森の人

 ところがワンコンがチェックしているのはキャノピーウォーク入り口から坂を下った所にある大きな木。
どうやらここからはあの木を目指すらしい。キャノピーウォークには行かないのか。結構楽しみにしていたのに残念・・・

 目指す木をアップで見ると幹にまで蔦が巻きついて、まるで怪物みたい。その質量はすごい迫力だ。
フルーツが生っている木のようだが、木の下に数名先客がいるのが見える。
 

  キャノピーウォーク入り口から急坂を下りきると、川が流れていた。なかなかいい雰囲気の所だったので、アオムネカワセミとかルリカワセミなどいるのではないかと期待したが、ここは期待薄のポイントのようでそのままスルー。

 先客の皆様の所に合流すると、お客さんとガイドさんのほかに何かのリサーチをしていると思われるスタッフも混じって上を見上げていた。この賑わいはやっぱあれか!?森の人か!?

 さっきの大木を見上げると上のほうで枝がワサワサと揺れている、なにかいるぞ。

 レンズを向けて探すとと葉っぱの中で茶色い毛皮が動いているのが見えた。やっぱりオランウータンだ!
 引き寄せた枝をそのまま口へ持って行き、一心にフルーツを食べている。

 サル系にはあまり興味がないが、そこはボルネオの象徴みたいなオランウータン、見られるとなるとやっぱりうれしい。

 ワンコンの話だとメスの個体でベビーも一緒にいるという、どこだろう?

 最初は良くわからなかったが新たな木の枝に移るためびよ〜んとぶら下がった時、その胴体に必至にしがみつく赤ちゃん発見。親は腕で支えてやったりはしないのかな?赤ちゃんがいる事なんて全然意識していないみたいに無造作に動き回っている。あれでよく落っことさないものだ。赤ちゃんもしがみつくのに必死だろう。

 しばらく眺めていると赤ちゃんと目が合った。かわいいねえ。

 とはいえやっぱりサルはサル、鳥みたいには萌えないんだよな。だんだん飽きてきた。木の中にはルリコノハドリなんかもいるようだが何せ遠いので撮っても証拠写真にもならないだろう。

 でもワンコンは他のスタッフ達と話し込んでしまいなかなか移動する気配がない。上空をサイチョウが通過してゆく。早く鳥撮りがしたいぞ〜

 ふと三脚を見るとタイガーリーチ発見!こんな開けた所ならあまり怖くはないけどいったいどこから付いてきたんだろう? もしかしてさっきのヤイロポイントからずっといたの?!
 これが手に乗り移っていたらと思うとちょっとぞっとする。・・・でもよく見たらカラフルで意外と綺麗じゃないか。

 その美しさに免じて優しく木の枝でこそげ落としてやると、何をとち狂ったかヒルのやつ地面を這ってこちらに向かってくる。折角優しくしてやったのになんかうらみでもあるのか〜!? 気持ち悪いし頭に来たので石でつぶそうとしてみたがすごい弾力。地面と石の間でゴリゴリやってもびくともしない。なんて丈夫なんだろ。あえて言うなら焼肉のミノみたいな感触だ。これはやっつけられそうもないので再び枝で拾って藪の中に放り投げた。もう帰ってくんなよ〜

 そのあとの大木の下に行ってみると、小さな木の実がいっぱい落ちているのを発見。

 これがオランウータンの食べているフルーツらしい。おいしいのかな?ひとつ味見してみたい気もするが、お腹壊すと困るのでやめておく。何度も言うがお腹の弱さだけは誰にも負けないのだ(^^;

 そんな事をして暇をつぶしているうちにワンコンもおしゃべりに満足してくれたようで、三脚とスコープを担ぎ上げた。
やっと鳥撮り再開だ。しかし貴重な時間をかなり無駄にしたような気がしないでもない・・・

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