〜気持ちわりいよ〜 とってよ〜(泣)

でもRICKさんは逃げてしまったので(^^;かわりににゃっち親分が指でつまんで引っ張ってくれた。
すでにちょっと食いついていたようで、引っ張ると皮膚も一緒に伸びる感覚があったが、最終的にはにゃっちさんの首絞め攻撃に負けたようで「ぶちっ」って感じで取れてくれた。にゃっちさんありがとう〜あんた男前だよ〜

傷口を触るとちょっとだけ血が出ているが大したことはないようだ。でも前にカオヤイで咬まれた時、半年位痒みが残ったんだよな。悪化しないといいんだけど・・・

しかしヒルは何処からやってきたんだ?ヒル研究家のRICKさんによると木から落ちてきたりもするらしい。コエ〜

ヒル騒動の後、再びセグロの声が聞こえてきた。ワンコンによるとこの先に昔営巣していた所があるそうだ。
もしかしてまた巣を作っているかもしれないからということで一人チェックしにいった。
するとまたうちらの前をセグロミツユビカワセミが通過していく。なかなか難しいなあ。

そのあとそこら辺をいたり来たりしたもののワンコンはどんどん渋面になってゆき、
結局セグロを撮る事はできず来た道を戻る事になった。

帰り道、下生えのなかをゴソゴソ動き回る鳥の群れに遭遇。お腹のオレンジの彩度が高く、
キリットしたマユゲの綺麗な鳥だ。その正体はズグロチメドリ(Black-capped Babbler )

地面からしきりとアリをついばんでいた。

セグロはダメだったが今日のところはボルネオヒメアオヒタキとこいつが撮れたから小手調べにしては上々だったかな。

ボードウォークを出る頃には雨も上がっていた。ここでハイムネクモカリドリを見て今朝のトレッキングは終了となった。

午後は3時にエントランス集合という事でワンコンと分かれたが、時間はまだ11時過ぎ。
ちょっと撮り足りないのでいつものレストラン前広場に行って見る。

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